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工業大学生ももやまのうさぎ塾

うさぎでもわかるをモットーに大学レベルの数学・情報科目をわかりやすく解説!

うさぎドリル 解析・数学3 極限編(行基本変形サークル作問)

こんにちは、ももやまです。
今日は簡単な数3(解析学)の極限の復習をしてみましょう。

 

今回も行基本変形サークル [ @kit_matrix ] さんに特別に許可をいただき、こちらのサイトで解説を作成することにしてみました。本当にありがとうございます…!

 

 

1.問題

今回はこちらの4つの極限を求める問題です。
大学生の方もロピタルの定理はなるべく使わずに求めてみましょう。
(※ロピタルの定理をどうしても使う人は使用条件を確かめてから使ってください。)

 

ロピタルの定理についてはこちらの記事をご覧ください。

www.momoyama-usagi.com

問題A(レベル ★☆☆☆☆)

\[ \lim_{x \to 0} \frac{e^x - 1}{x}\]

問題B(レベル ★★☆☆☆)

\[ \lim_{x \to 0} \frac{1 - \cos x}{x^2}\]

問題C(レベル ★★★☆☆)

\[ \lim_{x \to 0} (1 - \sin x )^{\frac{1}{\tan x}}\]

問題D(レベル ★★★★★)[応用]

\[ \sum_{n=1}^{\infty} \log \cos \frac{\theta}{2^n}\]

 

極限の重要公式

\[ \lim_{x \to \infty} \left(1 + \frac{1}{x} \right)^x = \lim_{x \to 0} \left(1 + x \right)^{\frac{1}{x}}  = e\\
\lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = 1
\]

2.解説

何パターンか解答の導き方を書いてみます。

解答A

解法1 一番オーソドックス

 e^x - 1 = t とする。すると  e^x = 1 + t となる。
よって、 x = \log (1 + t) となる。\[ \lim_{x \to 0} \frac{e^x - 1}{x} = \lim_{t \to 0} \frac{t}{\log (1 + t)} = \lim_{t \to 0} \frac{1}{\log (1 + t)^{\frac{1}{t}}} = 1 \]

解法2 微分係数の定義を使う

 f(x) = e^x とする。 f'(x) = e^x なので、\[ \lim_{x \to 0} \frac{e^x - 1}{x} = \lim_{x \to 0} \frac{e^x - e^0}{x - 0} = f'(0) = 1\]

解答B

解法1 両辺になにかをかける

\[ \begin{align*} \lim_{x \to 0} \frac{1 - \cos x}{x^2}  = &  \lim_{x \to 0} \frac{(1 - \cos x)(1 + \cos x)}{x^2 (1 + \cos x)} \\ = &  \lim_{x \to 0} \frac{1 - \cos^2 x}{x^2 (1 + \cos x)} \\ = &  \lim_{x \to 0} \frac{\sin^2 x}{x^2 (1 + \cos x)}
\\ = &  \lim_{x \to 0} \frac{\sin^2 x}{x^2} \cdot \frac{1}{1 + \cos x}
\\ = &  \lim_{x \to 0} \left( \frac{\sin x}{x} \right)^2 \cdot \frac{1}{1 + \cos x} = \frac{1}{2}
\end{align*} \]となる。

解法2 半角の公式

半角の公式を忘れた人は加法定理から導きだしてください。

\[ \begin{align*} \lim_{x \to 0} \frac{1 - \cos x}{x^2}  = & 
2 \lim_{x \to 0}  \frac{\sin^2 \frac{x}{2}}{x^2} \\ = &
\frac{1}{2} \lim_{x \to 0}   \frac{\sin^2 \frac{x}{2}}{\left(\frac{x}{2} \right)^2} \\ = &
\frac{1}{2} \lim_{x \to 0}  \left( \frac{\sin \frac{x}{2}}{\frac{x}{2}} \right)^2  = \frac{1}{2}
\end{align*} \]

解法3 ロピタルの定理

あまりやってほしくないですが一応ロピタルの定理でも解けます。

\[ \begin{align*} \lim_{x \to 0} \frac{1 - \cos x}{x^2}  = & 
\lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{2x} \\ = & 
\lim_{x \to 0} \frac{\cos x}{2} = \frac{1}{2} 
\end{align*} \]

よってロピタルの定理より  1/2 に収束する。

解答C

定義に持ち込む

\[ \begin{align*} \lim_{x \to 0} (1 - \sin x )^{\frac{1}{\tan x}}  = & 
\lim_{x \to 0} (1 - \sin x )^{\frac{\cos x}{\sin x}} \\ = & 
\lim_{x \to 0} \left( (1 - \sin x )^{-\frac{1}{\sin x}} \right)^{- \cos x} = 
\frac{1}{e}
\end{align*} \]

 

ロピタルに持ち込む

\[ \begin{align*} \lim_{x \to 0} \log (1 - \sin x )^{\frac{1}{\tan x}}  = & 
 \lim_{x \to 0}  \frac{1}{\tan x} \log (1 - \sin x ) \\ = & 
 \lim_{x \to 0}  \frac{\log (1 - \sin x )}{\tan x} \\ = & 
 \lim_{x \to 0}  \frac{\frac{- \cos x}{1 - \sin x}}{\frac{1}{\cos^2 x}} \\ = & 
 \lim_{x \to 0} \frac{- \cos x}{1 - \sin x} \cdot \cos^2 x = -1
\end{align*} \]となる。

よって、\[ \lim_{x \to 0} (1 - \sin x )^{\frac{1}{\tan x}} = e^{-1} = \frac{1}{e}\]となる。

解答D

応用問題です。

\[\begin{align*} &
\sum_{n=1}^n \log \cos \frac{\theta}{2^n} \\ = & \log \cos \frac{\theta}{2^1} + \log \cos \frac{\theta}{2^2} + \cdots + \log \cos \frac{\theta}{2^{n-1}}  + \log \cos \frac{\theta}{2^n} \\ = & \log \left( \cos \frac{\theta}{2^1} \times \cos \frac{\theta}{2^2} \times \cdots \times \cos  \frac{\theta}{2^{n-1}} \times \cos  \frac{\theta}{2^n} \right) 
\end{align*} \]となる。

ここで、倍角の公式を使ってドミノ倒しに  \cos を消していく方法を考える。

\[ \begin{align*} &
\cos \frac{\theta}{2^1} \times \cos \frac{\theta}{2^2} \times \cdots \times \cos  \frac{\theta}{2^{n-1}} \times \cos  \frac{\theta}{2^n} \cdot \sin  \frac{\theta}{2^n} \\ = &
\frac{1}{2} \cos \frac{\theta}{2^1} \times \cos \frac{\theta}{2^2} \times \cdots \times \cos  \frac{\theta}{2^{n-1}} \cdot \sin  \frac{\theta}{2^{n-1}} \\ = &
\frac{1}{4} \cos \frac{\theta}{2^1} \times \cos \frac{\theta}{2^2} \times \cdots \times \sin  \frac{\theta}{2^{n-2}} \\ = &
\cdots \cdots \cdots \cdots \cdots \\ = &
\frac{1}{2^{n-2}} \cos \frac{\theta}{2^1} \times \cos \frac{\theta}{2^2} \cdot \sin  \frac{\theta}{2^{2}} \\ = &
\frac{1}{2^{n-1}} \cos \frac{\theta}{2^1} \cdot \sin  \frac{\theta}{2^1} \\ = &
\frac{1}{2^{n}} \sin \theta
\end{align*} \]となるので、\[\begin{align*} \sum_{n=1}^n \log \cos \frac{\theta}{2^n} = & \log \left( \cos \frac{\theta}{2^1} \times \cos \frac{\theta}{2^2} \times \cdots \times \cos  \frac{\theta}{2^{n-1}} \times \cos  \frac{\theta}{2^n} \right) \\ = & \log \left( \frac{\sin \theta}{2^n \sin \frac{\theta}{2^n}} \right)  \end{align*} \]

となる。

\[\frac{\sin \theta}{2^n \sin \frac{\theta}{2^n}} = \frac{\sin \theta}{\theta} \cdot \frac{\frac{\theta}{2^n}}{\sin \frac{\theta}{2^n}} \]となる。ここで、\[ t = \frac{\theta}{2^n} \ \ \ n \to 0 \] とする。\[ \begin{align*} & \lim_{n \to \infty} \frac{\sin \theta}{\theta} \cdot \frac{\frac{\theta}{2^n}}{\sin \frac{\theta}{2^n}} \\ = & \frac{\sin \theta}{\theta} \lim_{t \to 0}  \cdot \frac{t}{\sin t}
\\ = & \frac{\sin \theta}{\theta} \lim_{t \to 0}  \cdot \frac{1}{\frac{\sin{t}}{t}} = \frac{\sin \theta}{\theta} \end{align*} \]

となり、\[ \lim_{n \to \infty} \sum_{n=1}^n \log \cos \frac{\theta}{2^n} = \log \left(\frac{\sin \theta}{\theta} \right) \]と求められます。

3.解いてみた感想

問題Dに圧倒的な時間を費やしてしまいました……(20分程度)。

問題Aは有名な公式なので1をあっという間に出せました(1分)。
問題Bはロピタルを使いたくなりましたが、我慢して半角の公式で出しました(3分)。
問題Cはちょっと変形に迷いましたが、なんとか出せました(5分)。

個人的な感想としては、問題A,Bは絶対に解けてほしいなと思います。

問題Cが差がつくライン、問題Dができたら数学に強い自信を持って大丈夫だと思います!

4.さいごに

今回は極限の練習問題として、行基本変形サークルの問題の解説をしました。

大学生はロピタルの定理に慣れることも大切かもしれませんが、定理を使う前に極限の公式を使った変形についても理解しておくといいと思います。

高校生で数3を習っている人は極限の基本変形と基本公式を頭に入れておきましょう!