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工業大学生ももやまのうさぎ塾

4年間+2年間の工業大学・大学院で学んだ知識やためになることを投稿していきます

解析1 本番レベル模試 For Ultra-Analyzers 後編(定期試験・編入学・院試・数検対策)

こんにちは、ももやまです。

今回は行基本変形サークル [ @kit_matrix ] さんに作っていただいた本番レベル模試の番外編「For Ultra-Analyzers」の後半の問題をお借りして解説をつくりました!

前半はこちらから!!

定期試験、編入学、院試、数検対策にぜひ挑戦してみてください!

なお、★がついている問題は高校生(数3習っている人)なら解けるので高校生のチャレンジもお待ちしております!

 

 

問題8 ★ドラえもん積分

2013年5月17日(金)19時から放送されたテレビ番組「ドラえもん」の「脱出!恐怖の骨川ハウス」というお話に次のような問題が登場した

\[ F(a) = \int^{ \frac{\pi}{2} }_0 \left| \sin x - a \cos x \right| dx \]を最小にする  a の値を求めよ。

 これを解きなさい。

 ★解説★

積分したあとに微分をするハードな問題。
大学入試問題でも出てきそうな問題ですね。

 

(i)  a \gt 0 のとき、\[ \sin x - a \cos x = 0\] は、 0 \leqq t \leqq \frac{\pi}{2} でただ1つの実数解をもつ。これを  t とおく。

 0 \leqq a \leqq t のとき  \sin x - a \cos x \leqq 0
 t \leqq a \leqq \pi / 2 のとき  \sin x - a \cos x \geqq 0

なので、\[\begin{align*}
& \int^{ \frac{\pi}{2} }_{0} \left| \sin x - a \cos x \right| dx 
\\ = & \int^{ t }_{0} a \cos x - \sin x  \ dx+ \int^{ \frac{\pi}{2} }_{t} \sin x - a \cos x \ dx
\\ = & \left[ a \sin x + \cos x \right]^{ t }_{0} + \left[ - \cos x - a \sin x \right]^{ \frac{\pi}{2} }_{ t }
\\ = & a \sin t + \cos t - 1 - a + \cos t + a \sin t
\\ = & 2 a \sin t + 2 \cos t - a - 1
\end{align*} \]

ここで、 \sin x - a \cos x = 0 より、\[ a = \frac{ \sin x}{ \cos x} = \tan x \]が成立する。また、\[ \cos x = \frac{1}{ \sqrt{1 + \tan^2 x} } = \frac{1}{ \sqrt{1 + a^2} } \\ \sin x = \cos x \tan x = \frac{a}{ \sqrt{1 + a^2} } \]が成立する。

関数  f(a) を、\[\begin{align*} 
f(a) & =  2 a \sin t + 2 \cos t - a - 1
\\ & = 2 a \cdot \frac{a}{ \sqrt{1 + a^2} } + 2 \cdot \frac{a}{ \sqrt{1 + a^2} } - a - 1
\\ & = \frac{2a^2 + 2}{ \sqrt{1 + a^2} }  - a - 1
\\ & = 2 \sqrt{1 + a^2} - a - 1
\end{align*} \]とし、 a \leqq 0 における  f(a) の最小値を求める。

\[\begin{align*} 
f'(a) & =  \frac{2a}{ \sqrt{a^2 + 1} } - 1
\\ & = \frac{2a - \sqrt{a^2 + 1} }{ \sqrt{a^2 + 1} }
\end{align*} \]となる。

また、 f'(0) となるためには、 2a = \sqrt{a^2 + 1} となればよい。

\[ 4a^2 = a^2 + 1 \\ 3a^2 = 1 \\ a^2 = \frac{ \sqrt{3} }{3}  \]となる (  a \geqq 0 なので )より、増減表は、

f:id:momoyama1192:20190727204117g:plain

となる。よって、\[ a = \sqrt{3}{3} \ \ \ \left( F(a) = \sqrt{3} - 1 \right) \]で最小となる。

(ii)  a \lt 0 のとき、 0 \leqq x \leqq \pi / 2 で常に  \sin x \gt a \cos x となる。よって、\[\begin{align*}
& \int^{ \frac{\pi}{2} }_{0}  \sin x - a \cos x dx 
\\ & = \left[ - \cos x - a \sin x\right]^{ \frac{\pi}{2} }_{0}
\\ & = - a + 1
\end{align*} \]となる。よって、 a \lt 0 のとき、 F(a) \gt 1 となる。

 

(i), (ii) より\[ a = \sqrt{3}{3} \ \ \ \left( F(a) = \sqrt{3} - 1 \right) \]で最小となる。

 

問題9 ライプニッツの公式

 f(x) = x^3 \sin x とする。このとき、以下の問いに答えなさい。

(1)  \sin x n 階導関数 [tex: ( \sin x)^{(n)} を求めなさい。
ただし、 n \geqq 0 とする。

(2) ライプニッツの公式を用いて、 f(x) n 階導関数  f^{(n)} (x) を求めなさい。

 ★解説★

(1)

とりあえず何回か微分をしてみる。\[ f'(x) = \cos x \\ f''(x) = - \sin x \\ f'''(x) = - \cos x \\ f''''(x) = \sin x\]と4回微分すると元に戻る。

よって n 階導関数 [tex: ( \sin x)^{(n)} は、\[ \left\{ 
\begin{array}{l} \ \ \sin x \ \ \  & (n = 4k) \\
\ \ \cos x \ \ \ & (n = 4k + 1) \\
- \sin x \ \ \ & (n = 4k + 2) \\
- \cos x \ \ \  & (n = 4k + 3)
\end{array}\right. \]となる( k は0以上の整数)。

また、下のように図示することで、\[ \frac{d^n}{dx^n} \sin x = \sin \left( x + \frac{n}{2} \pi \right) \]と表せる。

 

f:id:momoyama1192:20190727203851g:plain

(2)

  g(x) = x^3,  h(x) = \sin x とする。

 g'(x) = 3x^2 g''(x) = 6x,  g'''(x) = 6 となる。4次以上の微分で項が0になるまで、3次までを考えればよい。

また、 h(x) n 次導関数は \[ h^{(n)}(x) = \sin \left( x + \frac{n}{2} \pi \right) \]なので、 f(x) の導関数は、\[\begin{align*}  \frac{d^n y}{dx^n}  = & {}_n \mathrm{C} _0 \cdot x^3 \left( \sin \left( x + \frac{n}{2} \pi \right)  \right) + {}_n \mathrm{C} _1 \cdot 3x^2 \left( \sin \left( x + \frac{n-1}{2} \pi \right)  \right) \\ + & {}_n \mathrm{C} _2 \cdot 6x \left( \sin \left( x + \frac{n-2}{2} \pi \right)  \right) + {}_n \mathrm{C} _3 \cdot 6 \left( \sin \left( x + \frac{n-3}{2} \pi \right)  \right)

\\ = &

 x^3 \left( \sin \left( x + \frac{n}{2} \pi \right)  \right) + 3 n x^2  \left( \sin \left( x + \frac{n-1}{2} \pi \right)  \right) \\ + &  3n (n-1) x \left( \sin \left( x + \frac{n-2}{2} \pi \right)  \right) + n(n-1)(n-2) \left( \sin \left( x + \frac{n-3}{2} \pi \right)  \right)
\end{align*} \]となる。

 

 n 次導関数やライプニッツの公式の復習はこちらから!

www.momoyama-usagi.com

問題10 ★tan(x/2) = t とおく積分

 \tan \frac{x}{2} = t とおいたとき、\[
\sin x = \frac{2t}{1+t^2} , \ \ \ \cos x = \frac{1-t^2}{1+t^2}, \ \ \ dx = \frac{2}{1+t^2} \ dt 
\]が成立することを示しなさい。

 ★解説★

(1) tan x を tで表す

 x = \frac{x}{2} + \frac{x}{2}  がポイント。

あとは  \tan の加法定理。\[\begin{align*} & \tan \left( \frac{x}{2} + \frac{x}{2} \right) \\ = & \frac{ \tan \frac{x}{2} + \tan \frac{x}{2} }{1 -  \tan \frac{x}{2} \tan \frac{x}{2}}
\\ = & \frac{ 2 \tan \frac{x}{2}}{1 - \tan^2 \frac{x}{2}}
\\ = & \frac{2t}{1-t^2}
\end{align*} \]と変形できる。

 

 

(2) cos x を tで表す

三角関数の公式を利用。

 x = \frac{x}{2} + \frac{x}{2} と考えるのは(1)と同じ。

\[\begin{align*} \cos x = & \cos \left( \frac{x}{2} + \frac{x}{2} \right)
\\ = & \cos^2 \frac{x}{2} - \sin^2 \frac{x}{2}
\\ = & 2 \cos^2 \frac{x}{2} - 1
\\ = & \frac{2}{1 + \tan^2 \frac{x}{2}} - 1
\\ = & \frac{2}{1 + t^2} - 1
\\ = & \frac{2 - 1 - t^2}{1 + t^2}
\\ = & \frac{1 - t^2}{1 + t^2}
\end{align*} \]と変形可。

(3) sin x を tで表す

 \sin x は、 \cos x,  \tan x の結果を用いて簡単に導出可能。\[ \tan x = \frac{\sin x}{\cos x} \]なので、\[\begin{align*}\sin x & = \cos x \tan x
\\ & = \frac{1-t^2}{1+t^2} \cdot \frac{2t}{1-t^2} \\ & = \frac{2t}{1+t^2}
\end{align*} \]と変形可。

(4) dx = (    ) dt のカッコ内をtで表す

(1)でもとめた  \tan x の値をここでも利用。

\[ dt = \frac{1}{2 \cos^2 \frac{x}{2}} \ dx= \frac{1 + \tan^2 x}{2} \ dx\] と変形でき、\[  dx = \frac{2}{1 + \tan^2 x} \ dt = \frac{2}{1 + t^2} \ dt  \]と示せる。

 

別解(逆三角関数を使う)

 \tan \frac{x}{2} = t の逆関数は、 x = 2\tan^{-1} t である。
なので、 \[ dx = \frac{2}{1+t^2} \] と示せる。

 

 \tan x/2 = t とおくタイプの積分練習はこちらからどうぞ!

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問題11 マクローリン展開を用いた近似

 \sin 1 の(近似)値を小数第3位まで正確に求めなさい。

 ★解説★

まずは  \sin x のマクローリン展開を行う。\[ \sin x = x - \frac{1}{3!} x^3 + \frac{1}{5!} x^5} - \frac{1}{7} x^7 + \cdots \]となる。

ここで、 7! = 5040 なので、 x^7 の項がなかったとしても誤差は  1/1000 未満であり、小数第3位以上の値には響かない。

なので、5次(正確には6次)までのマクローリン展開の値に  x = 1 を代入すればよい。\[ \sin 1 \fallingdotseq  1 - \frac{1}{6} + \frac{1}{120} = \frac{101}{120} \fallingdotseq 0.842 \]となる。

 

※厳密に誤差が1/1000以下(小数第3位に響かない)ことを示す方法を下に書きます。

 \sin x のマクローリン展開の7次以降の項を  R_7 とする。\[ R_{7} (1) = \frac{f^{(7)} (c)}{7 !} = \frac{- \cos c}{5040}\]となる。ここで、 x = 1 より、 0 \lt c \lt 1 であることがわかる。

また、 |- \cos x| \leqq 1 なので、最大の誤差は、\[\frac{- \cos c}{5040} \to \frac{1}{5040} \lt \frac{1}{1000}\]となり、どんなに誤差が起こっても0.001未満で収まることが示せた。

 

マクローリン展開の復習はこちらから!
(マクローリン展開における誤差評価の仕方もこちらに載せています!) 

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問題12 ★増減表を用いた比較

\[ f(x) = \frac{ \log x}{ x} \]について、以下の問いに答えなさい。

(1)  f(x) の増減を調べなさい。
(2)  e^{\pi} \pi^{e} はどちらが大きいか。

 ★解説★

増減を調べなさい。とだけ書かれている場合は2回微分をして凹凸を判定する必要はない。\[ f'(x) = \frac{ \frac{1}{x} \cdot x - \log x }{x^2} = \frac{ 1 - \log x }{x^2} \]となり、増減表は以下の通りになる。

f:id:momoyama1192:20190727203847g:plain

(2) 増減表より、 x \gt e のときは、単調減少となることがわかる。

つまり、 f(\pi) \lt f(e) が成立する。よって、\[ \frac{ \log \pi}{\pi} < \frac{ \log e}{e} \]となる。両辺を  \pi e で掛けると\[ e \log \pi < \pi \log e \\ \pi^e < e^\pi \]となります。

問題13 ★積分を用いた面積計算

半径  a の円の面積が  \pi a^2 で表されることを積分により示しなさい。

 ★解説★

下で示された曲線で囲まれた図形の面積公式を使う。

 

曲線で囲まれた図形の面積の積分公式

 a \leqq x \leqq b において、 f(x) \geqq g(x) のとき、2つの曲線  y = f(x),  y = g(x) と2直線  x = a,  x = b で囲まれた部分の面積  S は、\[ S = \int^{a}_{b} \left( f(x) - g(x) \right) \ dx \]で求められる。

 

半径  a の円を方程式で表すと  x^2 + y^2 = a^2 と表すことができる。

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ここで、 y = の式に書き換えると、\[ y = \pm \sqrt{a^2 - x^2} \]となる。今回は、ピンク色で示された  y \gt 0 の部分の面積を求めたい(2倍すると円になる)ので、 y = \sqrt{a^2 - x^2} を用いる。

あとは、 y = \sqrt{a^2 - x^2} x 軸で囲まれた面積  S を求める。つまり、\[
\begin{align*} &
\int^{a}_{-a} \sqrt{a^2 - x^2} \ dx = 2 \int^{a}_{0} \sqrt{a^2 - x^2} \ dx 
\end{align*} \]を計算すればよい。

 x = a \sin t とおく。 dx = a \cos t \ dt、積分範囲は  0 \to \frac{\pi}{2} となる。\[
\begin{align*} &
2 \int^{a}_{0} \sqrt{a^2 - x^2} \ dx 
\\ = & 2 \int^{ \frac{\pi}{2}}_{0} \sqrt{a^2 - a^2 \sin^2 t} \cdot a \cos t \ dt
\\ = & 2 \int^{ \frac{\pi}{2}}_{0} \sqrt{a^2 \cos^2 t} \cdot a \cos t \ dt
\\ = & 2a^2 \int^{\frac{\pi}{2}}_{0} \cos^2 t \ dt
\\ = & a^2 \int^{\frac{\pi}{2}}_{0} 1 + \cos 2t \ dt
\\ = & a^2 \left[ t + \frac{1}{2} \sin 2t  \right]^{\frac{\pi}{2}}_{0}
\\ = & \frac{1}{2} \pi a^2  
\end{align*} \]と計算できる。

これは半円の面積なので、円の面積にするためには2倍をすればよい。

2倍すると、 \pi a^2 となり、題意は満たされた。

 

問題14 ★積分を用いた体積計算

半径  a の球の体積が  \frac{4}{3} \pi a^3 で表されることを積分により示しなさい。

 ★解説★

半径  a の円を考え、この円を  x 軸周りに回転させることで半径  a の球となる。

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下に表されている  x 軸まわりの回転したときの回転体の体積の公式を用いる。

 

x軸周りに回転したときの回転体の体積

曲線  y = f(x) x 軸、および2直線  x = a,  x = b で囲まれた図形を  x 軸周りに1回転させてできる回転体の体積  V は、\[
V = \pi \int^{a}_{b} y^2 \ dx = \pi \int^{a}_{b} \left( f(x) \right)^2 \ dx
\]と表される。

 \pi の掛け忘れに要注意!!

 x^2 +  y^2 = a^2 は、 y^2 = a^2 - x^2 と書くことができる。よって今回の場合は、\[
\begin{align*} &
\pi \int^{a}_{-a} a^2 - x^2 \ dx =  2 \pi \int^{a}_{0} a^2 - x^2 \ dx 
\end{align*} \]を計算すればよい。\[
\begin{align*} &
2 \pi \int^{a}_{0} a^2 - x^2 \ dx 
\\ = & 2 \pi \left[ a^2 x - \frac{1}{3} x^3  \right]^{a}_{0}
\\ = & 2 \pi \cdot \left(a^3 - \frac{1}{3} a^3 \right)
\\ = & \frac{4}{3} \pi a^3
\end{align*} \]と計算できる。

よって、題意は満たされた。

 

問題15 おまけ(解けなくてOKです)

ある日の午前中に雪が降り始めた。雪はつねに一定のペースで降る。除雪車が正午(PM12 時)ぴったりに動き出し、1時間で2マイルの除雪を完了し、さらに1時間で1マイルの除雪を完了した。さて、雪はいつ降り始めた?

(余談:正午はPM12:00と表すそうです。日本とはちょっと違いますね。)

 ★解説★

こちらのサイトからの引用らしいです。
解説はこちらのサイトをご覧ください。

sist8.com

難しすぎるので全然解けなくてOKです。

私もチャレンジしてみましたがわけがわかりませんでした。

この問題が解けないからと言って大学受験に受からない、単位を落とす、数検、編入試験、院試で不合格になることはないので超安心してください。

ちなみに答えは午前11時23分らしいです。

 

さいごに

今回は解析1の本番レベル模試のおまけ問題「For Ultra-Analyzers」の後編の解説についてまとめました。

このおまけ問題を通じて微積で苦手な分野をあぶり、苦手な分野を集中的に学習すればさらなる微積力アップにつながるでしょう!

次回からはいよいよ本番レベル模試の本編の解説をしていきたいと思います!(2回にわけます)

本編はこちらから↓↓↓↓

www.momoyama-usagi.com

今回も計算量えげつない問題多くて解説書くの大変でした() 作者の数学力強すぎる…()