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工業大学生ももやまのうさぎ塾

うさぎでもわかるをモットーに大学レベルの数学・情報科目をわかりやすく解説! 数式が読み込まれない場合は1回再読み込みしてみてください。

うさぎでもわかる微分方程式 Part03 1階線形微分方程式とベルヌーイの微分方程式

こんにちは、ももやまです。

そろそろ少し複雑な微分方程式でも解いてみましょうか。

 

ということで、今回は1階微分方程式の中でも、

  • 1階線形微分方程式の一般解の求め方
  • ベルヌーイの微分方程式の一般解の求め方

の2種類の微分方程式の解き方について、わかりやすく説明していきたいと思います。

 

 

前回の微分方程式の記事はこちら↓↓

www.momoyama-usagi.com

 

 

1.1階線形微分方程式

(1) 1階線形微分方程式とは(復習)

まずは、1階線形微分方程式とはどんな微分方程式だったかを復習していきましょう。

1階線形微分方程式ということは、

  • 1階(どの項も最大1回微分までの項しかない)
  • 線形( y,  \frac{dy}{dx} 同士の掛け算をしている項がない)

の2つの条件を満たす微分方程式です。実際に1階線形微分方程式を式で表してみると\[
\frac{dy}{dx} + P(x) y = Q(x)
\]のような形となります。

(2) 1階線形微分方程式の同次 / 非同次方程式(復習)

同次(斉次)方程式 / 非同次(非斉次)方程式についても復習しておきましょう。

1階微分方程式の中でも、\[
\frac{dy}{dx} + P(x) y = 0
\]のように、 y に関係ない項(  y \frac{dy}{dx} がない項がないもの、つまり  Q(x) = 0 となっている微分方程式を同次方程式、もしくは斉次方程式と呼びます。

 

一方  y に関係ない項があるもの、つまり  Q(x) \not = 0 となっている微分方程式を非同次方程式、もしくは非斉次方程式と呼びます。

 

前回の記事で出てきた同次形の同次と、同次方程式の同次は全く関係ないので注意してください*1。(そのため、同次方程式のことを斉次方程式と呼ぶ人も多い)

(3) 1階線形微分方程式の解き方

では、実際に1階線形微分方程式の解き方を例題を用いて説明していきましょう。

例題1

次の1階線形微分方程式\[
\frac{dy}{dx} - 3y = e^x
\]について、(1), (2)の問いに答えなさい。

 

(1) 同次方程式\[
\frac{dy}{dx} - 3y = 0
\]の一般解を求めなさい。

(2) 非同次方程式\[
\frac{dy}{dx} - 3y = e^x
\]の一般解を求めなさい。

解説1

(1)

同次方程式は、両辺を  y で割り、\[
\frac{1}{y} \frac{dy}{dx} = 3
\]ることで、変数分離形に必ず持ち込めます。

 

両辺を  x で積分すると、\[
\int \frac{1}{y} \frac{dy}{dx} dx = \int 3 \ dx
\]となるので、任意定数  C_1 を用いて一般解は\[
\log |y| = 3x + e^{C_1}
\]となる。

さらに、 C = \pm e^{C_1} とすると、\[
\log |y| = \log e^{3x} + \log e^{C_1} \\
|y| = e^{3x+C_1} \\
y = \pm e^{C_1} e^{3x} \\
y = C e^{3x}
\]と一般解を変形することができます。

 

(2)

先程同次方程式\[
\frac{dy}{dx} - 3y = 0
\]の一般解を求めました。

 

当然ですが、同次方程式の一般解は問題の微分方程式の一般解ではありません

そこで、もし同次方程式の任意定数  C x の関数  a(x) であると仮定したら解けないかな?と考えてみます。これを定数変化法と呼びます。

 

(1)の一般解の任意定数  C を、 x の関数  a(x) でおきかえると、\[
y = a(x) e^{3x} \tag{1}
\]となります。両辺を  x で微分すると、\[\begin{align*}
\frac{dy}{dx} & = a'(x) e^{3x} + a(x) \left( e^{3x} \right)'
\\ & = \frac{d a(x)}{dx} e^{3x} + 3 a(x) e^{3x}
\end{align*} \]となります*2

 

この  y,  \frac{dy}{dx} を、問題文の微分方程式\[
\frac{dy}{dx} - 3y = e^x
\]に代入すると、\[
\frac{d a(x)}{dx} e^{3x}  \color{red}{+ 3 a(x) e^{3x} - 3 a(x) e^{3x}} = e^x
\]となり、うまく  a(x) の項が消滅し、\[
\frac{d a(x)}{dx} e^{3x} = e^x
\]となります。

 

この微分方程式は、両辺を  e^{3x} で割ることで、\[
\frac{d a(x)}{dx} = e^{-2x}
\]と直接積分形に持ち込めるので、一般解は改めて*3任意定数  C を用いて\[\begin{align*}
a(x) & = \int e^{-2x} \ dx
\\ & = - \frac{1}{2} e^{-2x} + C
\end{align*}\]となるので、同次方程式の解である(1)に代入すると、\[\begin{align*}
y & = a(x) e^{3x}
\\ & = \left( - \frac{1}{2} e^{-2x} + C \right) e^{3x}
\\ & = - \frac{1}{2} e^x + C e^{3x}
\end{align*} \]と一般解を求めることができます。

 

 

1階線形微分方程式の解き方

1階線形微分方程式\[
\frac{dy}{dx} + P(x) y = Q(x)
\]を解く際には、まず同次形の微分方程式\[
\frac{dy}{dx} + P(x) y = 0
\]の階を求める。この微分方程式は両辺を  y で割ると、\[
\frac{1}{y} \frac{dy}{dx} = - P(x) 
\]のように変数分離形に持ち込めるので、両辺を  x で積分することで、一般解を任意定数  C を用いて\[
\log |y| = - \int P(x) \ dx + C \\
y = C e^{- \int P(x) \ dx} 
\]と求めることができる。(必ず y = の形にすること!)

 

つぎに、同次形の任意定数  C x の関数  a(x) であると仮定し、\[
y = a(x) e^{- \int P(x) \ dx}  \tag{1}
\]とおく。両辺を  x で微分すると、\[\begin{align*}
\frac{dy}{dx} & = a'(x) e^{- \int P(x) \ dx} + a(x) \left( e^{- \int P(x) \ dx} \right)'
\\ & = \frac{d a(x)}{dx} e^{- \int P(x) \ dx} -  P(x) a(x)  e^{- \int P(x) \ dx} \tag{2}
\end{align*}\]となるので、(1), (2)を元の微分方程式に代入すると、\[\begin{align*}
\frac{d a(x)}{dx} e^{- \int P(x) \ dx} \color{red}{ - P(x) a(x) e^{- \int P(x) \ dx} + P(x)a(x) e^{- \int P(x) \ dx} }  = Q(x)
\end{align*} \]となるので赤色部分が消え、\[
\frac{d a(x)}{dx} e^{- \int P(x) \ dx}  = Q(x)
\]を計算することで一般解を求められる。

 

両辺を  e^{\int P(x) \ dx} 倍し、\[
\frac{d a(x)}{dx}  = Q(x) e^{\int P(x) \ dx}
\]とすることで直接積分形に持ち込めるので、\[
a(x) = \int Q(x) e^{\int P(x) \ dx} \ dx
\]を計算することで  a(x) を計算できる。

 

最後に  a(x) を(1)に代入することにより、\[\begin{align*}
y & = a(x) e^{- \int P(x) \ dx} 
\\ & = e^{- \int P(x) \ dx}  \left( \int Q(x) e^{\int P(x) \ dx} \ dx \right)
\end{align*} \]を計算することにより、一般解を求めることができる。

 

2.ベルヌーイの微分方程式

ここからは、1階線形微分方程式を少し応用したベルヌーイの微分方程式について説明していきたいと思います。

(1) ベルヌーイ微分方程式とは

1階微分方程式が\[
\frac{dy}{dx} + P(x) y = Q(x) y^n \ \ \ \left( n \not = 0, 1 \right)
\]の形になっている微分方程式をベルヌーイの微分方程式と呼びます。

 

n \not = 0, 1 の理由としては、 n = 0 のときは、第1章で説明した1階線形微分方程式と同じ形、 n = 1 のときは\[
\frac{1}{y} \frac{dy}{dx} = Q(x) - P(x)
\]と変形することで、変数分離形にできるからです。

 

ベルヌーイの微分方程式は、そのままの形だと1階線形微分方程式ではないため、解くのが難しいですが、 u = y^{1-n} と置き換えることで、 u に関する1階線形微分方程式の形に書き換えることができ、(そのままの形のときより)少し簡単に解くことができます。

 

(2) ベルヌーイの微分方程式の解き方

では、実際にベルヌーイの微分方程式の仕組み、解き方を例題を用いて説明していきましょう。

例題2

次の1階線形微分方程式\[
\frac{dy}{dx} + y = x y^3
\]について、(1), (2)の問いに答えなさい。

(1) この微分方程式は、 u = y^{a} とおくことで、1階線形微分方程式の形に帰着できる。帰着するための  a の値を求め、 u に関する1階線形微分方程式の形にしなさい。

(2) 題意の微分方程式の一般解を求めなさい。

解説2

(1)

まず、右辺の  y^3 を消すために  y^3 で両辺を割ります。すると、\[
y^{-3} \frac{dy}{dx} + y^{-2} = x \tag{1}
\]となります。

ここで、左辺にある  y^{-2} の項を  u にするために  u = y^{-2} とおく

すると、 u = y^{-2} の両辺を  x で微分したものは、\[
\frac{du}{dx} = -2y^{-3} \frac{dy}{dx} \\
y^{-3} \frac{dy}{dx} = - \frac{1}{2} \frac{du}{dx}
\]となるので、(1)に代入し、\[
- \frac{1}{2} \frac{du}{dx} + u = x
\]とおきかえ、さらに両辺を2倍し、\[
\frac{du}{dx} - 2u = -2x
\]とすることで u に関する1階線形微分方程式の形となる。

 a = -2、つまり u = y^{-2} とおけば  u に関する1階線形微分方程式の形にできる。)

 

(2)

ここから、1階線形微分方程式と同じように解いていきます。

まず、同次方程式\[
\frac{du}{dx} - 2u = 0
\]の一般解を求めます。

同次方程式は、両辺を  u で割り、\[
\frac{1}{u} \frac{du}{dx} = 2
\]ることで、変数分離形に必ず持ち込めますね。

 

両辺を  u で積分すると、\[
\int \frac{1}{u} \frac{du}{dx} dx = \int 2 \ dx
\]となるので、任意定数  C_1 を用いて一般解は\[
\log |u| = 2x + e^{C_1}
\]となります。

さらに、 C = \pm e^{C_1} とすると、\[
\log |u| = \log e^{2x} + \log e^{C_1} \\
|u| = e^{2x+C_1} \\
u = \pm e^{C_1} e^{2x} \\
u = C e^{2x}
\]と一般解を変形することができます。

 

ここで、一般解の任意定数  C を、 x の関数  a(x) でおきかえると、\[
u = a(x) e^{2x} \tag{2}
\]となります。両辺を  x で微分すると、\[\begin{align*}
\frac{du}{dx} & = a'(x) e^{2x} + a(x) \left( e^{2x} \right)'
\\ & = \frac{d a(x)}{dx} e^{2x} + 2 a(x) e^{2x}
\end{align*} \]となります。

 

この  y,  \frac{dy}{dx} を、 u に関する微分方程式である\[
\frac{du}{dx} - 2u = -2x
\]に代入すると、\[
\frac{d a(x)}{dx} e^{2x}  \color{red}{+ 2 a(x) e^{2x} - 2 a(x) e^{2x} } = -2x
\]となり、うまく  a(x) の項が消滅し、\[
\frac{d a(x)}{dx} e^{2x} = -2x
\]となります。

 

この微分方程式は、両辺を  e^{2x} で割ることで、\[
\frac{d a(x)}{dx} = -2xe^{-2x}
\]と直接積分形に持ち込めるので、一般解は任意定数  C を用いて\[\begin{align*}
a(x) & = \int- 2xe^{-2x} \ dx
\\ & = x e^{-2x} + \frac{1}{2} e^{-2x} + C
\end{align*}\]となるので、同次方程式の解である(1)に代入すると、\[\begin{align*}
u & = a(x) e^{2x}
\\ & = \left( x e^{-2x} + \frac{1}{2} e^{-2x} + C \right) e^{2x}
\\ & = x + \frac{1}{2} + Ce^{2x}
\end{align*} \]と一般解を求めることができるので、 y^{-2} = u を代入し、\[
\frac{1}{y^2} = x + \frac{1}{2} + Ce^{2x}
\]とすることで元に戻せ、一般解が得られます。

 

ベルヌーイの微分方程式解き方

ベルヌーイの微分方程式\[
\frac{dy}{dx} + P(x) y = Q(x) y^n
\]を解く際には、まず両辺を  y^n で割り、\[
y^{-n} \frac{dy}{dx} + P(x) y^{1-n} = Q(x) \tag{1}
\]としてから、左辺にある  y^{1-n} u にするために u = y^{1-n} とおき、さらに両辺を微分して\[
\frac{du}{dx} = (1-n) y^{-n} \frac{dy}{dx} \\
y^{-n} \frac{dy}{dx} = \frac{1}{1-n} \frac{du}{dx}
\]としてから(1)に代入することで、\[
\frac{1}{1-n} \frac{du}{dx} + P(x) u = Q(x)
\]とし、両辺を  1 - nし、\[
\frac{du}{dx} + (1-n) P(x) u = (1-n) Q(x)
\]とすることで、 u に関する1階線形微分方程式の形に変える。

 

あとは、1階線形微分方程式のの解き方に沿って、

  1. 同次方程式の一般解を求める。
  2. 一般解に出てきた任意定数  C x の関数  u(x) と仮定する。
  3.  u(x) を求め、一般解に代入する。
  4.  y^{1-n} = u を代入し、 u の式から  y の式に戻す。

の4ステップで一般解を求めることができる。

 

3.練習問題

では、3問ほど練習してみましょう。

1問が1階線形微分方程式の形、残りの2問がベルヌーイの微分方程式に関する問題となっております。

練習1

微分方程式\[
\frac{dy}{dx} + y \cos x = \sin 2x
\]の一般解を求め、さらに初期条件  y(0) = 0 を満たすような特解を求めなさい。

[数検1級の過去問]

練習2

微分方程式\[
\frac{dy}{dx} - \frac{2}{x} y = e^2 y^2
\]について、つぎの(1),(2)の問いに答えなさい。

(1)  u = y^{-1} とおくことで、題意の微分方程式が  u に関する1階微分方程式となることを示しなさい。

(2) 微分方程式の一般解を求めなさい。

 

練習3

微分方程式\[
\frac{dy}{dx} + xy = \frac{x}{y}
\]の一般解を求めなさい。

4.練習問題の答え

解答1

まず、同次方程式\[
\frac{dy}{dx} + y \cos x = 0
\]の一般解を求める。

同次方程式は、両辺を  y で割り、\[
\frac{1}{y} \frac{dy}{dx} = - \cos x
\]ることで、変数分離形に必ず持ち込める。

 

両辺を  x で積分すると、\[
\int \frac{1}{y} \frac{dy}{dx} dx = - \int \cos x \ dx
\]となるので、任意定数  C_1 を用いて一般解は\[
\log |y| = - \sin x + e^{C_1}
\]となる。

さらに、 C = \pm e^{C_1} とすると、\[
\log |y| = \log e^{- \sin x} + \log e^{C_1} \\
|y| = e^{- \sin x+C_1} \\
y = \pm e^{C_1} e^{- \sin x} \\
y = C e^{- \sin x}
\]と一般解を変形することができる。

 

ここで、同次方程式の一般解の任意定数  C を、 x の関数  a(x) でおきかえると、\[
y = a(x) e^{- \sin x} \tag{1}
\]となります。両辺を  x で微分すると、\[\begin{align*}
\frac{dy}{dx} & = a'(x) e^{- \sin x} + a(x) \left( e^{- \sin x} \right)'
\\ & = \frac{d a(x)}{dx} e^{- \sin x} - \cos x a(x) e^{- \sin x}
\end{align*} \]となる。

 

この  y,  \frac{dy}{dx} を、問題文の微分方程式\[
\frac{dy}{dx} + y \cos x = \sin 2x
\]に代入すると、\[
\frac{d a(x)}{dx} e^{- \sin x} \color{red}{- \cos x \cdot a(x) e^{- \sin x} + \cos x \cdot a(x) e^{- \sin x}} = \sin 2x
\]となり、うまく  a(x) の項が消滅し、\[
\frac{d a(x)}{dx} e^{- \sin x} =  \sin 2x
\]と算出できる。

 

この微分方程式は、両辺に  e^{\sin x} を掛けることで、\[
\frac{d a(x)}{dx} =  e^{\sin x} \sin 2x 
\]と直接積分形に持ち込めるので、 a(x) の一般解は、\[
\int e^{\sin x} \sin 2x \ dx = 2 \int e^{\sin x} \sin x \cos x \ dx 
\]を計算することで求められる。

この積分は、 t = \sin x とおくと、 dt = \cos x \ dx、つまり  dx = \frac{1}{\cos x} \ dt なので、任意定数  C を用いて\[\begin{align*}
\int e^{\sin x} \sin 2x \ dx & = 2 \int e^{\sin x} \sin x \cos x \ dx 
\\ & = 2 \int t e^t \cos x \cdot \frac{1}{\cos x} \ dt
\\ & = 2 \int t e^t \ dt
\\ & = e^t (2t - 2) + C
\\ & = 2 e^{\sin x} ( \sin x - 1) + C
\end{align*} \]と計算できる。これを同次方程式の解である(1)に代入すると、\[\begin{align*}
y & = a(x) e^{- \sin x}
\\ & = \left( 2 e^{\sin x} ( \sin x - 1) + C + C \right) e^{- \sin x}
\\ & = 2 \sin x  - 2 + C e^{- \sin x}
\end{align*} \]と一般解を求めることができます。

 

さらに、 y(0) = 0 となる  C を求めるために  x = 0,  y = 0 を代入すると、\[\begin{align*}
2 \sin 0  - 2 + C e^{- \sin 0} & = -2 + C
\\ & = 0
\end{align*} \]となるので、 C = 2 と求められる。

よって、 y(0) = 0 を満たす特解は\[
y = 2 \sin x  - 2 + 2 e^{- \sin x}
\]となる。

解答2

(1)

右辺の  y^2 を消すために  y^2 で両辺を割ります。すると、\[
y^{-2} \frac{dy}{dx} - \frac{2}{x} y^{-1} = e^x \tag{1}
\]となります。

ここで、問題文の通り、 u = y^{-1} とおく。

すると、 u = y^{-1} の両辺を  x で微分したものは、\[
\frac{du}{dx} = -y^{-2} \frac{dy}{dx} \\
y^{-2} \frac{dy}{dx} = - \frac{du}{dx}
\]となるので、(1)に代入し、\[
- \frac{du}{dx} - \frac{2}{x} u = e^x
\]とおきかえ、さらに両辺を-1倍し、\[
\frac{du}{dx} + \frac{2}{x} u = - e^x
\]とすることで u に関する1階線形微分方程式の形となる。

 

(2)

まず、同次方程式\[
\frac{du}{dx} + \frac{2}{x} u = 0
\]の一般解を求める。

同次方程式は、両辺を  u で割り、\[
\frac{1}{u} \frac{du}{dx} = - \frac{2}{x}
\]ることで、変数分離形に必ず持ち込める。

 

両辺を  x で積分すると、\[
\int \frac{1}{u} \frac{du}{dx} dx = \int - \frac{2}{x} dx
\]となるので、任意定数  C_1 を用いて一般解は\[
\log |u| = - 2 \log |x| + e^{C_1}
\]となる。

さらに、 C = \pm e^{C_1} とすると、\[
\log |u| = - 2 \log |x| + \log e^{C_1} \\
u = Cx^{-2} = \frac{C}{x^2} 
\]と一般解を変形することができる。

 

ここで、一般解の任意定数  C を、 x の関数  a(x) でおきかえると、\[
u = a(x) x^{-2} \tag{2}
\]となります。両辺を  x で微分すると、\[\begin{align*}
\frac{du}{dx} & = a'(x) x^{-2} + a(x) \left( x^{-2} \right)'
\\ & = \frac{d a(x)}{dx} x^{-2} - 2 a(x) x^{-3}
\end{align*} \]となる。

 

この  y,  \frac{dy}{dx} を、 u に関する微分方程式\[
\frac{du}{dx} + \frac{2}{x} u = - e^x
\]に代入すると、\[
\frac{d a(x)}{dx} x^{-2}  \color{red}{-2 (a) \cdot x^{-3} + \frac{2}{x} a(x) x^{-2} } = -e^x
\]となり、うまく  a(x) の項が消滅し、\[
\frac{d a(x)}{dx} x^{-2}  = - e^x
\]となります。

 

この微分方程式は、両辺に  x^2 を掛けることで\[
\frac{d a(x)}{dx} = - x^2 e^x
\]と直接積分形に持ち込めるので、一般解は任意定数  C を用いて\[\begin{align*}
a(x) & = - \int x^2 e^x \ dx
\\ & = ( -x^2 + 2x - 2 ) e^x + C
\end{align*}\]となるので、同次方程式の解である(1)に代入すると、\[\begin{align*}
u & = a(x) x^{-2}
\\ & = \left\{ ( -x^2 + 2x - 2 ) e^x + C \right\} x^{-2}
\\ & = e^x \left( -1 + 2 x^{-1} - 2x^{-2}  \right) + C x^{-2}
\\ & = e^x \left( -1 + \frac{2}{x} - \frac{2}{x^2} + C\right) + C x^{-2}
\end{align*} \]と一般解を求めることができるので、 y^{-1} = u を代入し、\[
\frac{1}{y} = e^x \left( -1 + \frac{2}{x} - \frac{2}{x^2} + C \right) + \frac{C}{x^2}
\]とすることで元に戻せる。

 

ちなみに、y = の形に直すと、\[
y = - \frac{x^2}{e^x (x^2 - 2x + 1) + C}
\]となる。

 

解答3

誘導なしで気付きにくいかもしれないが、 \frac{1}{y} = y^{-1} である点に注意すると、\[
\frac{dy}{dx} + xy =  x y^{-1}
\]となるので、 n = -1 のときのベルヌーイの微分方程式のパターンである。

両辺を  y^{-1} で割る( y を掛ける)と、\[
y \frac{dy}{dx} + xy^2 = x \tag{1}
\]となるので、左辺にある  y^2 u に変えるために  u = y^{2} とおく。

すると、 u = y^{2} の両辺を  x で微分したものは、\[
\frac{du}{dx} = 2y \frac{dy}{dx} \\
y \frac{dy}{dx} = \frac{1}{2} \frac{du}{dx}
\]となるので、(1)に代入し、\[
\frac{1}{2} \frac{du}{dx} + xu = x 
\]とおきかえ、さらに両辺を2倍し、\[
\frac{du}{dx} + 2xu = 2x
\]とすることで u に関する1階線形微分方程式の形となる。

 

つぎに、同次方程式\[
\frac{du}{dx} + 2xu = 0
\]の一般解を求める。

同次方程式は、両辺を  u で割り、\[
\frac{1}{u} \frac{du}{dx} = -2x
\]ることで、変数分離形に必ず持ち込める。

 

両辺を  x で積分すると、\[
\int \frac{1}{u} \frac{du}{dx} dx =  \int  -2x \ dx
\]となるので、任意定数  C_1 を用いて一般解は\[
\log |u| = - x^2 + C
\]となる。

さらに、 C = \pm e^{C_1} とすると、\[
\log |u| = - x^2 + \log e^{C_1} \\
\log |u| = \log e^{- x^2} + \log e^{C_1} \\
u = C e^{-x^2} 
\]と一般解を変形することができる。

 

ここで、一般解の任意定数  C を、 x の関数  a(x) でおきかえると、\[
u = a(x) e^{-x^2} 
\]となる。両辺を  x で微分すると、\[\begin{align*}
\frac{du}{dx} & = a'(x) e^{-x^2} + a(x) \left( e^{-x^2} \right)'
\\ & = \frac{d a(x)}{dx} e^{-x^2} -  a(x) \cdot 2x e^{-x^2}
\end{align*} \]となる。

 

この  y,  \frac{dy}{dx} を、 u に関する微分方程式\[
\frac{du}{dx} + 2xu = 2x
\]に代入すると、\[
\frac{d a(x)}{dx} e^{-x^2} \color{red}{- 2x a(x) e^{-x^2} + 2x a(x) e^{-x^2}  } = 2x
\]となり、うまく  a(x) の項が消滅し、\[
\frac{d a(x)}{dx} e^{-x^2} = 2x
\]となる。

 

この微分方程式は、両辺を  e^{-x^2} で割る(両辺に  e^{x^2} を掛ける)ことで、\[
\frac{d a(x)}{dx} = 2x e^{x^2}
\]と直接積分形に持ち込めるので、一般解は任意定数  C を用いて\[\begin{align*}
a(x) & = \int 2x e^{x^2} \ dx
\\ & = e^{x^2} + C
\end{align*}\]となるので、同次方程式の解である(1)に代入すると、\[\begin{align*}
u & = a(x) e^{- x^2}
\\ & = \left( e^{x^2} + C \right) e^{- x^2}
\\ & = 1 + C e^{- x^2}
\end{align*} \]と一般解を求めることができるので、 y^{2} = u を代入し、\[
y^2 = x + 1 + C e^{- x^2}
\]とすることで元に戻せる。

 

5.さいごに

今回は、

  • 1階線形微分方程式の解き方
  • ベルヌーイの微分方程式の解き方

の2つを紹介しました。

そろそろ微分方程式を解いた感が出てきたのではないでしょうか。

 

次回は、完全微分方程式の解き方について説明していきたいと思います。

ではまた次回。

*1:どっちの同次かは文脈で判断してください。

*2:積の微分公式\[
\left\{ f(x) g(x) \right\}' = f'(x) g(x) + f(x) g'(x)
\]を使ってます。

*3: a(x) = C としたときとは別の任意定数  C のこと。不安なら  A などで改めて任意定数をおきましょう。