
スポンサードリンク
こんにちは、ももやまです。
今回は線形代数の重要な概念の1つである線形写像(線形変換)について3回にわけてまとめていきたいと思います。
前回の線形代数の記事はこちら!
グラムシュミットの直交化法についてです。
目次 [hide]
スポンサードリンク
1.写像とは
例えば
この関数に
このように、何かしらの値
関数の上位互換バージョンに写像があります。
写像は、集合
写像について(線形写像ではない)のもっと詳しい説明を見たい人は、こちらの記事をご覧ください。
線形写像は写像のベクトルバージョンで、ルールに従ってベクトルの要素や次元を変える魔法の箱です。
しかし、線形写像には、ベクトル空間からベクトル空間において、つぎの条件を満たしていなければなりません。
ベクトル空間
条件1
足し算の分離ができる
条件2
定数倍の分離ができる
また、同じベクトル空間同士(ベクトル空間
線形写像の中でも、ベクトル空間
では、線形写像かどうかの判定を例題でやってみましょう。
例題1
次の(1)〜(7)の
(1)
(2)
(3)
(4)
解説1
(1)
行列を用いて表すと、
また、
よって、線形写像である。
(線形写像であるものはこのように行列を用いて示すことができます。)
(2)
(3)
行列を用いて表すと、
あとは(1)と同じように示せるため、線形写像。
(4)
スポンサードリンク
2.表現行列
線形写像は入れたベクトルによって別のベクトルが出てくる魔法の箱と先ほど説明しましたね。
先ほど線形写像の条件を2つ説明しました。この2つの条件により、魔法の箱でかかる魔法(つまり写像)を行列を用いて表すことができるようになります。
線形写像
この行列
表現行列を用いることで、線形写像を行列のように扱うことができるようになります。
しかし、表現行列は変換元の空間の基底と変換先の空間の基底によって変わってきます。
なので、変換元、変換先がともに標準基底であるかそうでないかの2パターンにわけて表現行列の求め方を説明していきたいと思います。
※問題文で特に基底の指示が書かれていない場合、変換元も変換先も標準基底同士で写像を適用するものだと思ってください。
(1) 互いに標準基底同士の場合
例えば2次元空間から3次元空間(
例えば
このとき、それぞれのベクトルは2次元標準基底
上の式の右辺にある行列(今回は3行2列行列)が表現行列となります。
つまり、変換元も変換先も標準基底同士の場合は標準基底が移る先がそのまま表現行列になることがわかりますね。
標準基底
標準基底同士の場合の表現行列
(2) 標準基底同士に限定しない場合
では標準基底同士という前提を取っ払いましょう。
標準基底ではない場合、一旦標準基底に直してから写像を適応させ、元の基底に戻する必要があるため、計算がややこしくなります。
先程と同じく2次元空間から3次元空間(
先程と同じ
このとき、それぞれのベクトルの2次元の基底が、
まずは、
しかし、
標準基底から基底
基底
ベクトル空間が標準基底でない場合の表現行列
このように標準基底ではない場合、一旦標準基底に直してから写像
(行列の計算順序に気をつけてください。右側から順に適応していきます(
では例題を3つほど解いてみましょう。
例題2
(1)
(2)
(3)
解説2
(1)
(2)
(1)で求めた表現行列を使う。
(3)
(1)で求めた表現行列を使う。
スポンサードリンク
3.練習問題
では、練習してみましょう!
練習1
(1)
(2)
練習2
つぎの
(1) 標準基底に関する
(2) 基底
4.練習問題の答え
解答1
(1)
(2)
[別解]
解答2
(1)
[別解]
定義式の
すると、
(2)
表現行列は
よって、
[別解]
基底行列をそれぞれ
(3)
よって表現行列
[別解]
基底行列をそれぞれ
(
5.さいごに
今回は線形写像(線形変換)についてのまとめを行いました。
標準基底同士の場合は標準基底の行き先を並べたものがそのまま表現行列に、標準基底同士ではない場合は、一旦標準基底になおして、写像を適用し、再びもとに戻した結果が表現行列になることを頭に入れておきましょう。
次回は線形写像における合成写像・逆変換(逆写像)についてまとめていきたいと思います。
*2:
注釈
↑1 | 両辺に |
---|
関連広告・スポンサードリンク