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工業大学生ももやまのうさぎ塾

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1週間で完成! うさぎでもわかる確率分布と統計的な推測 2日目 二項分布

こんにちは、ももやまです。

今回は、数Bの「確率分布と統計的な推測」の分野の中でも共通テストで頻出する「二項分布」についてうさぎでも1時間でわかるように説明していきたいと思います!

 

 

前回の「うさぎでもわかる確率分布と統計的な推測」1日目はこちら↓

www.momoyama-usagi.com

 

1.反復試行(確率の復習)

二項分布の説明をする前に数Aの「確率」の復習を少しだけ行いましょう。

1つの操作を(同じ条件で)繰り返し行うこと反復試行と呼びます。

例1 コイントス

問題

コインを5回投げたときに2回表が出る確率は?

解説

まず、5回中2回表が出るパターン(いつ表が出るか)を考えます。

出方としては  {}_5 \mathrm{C} _2 = 10 通り*1あります。

10通りそれぞれの2回表が出る確率は、\[
\left( \frac{1}{2} \right)^2 \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^3 = \frac{1}{32}
\]なので、答えは\[
10 \cdot \frac{1}{32} = \frac{5}{16}
\]となります*2

 

例2 サイコロ

問題

サイコロを3回投げたときに1回だけ6の目が出る確率は?

解説

まず、3回中1回表が出るパターンを考えます。

出方としては  {}_3 \mathrm{C} _1 = 3 通り*3あります。

3通りそれぞれで1回表が出る確率は、\[
\frac{1}{6} \cdot \left( \frac{5}{6} \right)^2 = \frac{25}{216}
\]なので、答えは\[
3 \cdot \frac{25}{216} = \frac{25}{72}
\]となります*4

 

反復試行の場合の確率

1回の試行で、ある事象 A が確率  p で起こるとする。

この試行を  n 回繰り返したとき、事象 A が  k 回起こる確率は、\[
 {}_n \mathrm{C} _k \cdot p^k (1-p)^{n-k}
\]つまり、

  1.  n 回繰り返したときにAの起こり方のパターン数を計算
  2. 事象が起こる回数だけ  p(起こる確率) を掛けたもの
  3. 事象が起こらない回数だけ  1-p(起こらない確率)を掛けたもの

の1, 2, 3の積で求めることができる。

 

では、本題の二項分布に入りましょう。 

2.二項分布とは

反復試行の中で、結果が「起こる」か「起こらない」かのような、結果が2つしかないような試行 n 回繰り返したときに、事象が起こる回数  X、事象が起こる確率  p が従う確率分布のことを二項分布と呼び、 B(n,p) と表します。

※ Bは二項分布(Binary distribution) の頭文字です。

二項分布の例1 コイントス

コインを5回投げたときに表が出る回数を  X としましょう。

コインを投げたときの結果は「表が出る」か「裏が出る」のどちらかですよね。なので、 X は二項分布に従います。

 

試行回数は5回、表が出る確率は 1/2 なので  X は二項分布  B(5, \frac{1}{2}) に従います。

 

二項分布の例2 サイコロ

サイコロを3回投げたときに6の目が出る回数を  X としましょう。

サイコロを振ったときの結果は「6の目が出るか」か「6の目が出ない」のどちらかですよね。なので、 X は二項分布に従います。

 

試行回数は3回、6の目が出る確率は 1/6 なので  X は二項分布  B(3, \frac{1}{6}) に従います。

 

3.二項分布の平均 / 分散 / 標準偏差

ある確率変数  X が二項分布に従うときの平均  E(X)、分散  V(X)、標準偏差  \sigma(X) は簡単に求めることができます。

共通テスト(旧:センター試験)にも頻出なので必ず頭にいれておきましょう!

 

二項分布の平均 / 分散 / 標準偏差

ある確率変数  X が二項分布  B(n,p) に従うときの平均  E(X)、分散  V(X)、標準偏差  \sigma (X) は、\[
E(X) = np \\
V(X) = E(X) \cdot (1-p) =  np(1-p) \\
\sigma (X) = \sqrt{ V(X) } = \sqrt{ np(1-p) }
\]で求められる。

平均  E(X) は、 n 回中  X がだいたいどれくらい起きるかでしたね。

1回ごとに  p の確率で起こるので、 n 回起こったらだいたい  np 回起こるのは直感でもわかりやすいです。

 

また、分散  V(X) は、公式(平均  E(X) × 事象が起こらない確率(  1-p ) が分散  V(X))を覚えておくと計算があっという間にできるので必ず覚えておきましょう。

二項分布の公式の導出

二項分布の平均  E(X)、分散  V(X) を導出も一応説明しておきましょう。

ここで、 i 回目に、1回何かを試行したときに事象Aが起こった回数  X_i とし、 p の確率で事象が起こるとします。

すると、 X_i = 1 となる確率は  p(事象が起こる確率)、 X_i = 0 となる確率は  1-p(事象が起こらない確率)となります。 

 X_i 1 0
確率 p 1-p

 X_i の平均  E(X_i)、分散  V(X_i) は、\[\begin{align*}
E(X_i) & = 1 \cdot p + 0 \cdot (1-p) \\ & = p 
\end{align*}\]\[\begin{align*}
V(X_i) & = E(X_i^2) - \left\{ E(X_i) \right\}^2
\\ & = 1^2 \cdot p - p^2
\\ & = p - p^2
\\ & = p(1-p)
\end{align*}\]と導出できます。

さらに  n 回、上と同じ試行を試行し、事象Aが起こった回数を  X 回とします。

このときの平均  E(X)\[\begin{align*}
E(X) & = E(X_1) + E(X_2) + \cdots + E(X_n)
\\ & = p + p + \cdots + p
\\ & = np
\end{align*}\]となる。また、 X_1,  X_2, …,  X_n はそれぞれ独立なので、\[\begin{align*}
V(X) & = V(X_1) + V(X_2) + \cdots + V(X_n)
\\ & = p(1-p) + p(1-p) + \cdots + p(1-p)
\\ & = np(1-p)
\end{align*}\]と導出できます。

 

二項分布の公式の威力

コインを10回投げたときに表が出る回数を  X としたときの平均  E(X)、分散  V(X) を求めてみましょう。(第1回の問題と同じです)

 

コインを投げる試行は「表が出る(確率:1/2)」か「表が出ない(裏が出る)」かの2パターンの結果しか起こりません。この試行を10回繰り返すので、 X は二項分布  B(10, \frac{1}{2}) に従います。

 n = 10,  p = 1/2 としたときの二項分布

 

そのため、平均  E(X)、分散  V(X) は\[\begin{align*}
E(X) & = np
\\ & = 10 \cdot \frac{1}{2} \\ & = 5 
\end{align*}\]\[\begin{align*}
V(X) & = E(X) \cdot (1-p)
\\ & = 5 \cdot \left( 1 - \frac{1}{2} \right) \\ & = \frac{5}{2} 
\end{align*}\]とあっという間に求められますね!

 

二項分布はテストで頻出するのでもう1問ほど練習してみましょう。

練習1

サイコロを180回投げたときに3の目が出る回数を  X とする。

このときの  X の平均  E(X)、分散  V(X)、標準偏差  \sigma (X) を求めなさい。

 

解答1

サイコロを投げる試行は「3の目が出る(確率:1/6)」か「3の目が出ない」かの2パターンの結果しか起こらない。この試行を180回繰り返すので、 X は二項分布  B(180, \frac{1}{6}) に従う。

 

よって、平均  E(X)、分散  V(X) は\[\begin{align*}
E(X) & = np
\\ & = 180 \cdot \frac{1}{6} \\ & = 30 
\end{align*}\]\[\begin{align*}
V(X) & = E(X) \cdot (1-p)
\\ & = 30 \cdot \left( 1 - \frac{1}{6} \right) \\ & = 25 
\end{align*}\]と求められる。

さらに標準偏差  \sigma (X) は、\[\begin{align*}
\sigma (X) & = \sqrt{ V(X) } \\ & = \sqrt{25} \\ & = 5
\end{align*}\]となる。

 

4.練習問題(共通テスト練習)

では、練習(共通テスト対策)をしてみましょう!

それぞれ1, 2, 3, 4の4つの数字が書かれた4枚のカードがある。

4枚の中から無作為に1枚のカードを取り出し、取り出したカードにかかれている数字を  X とする。

 

(1)  X = 1 となる確率  P(X = 1) は、\[
P(X = 1) = \frac{ \left[ \ \ \ ア \ \ \ \right] }{ \left[ \ \ \ イ \ \ \ \right] }
\]となり、 X の平均  E(X)、標準偏差  \sigma (X) はそれぞれ\[
E(X) = \frac{ \left[ \ \ \ ウ \ \ \ \right] }{ \left[ \ \ \ エ \ \ \ \right] } \ \ \  \sigma (X) = \frac{ \sqrt{ \left[ \ \ \ オ \ \ \ \right] } }{ \left[ \ \ \ カ \ \ \ \right] }
\]となる。

 

(2) 1, 2, 3, 4の数字が書かれた4枚の中から無作為に1枚のカードを取り出し、元に戻す操作を192回繰り返したときに、1のカードを引く回数を  X とする。

このときの平均  E(X)、分散  V(X)、標準偏差  \sigma (X) はそれぞれ、\[
E(X) = \left[ \ \ \ キク \ \ \ \right] \ \ \ \ \ V(X) = \left[ \ \ \ ケコ \ \ \ \right] \\
\sigma (X) = E(X) = \left[ \ \ \ サ \ \ \ \right] 
\]となる。

 

5.練習問題の答え

※ 前半は1日目の復習問題、後半は二項分布に関する問題です。

(1)

 X = 1 となる確率は、1, 2, 3, 4の4枚のカードの中から1を引く確率なので、\[
P(X = 1) = \frac{1}{4}
\]となる。(ア:1 イ:4)

 

また、 X の平均  E(X)は4通り(1, 2, 3, 4)の平均となるので、\[\begin{align*}
E(X) & = \frac{1}{4} (1+2+3+4) \\ & = \frac{5}{2}
\end{align*} \]となる。(ウ:5 エ:2)

 

標準偏差  \sigma (X) を求める前に分散  V(X) を求める。

2乗の平均  E(X^2) は\[\begin{align*}
E(X^2) & = \frac{1}{4} (1^2+2^2+3^2+4^2) \\ & = \frac{15}{2}
\end{align*} \]となるので、分散  V(X) は、\[\begin{align*}
V(X) & = E(X^2) - \left\{ E(X) \right\}^2
\\ & = \frac{15}{2} - \left( \frac{5}{2} \right)^2
\\ & = \frac{5}{4}
\end{align*} \]となるので、標準偏差  \sigma (X) は、\[\begin{align*}
\sigma(X) & = \sqrt{ V(X) }
\\ & = \sqrt{ \frac{5}{4} }
\\ & = \frac{ \sqrt{5} }{2}
\end{align*}\]となる。(オ:5 カ:2)

 

(2)

1, 2, 3, 4の中から1のカードを引く確率は 1/4 でしたね。( (1) より)

カードを引く試行は「1が出る」か「1が出ない」かの2パターンの結果しか起こりません。この試行を192回繰り返すので、 X は二項分布  B(192, \frac{1}{4}) に従います。

よって、平均  E(X) は、\[\begin{align*}
E(X) & = 192 \cdot \frac{1}{4}
\\ & = 48
\end{align*}\]となる。(キク:48)

また、分散  V(X) は、\[\begin{align*}
V(X) & = 48 \cdot  \left( 1 - \frac{1}{4} \right)
\\ & = 36
\end{align*}\]となる。(ケコ:36)

 

さらに標準偏差  \sigma (X) は、\[\begin{align*}
\sigma (X) & = \sqrt{ V(X) }
\\ & = \sqrt{ 36 }
\\ & = 6
\end{align*}\]となる。(サ:6)

 

6.さいごに(復習)

今回は、数Bの「確率分布と統計的な推測」の二項分布について説明していきました。

次回は、「確率密度関数」について説明していきたいと思います。

 

では、今回説明した「二項分布」の簡単な復習をしましょう。

復習

事象が「起こる」か「起こらない」かのような、結果が2つしかないような試行を  n 回繰り返したときに、事象が起こる回数  X、事象が起こる確率  p が従う確率分布のことを二項分布とよび、 B(n,p) と表す。

さらに、 X が二項分布に従うとき、 X の平均  E(X)、分散  V(X)、標準偏差  \sigma (X) はそれぞれ\[
E(X) = np \\
V(X) = E(X) \cdot (1-p)
\sigma (X) = \sqrt{ V(X) }
\]となる。

 

二項分布に従うときの分散は、「平均 × 事象が起こらない確率」と覚えておきましょう!

*1:真面目に数えると「表表裏裏裏」・「表裏表裏裏」・「表裏裏表裏」・「表裏裏裏表」・「裏表表裏裏」・「裏表裏表裏」・「裏表裏裏表」・「裏裏表表裏」・「裏裏表裏表」・「裏裏裏表表」の10通りあります。

*2:反復試行の場合、それぞれの試行は前の結果に影響しない(独立な思考)なので、このような計算(それぞれの確率を足す)を行うことができます。

*3:真面目に数えると「1??」・「?1?」・「??1」の3通りあります。[?は1以外の目]

*4:反復試行の場合、それぞれの試行は前の結果に影響しない(独立な思考)なので、このような計算(それぞれの確率を足す)を行うことができます。