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こんにちは、ももやまです。
今回は解析学の最初ほうで習うマクローリン展開、テイラー展開についてまとめてみます。
注意:今回は特に何も書かれていない限り、関数は無限回微分することができる関数とします。
目次 [hide]
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1.マクローリン展開
マクローリン展開を用いると、(無限に微分できる関数であれば)関数
マクローリン展開のことを、
展開の公式は次のような公式で表されます。
関数
となる。
試しに1問マクローリン展開してみましょう。
例題1
(1)
(2)
解答1
(1)
まずは5次の項まで求めてみます。
(2)
ここで主要な関数のマクローリン展開を紹介します。
これらのマクローリン展開を覚えておくと、色んな場面で便利かもしれません。
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2.テイラー展開
1のマクローリン展開の拡張バージョンがテイラー展開となります。
テイラー展開をすると、、関数
関数
となる。
※マクローリン展開は
テイラー展開の
では、テイラー展開についても、1問練習してみましょう。
例題2
解答2
関数を4回微分して、
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3.オイラーの公式
マクローリン展開を使うことでオイラーの公式を導くことができます。
この3つの公式を使うことで、超有名公式であるオイラーの公式を導き出すことができます。
マクローリン展開の
さらに、この公式に
4.マクローリン展開を用いた近似計算
マクローリン展開を使って関数の近似計算を行うことができます。
例題3
解説3
あとは、
実際に
5.マクローリン展開を用いた極限計算
マクローリン展開は極限計算に応用することができます。
例題4
次の極限計算を
解説4
形を見ると、分母に
上の極限式に代入すると、
6.マクローリン展開の誤差見積もり
マクローリン展開を有限の項まで求めた場合は、誤差が発生します。
例えば、3次のマクローリン展開をした場合は、4次以降の項が考慮されませんね。
なので誤差は
また、関数を
無限に微分できる関数
ただし、
(ラグランジュの剰余項と呼ばれます。)
1問例題を解いてみましょう。
例題5
(1)
(2)
(3) (2)の誤差が0.01未満であることを示しなさい。必要であれば
解説5
(1)
(2)
(3)
今回は5次の項までの求めたので誤差は6次の項以降になる。よって
また、
マクローリン展開だけでなく、
無限に微分できる関数
ただし、
7.練習問題
では何問か練習してみましょう。
練習1
練習2
練習3
練習4
練習5
練習6
(1)
(2) (1)の結果を用いて
練習7
つぎの2つの関数
(1) 関数
(2) (1)を用いて関数
練習8
関数
(1)
(2)
(3) (2)の誤差が0.001未満であることを示しなさい。
練習9
関数
(
(1)
(2)
(3)
(4) (3)を用いて
(5) (3)を用いてつぎの極限を求めなさい。
8.練習問題の答え
解答1
ひたすら微分しましょう。
☆別解☆
解答2
ひたすら微分をしていく。
☆別解☆
解答3
まずは、半角の定理(知らなければ倍角や加法定理から導きましょう)で2乗をはずします。
あとはゴリ押し。
☆別解☆
あとは
解答4
あとは2つのマクローリン展開をそれぞれ求めればよい。
解答5
解答6
(1)
(2)
計算をしていくと、
となり、1.005となることがわかります。
解答7
(1)
(2) (1)より、
解答8
(1)
(2)
(3)
6次の項までの求めたので誤差は7次の項以降になる。
よって
また、
解答9
(1)
公式を忘れてしまった人は、
(2)
(1)の形式のまま2次以降の導関数を計算すると溝にはまって詰みます。
なので、導関数の形を変えて挙げましょう。
さらに合成関数の微分公式を使います。
2次の導関数は、
同様に
3次のとき
4次のとき、
5次のとき、
とそれぞれ求めることができます。
(3)
(2)で求めた導関数に
(4)
(3)の答えに
(5)
分母が
9.さいごに
今回は、マクローリン展開・テイラー展開についてまとめをしました。
大学の解析学の期末試験・数検などに頻出する分野なのでぜひ理解しましょう!
主要な関数のマクローリン展開を覚えておくと、極限などをどうしても求めることができないときに使うと答えが出せるので最後の悪あがきに試してみましょう。
*1:もっと正確な値がほしいときは更に高次のマクローリン展開をすると正確な値を出すことができます。
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