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こんにちは、ももやまです。
前回は同次式の定数係数2階(n階)線形微分方程式について説明していきました。
今回は、非同次の定数係数線形微分方程式の4つの解き方
- 未定係数法
- 定数変化法
- 微分演算子法
- ラプラス変換を用いる方法
の中でも「未定係数法」を用いた方法について説明していきたいと思います。
未定係数法を含む残りの3つの方法の長所・短所も載せておくので、特殊解をどう求めようか迷った人はご覧ください。
前回の微分方程式の記事はこちら!
オイラー微分方程式に関する記事です。
目次 [hide]
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1.非同次式と特殊解
まずは、非同次式微分方程式の一般解がどのような形であったかを確認しましょう。
2階の非同次の線形微分方程式
- 同次方程式の一般解(
のときの一般解) - 非同次方程式を満たす1つの特殊解(なんでもいい)
の2つの和で構成されています。
つまり、同次方程式
なお、n階の非同次定数係数線形微分方程式
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2.未定係数法とは
特殊解の求め方には、大まかにわけて
- 未定係数法
- 定数変化法
- 微分演算子法
の3パターンあります。
今回は微分方程式の右辺
では、実際に未定係数法を用いて特殊解を求める流れを例題で説明していきたいと思います。
例題1
微分方程式
(1) 同次方程式
(2)
解答1
(1)
これは復習ですね。
特性方程式
(2)
問題文の通り、
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
よって、非同次方程式の一般解は、「同次方程式の一般解」と「特殊解の1つの和」で表されるので、
このように右辺
例1:
例2:
例3:
多項式を微分しても次数は増えることがない(というか必ず1つ減る)ため、
例題2 右辺が e^kx の場合
微分方程式
(1) 同次方程式
(2) 特殊解を1つ見つけ、微分方程式の一般解を求めなさい。
解説2
(1)
これは復習ですね。
特性方程式
(2)
(微分していくと
そこで、右辺が
今回は、
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
よって、非同次方程式の一般解は、「同次方程式の一般解」と「特殊解の1つ」の和で表されるので、
例題3 右辺が e^kx かつ同次方程式に基本解が含まれている場合
微分方程式
(1) 同次方程式
(2) 特殊解を1つ見つけ、微分方程式の一般解を求めなさい。
解説3
(1)
さすがに慣れてきたでしょう。
特性方程式
(2)
ダメな例
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
( ̄ー ̄?).....??ありゃ??
意味の分からない数式
実は、
正しい例
そこで、
今回の微分方程式の場合、
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
よって、非同次方程式の一般解は、同次方程式の一般解と特殊解の1つの和で表されるので、
例題4 右辺が sin kx / cos kx の形の場合
微分方程式
(1) 同次方程式
(2) 特殊解を1つ見つけ、微分方程式の一般解を求めなさい。
解説4
(1)
これは復習ですね。
特性方程式
(2)
そこで、右辺が
今回は、
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
よって、
よって、非同次方程式の一般解は、「同次方程式の一般解」と「特殊解の1つの和」で表されるので、
なお、右辺が
例題5 右辺が sin kx / cos kx かつ同次方程式に基本解が含まれている場合
あまりないパターンですが、念のためやっておきましょう。
微分方程式
(1) 同次方程式
(2) 特殊解を1つ見つけ、微分方程式の一般解を求めなさい。
解説5
(1)
特性方程式
(2)
そこで、微分しても
よって、
よって、非同次方程式の一般解は
ここで、特殊解のおき方をまとめておきましょう。
非同次の定数係数線形微分方程式
(1)
→ 特殊解を
例1:
例2:
(2)
→ 特殊解を
→ ただし、
→
→ (以下略)
(3)
(
→ 特殊解を
→ ただし、
→ さらに、
(以下略)
未定係数法による特殊解のおき方
未定係数法は、
- 特殊解の形の予想が容易
- 定数係数線形微分方程式である
場合にしか使えませんが、次回紹介する定数変化法、微分演算子法に比べて単純かつ簡単に特殊解を求めることができます。
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3.オイラー微分方程式への適用(応用)
前回同次式のオイラー微分方程式
(オイラー微分方程式について興味がある人はこちらをご覧ください!)
オイラー微分方程式の場合でも、定数係数2階線形微分方程式に変形してあげることで未定係数法を適用させることができます。
1問だけ例題で説明しましょう。
例題6
微分方程式
(1)
(2) (1)で求めた微分方程式の一般解を求めなさい。
(3) 与えられた微分方程式の一般解を求めなさい。
解説6
(1)
(2)
まず同次方程式
つぎに、特殊解を1つ探す。
右辺が
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
よって、非同次方程式の一般解は
(3)
よって、
このように、定数係数線形微分方程式ではなかった場合でも、(2階の)オイラーの微分方程式であれば、定数係数におきかえることで未定係数法を適用することができます。
4.練習問題
では、実際に5問ほど練習してみましょう。
なお、オイラーの微分方程式は練習問題には入れていません。
練習1
微分方程式
(定数変化法を使わずに解いてみましょう。)
練習2
微分方程式
練習3
微分方程式
練習4
微分方程式
練習5
微分方程式
練習6
微分方程式
5.練習問題の答え
解答1
まず同次方程式
つぎに、特殊解を1つ探す。
右辺が
(このとき
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、
解答2
まず同次方程式
つぎに、特殊解を1つ探す。
右辺が
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、
解答3
まず同次方程式
つぎに、特殊解を1つ探す。
右辺が
(このとき
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、
解答4
まず同次方程式
つぎに、特殊解を1つ探す。
右辺が
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、
解答5
まず同次方程式
つぎに、特殊解を1つ探す。
右辺が
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、
解答6
まず同次方程式
つぎに、特殊解を1つ探す。
右辺が
すると、
問題文の微分方程式に代入すると、
よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、
6.さいごに
今回は、非同次の定数係数線形微分方程式を未定係数法を用いて解く方法について説明しました。
特殊解の形が簡単に推測できる場合は、今回のように未定係数法を使って特殊解を求めましょう。
次回は、非同次方程式の解き方の2つ目として、定数変化法について説明していきたいと思います。
*1:例えば、
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