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こんにちは、ももやまです。
今回は前回の線形写像の続きとして合成写像・逆変換(逆写像)についてまとめていきたいと思います。
前回の線形写像の記事はこちら!
線形写像がまだよくわかっていない人はこちらで復習しましょう!
線形写像ではない合成写像、逆写像についてはこちらの記事をご覧ください。
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1.合成写像
合成写像とは、2つ連続した写像を1つの写像と見ることです。
例として表現行列
(行列
まず、ベクトル
このように、ベクトル
(注意:
合成写像
と表わせますね。なので合成写像
表現行列
このとき、合成写像
線形代数を習いたてのころ、なぜ行列の掛け算は足し算に比べてこんなにめんどい操作をしなければならないのかと思ったと思います。
行列の掛け算は合成写像の表現行列になるようにするためにわざとめんどい操作にしているのです。
合成写像の表現行列となるように行列の掛け算を定義しているため、合成写像
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2.逆変換(逆写像)
逆変換とは、一度変換した写像を元にもどす操作です。
ですが、同じ次元同士の線形写像(線形変換)でしか逆変換は求められません。
なので、表現行列
ベクトル
では、ベクトル
実際に計算してみると、
なので逆変換
表現行列
このとき、逆写像
- 逆行列
が存在すること。
( が正則であれば逆行列は存在する) から への線形写像(つまり線形変換)であること。
(逆行列は正方行列でないと定義できないため)
を満たすとき線形写像となり、その表現行列は
線形写像の逆の操作のことを逆写像ではなく逆変換と呼ぶことが多いのは、次元が同じベクトル空間同士でないと表現行列の逆行列が計算できず、逆写像も計算できないためです。
(次元が同じベクトル空間における線形写像のことは線形変換と呼ばれます。)
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3.合成写像の逆写像(逆変換)
合成写像と逆変換を同時に適用することを考えましょう。
表現行列
このとき、
まずは、合成写像
なので合成写像の逆変換
逆変換は、合成写像とは逆の順番、つまり
では、
合成写像の逆変換を図に表すと下のようになります。
表現行列
このとき、合成写像
線形写像
合成写像の逆変換
なので、合成写像
合成写像
具体的に言うと、線形写像
では、実際に例題を見てみましょう。
例題
つぎの
(1)
(2) 合成写像
(3) 逆写像
(4) 合成写像
解説
(1)
(2)
(3)
(4)
確かに
4.練習問題
では、実際に練習してみましょう。
つぎの
(1) 線形写像
(2) 合成写像
(3) 合成写像
5.練習問題の答え
(1)
線形写像
(2)
合成写像
合成写像
(3)
合成写像
(実は元の行列
5.さいごに
今回は線形写像の合成写像と逆写像についてのまとめを行いました。
行列の掛け算が足し算に比べてめんどくさくて複雑な計算になっている理由がこの記事をみてわかっていただけたかと思います。
次回は線形写像における核(カーネル)と像(イメージ)について説明していきたいと思います。
*1:逆行列が計算できるように両方の次元を
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