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工業大学生ももやまのうさぎ塾

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うさぎでもわかる微分方程式 Part13 微分演算子を用いた特殊解の求め方

こんにちは、ももやまです。

今回は、非同次の定数係数線形微分方程式の4つの解き方

の中でも演算子を使った方法について説明します。

具体的には、

  • 微分演算子法の基礎
  • 微分演算子法の計算公式
  • 微分演算子法による微分方程式の特殊解の求め方
  • 微分演算子法による連立微分方程式の一般解の求め方

の4つについての説明をします。

 

なお、微分演算子法を含む残りの3つの特殊解を求める方法の長所・短所も載せておくので、特殊解をどう求めようか迷った人はご覧ください。

f:id:momoyama1192:20200501171210j:plain

 

前回の微分方程式の記事はこちら!

(対角化と連立微分方程式に関するお話です)

www.momoyama-usagi.com

1.微分演算子とは

皆さんは、今まで  \frac{d}{dx} ' という記号で「微分する」ということを表していました。

例えば、関数  y = f(x) の導関数のことは\[
\frac{d}{dx} f(x),  \ \ \frac{dy}{dx}, \ \ f'(x) , \ \ y'
\]と表していましたね。

 

この微分記号  \frac{d}{dx} D をし、\[
\frac{dy}{dx} = Dy
\]のように表すことをとある誰かさん(ヘビサイド)が考えました。

この  D のことを微分演算子、もしくは単に 演算子と呼びます。

 

f:id:momoyama1192:20200426091930g:plain

※微分演算子  D ' と同じようにどの変数で微分しているかが省略されているので気を付けましょう。

(だいたい  x の微分  \frac{d}{dx} を指すことがほとんどなので、特に指示がないときは  D = \frac{d}{dx} だと思ってもらってOKです)

2.微分演算子の基本

(1) 複数回数の微分表現

微分演算子  D を使うことで、2回微分は\[\begin{align*}
\frac{d^2y}{dx^2} & = \frac{d}{dx} \left( \frac{d}{dx} y \right)
\\ & = DDy
\\ & =  D^2 y
\end{align*}\]のように  D^2 D の2乗)の形で表せます。

同じように、3回微分、n回微分も\[
\frac{d^3y}{dx^3} = D^3 y \\
\frac{d^ny}{dy^n} = D^n y
\]のように  D^n D のn乗)の形で表すことができます。

(2) 定数倍は演算子の外に出せる

\[
\frac{d}{dx} 2x^3 = 2 \frac{d}{dx^2} x^3 \\
\frac{d}{dx} a \ f(x) = a \frac{d}{dx^2} f(x)
\]のように計算することができるように、\[
D 2x^3 = 2 D x^3 \\ 
D a f(x) = a D f(x)
\]と定数倍  a を微分演算子の外に出すことができます。

(3) 微分演算子の分配

微分演算子は\[
(a^2  + a)x = a^2x + ax
\]のように、まるで  D を普通の文字として扱うことができます。

例えば\[
(D^2 + D)x = D^2 x + Dx \\ 
(D^2 + D)x = D(D+1) x
\]のように分配することができます!

 

ここで、1つ分配法則に慣れるために例題を解いてみましょう。

例題0

\[
(D^2 + D) (x^3 - 3x)
\]を計算しなさい。

解説0

\[\begin{align*}
(D^2 + D)(x^3 - 3x) & = D^2 (x^3 - 3x) + D (x^3 - 3x)
\\ & = \frac{d^2}{dx^2} (x^3 - 3x) + \frac{d}{dx} (x^3 - 3x)
\\ & = (6x) + (3x^2 - 3)
\\ & = 3x^2 + 6x - 3
\end{align*}\]と計算できます。

 

 

演算子法の超基本法則

ある変数  x の微分  \frac{d}{dx} のことを  D で表したものを微分演算子(演算子)と呼ぶ。

 x 以外の微分(例えば  t の微分  \frac{d}{dt})も  D と表記することもできる

 

基本法則1.  D を重ね掛けして複数回の微分を表現可能\[
D^2 = \frac{d^2}{dx^2}, \ \ \ D^3 = \frac{d^3}{dx^3} \\
D^n = \frac{d^n}{dx^n}
\]

基本法則2. 定数は  D の前に出せる\[
D^n a f(x) = a D^n f(x)
\]

基本法則3.  D は分配・結合できる\[
(D^m + D^n) f(x) = D^m f(x) + D^n f(x)
\]

 

3.微分演算子を用いた微分方程式の表記

先程説明した「微分演算子の基礎」の変形を使うことで、\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 4 \frac{dy}{dx} + 3y = e^{2x} 
\]のような定数係数の微分方程式を、\[\begin{align*}
\frac{d^2 y}{dx^2} - 4 \frac{dy}{dx} + 3y & = D^2 y - 4Dy + 3y
\\ & = (D^2 - 4D + 3)y
\\ & = (D-1)(D-3)y
\end{align*}\]と表記することができます。

さらに、 t の関数  \phi (t) を\[
\phi (t) = t^2 - 4t + 3
\]として、\[
\phi (D) y = e^x
\]のように表すこともできます。

 

4.逆演算子

(1) 逆演算子と積分

例えば、微分演算子を用いて\[
Dy = 3x^2 + 4x + 1
\]と表される方程式があるとします。

 

この方程式は、\[
\frac{dy}{dx} = 3x^2 + 4x + 1
\]となるので、直接積分形となっていますね。

なので、\[\begin{align*}
y & = \int \ 3x^2 + 4x + 1 \ dx
\\ & = x^3 + 2x^2 + x + C
\end{align*}\]と計算することができますね。

 C は任意定数)

 

つまり、\[
Dy = f(x) \ \ \Leftrightarrow \ \ y = \int f(x) \ dx \tag{1}
\]の関係が成り立ちますね。

 

また、 Dy = の形の方程式を y = の形に無理やり書いてみると、\[
y = \frac{1}{D} (3x^2 + 4x + 1) \\
y = \frac{1}{D} f(x) \tag{2}
\]と書くことができますね。

 

すると、(1), (2)の2つから、\[
\frac{1}{D} f(x) = \int f(x) \ dx 
\]という関係が導かれますね!

 

つまり、 D は1回微分する記号に対し、 \frac{1}{D} は1回積分する記号と考えることができますね!

 

また、 D^2 は2回微分する記号、 D^n n 回微分する記号となるように、 \frac{1}{D^2} は2回積分、 \frac{1}{D^n} n 回積分する記号と考えることができます!

 

例えば、\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2} 12x^2 & = \frac{1}{D} \int 12 x^2 \ dx
\\ & = \frac{1}{D} 4x^3 + C_1
\\ & = \int 4x^3 + C_1 \ dx
\\ & = x^4 + C_1 x + C_2
\end{align*}\]と計算することができます。

 C_1,  C_2 は任意定数)

(2) 逆演算子と微分方程式

先程\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 4 \frac{dy}{dx} + 3y = e^{2x} 
\]を演算子を用いて\[
(D^2 - 4D + 3)y = e^{2x}
\]と表現できると説明しました。

 

この微分方程式を、y = の形に無理やりしてみると、\[
y = \frac{1}{D^2 - 4D + 3} e^{2x} 
\]となりますね。

 

つまり、y = で表された式\[
 \frac{1}{D^2 - 4D + 3} e^{2x}
\]を計算することができれば微分方程式を満たす  y の1つ、つまり特殊解が求められそうな気がしますね!

(実際に特殊解となることは下のほうで確認していきたいと思います。)

 

※ なお、特殊解を求める際の微分演算子の計算(積分)では、積分の際に出てくる任意定数  C は原則省略します。

(すべての解ではなく、特殊解の「1つ」が出せればOKなので。

4.様々な微分演算子の公式

ここからは、微分演算子を用いて微分方程式の特殊解、つまり\[
\frac{1}{ \phi (D) } f(x)
\]求めるために必要な公式、知ってたら便利な公式を紹介していきたいと思います。

公式1-1 直接積分形の公式

直接積分形\[
\frac{dy}{dx} = f(x)
\]で表されたものを\[
\frac{1}{D} f(x) = \int f(x) \ dx 
\]と書き換えることで直接積分形の公式となります。

(先程説明したのでここでは詳しくは説明しません。)

公式1-2 定数変化法の公式

1階の非同次の定数係数微分方程式\[
\frac{dy}{dx} + ay = f(x)
\]の特殊解の1つは、定数変化法を用いることにより、\[
y = e^{-ax} \left( \int e^{ax} \ dx \right) \tag{1} 
\]で求めることができます。

(定数変化法)

 

また、\[
\frac{dy}{dx} + ay = f(x)
\]は、微分演算子を用いることで\[
Dy + ay = f(x) \\
(D + a)y = f(x) \\
y = \frac{1}{D+a} f(x) \tag{2}
\]と変形することができますね。

 

よって、(1), (2)の2つの式から、微分演算子の公式\[
\frac{1}{D+\color{red}{a}} f(x) = e^{-\color{red}{a}x} \left( \int e^{\color{red}{a}x} f(x) \ dx \right)
\]を導出することができます。

 

例題で計算してみましょう。

例題1

つぎの(1)~(3)で表された微分方程式の特殊解の1つを演算子  D を用いて解きなさい。

(1)\[
\frac{dy}{dx} + 3y = e^x
\]

(2)\[
\frac{d^2y}{dx^2} - \frac{dy}{dx} - 2y = e^{2x}
\]

(3) \[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 7 \frac{dy}{dx} + 12y = 3x 
\]

解説1

(1)

微分方程式を演算子法を用いて表すと、\[\begin{align*}
Dy + 3y = (D+3)y = e^x
\end{align*} \]となるので、y = 形に直すと\[
y = \frac{1}{D+3} e^{x}
\]となる。

よって、\[\begin{align*}
& \frac{1}{D+\color{red}{3}} \color{blue}{e^{x}} 
\\ = \ & e^{-\color{red}{3}x} \int e^{\color{red}{3}x} \cdot \color{blue}{e^{x}} 
\\ = \ &  e^{-3x} \int e^{4x}
\\ = \ &  e^{-3x} \cdot \frac{1}{4} e^{4x}
\\ = \ & \frac{1}{4} e^{x}
\end{align*}\]となるので、特殊解の1つは\[
y = \frac{1}{4} e^{x}
\]と求められる。

 

(2)

微分方程式を演算子法を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y - Dy - 2y & = (D^2 - D - 2)y
\\ & =  (D-2)(D+1) y = e^{2x}
\end{align*} \]となるので、y = 形に直すと\[
y = \frac{1}{(D-2)(D+1)} e^{2x}
\]となる。

よって、\[\begin{align*}
\frac{1}{(D-2)(D+1)} e^{2x} & = \frac{1}{D-2} \left( \frac{1}{D+\color{red}{1}} \color{blue}{e^{2x}} \right)
\\ & = \frac{1}{D-2} e^{-\color{red}{1}x} \left( \int e^{\color{red}{1}x} \cdot \color{blue}{e^{2x}}  \right)
\\ & = \frac{1}{D-2} e^{-x} \left( \int e^{3x}  \right)
\\ & = \frac{1}{D-2} e^{-x} \cdot \frac{1}{3} e^{3x}
\\ & = \frac{1}{3} \frac{1}{D\color{red}{-2}} \color{blue}{e^{2x}}
\\ & = \frac{1}{3} e^{-\color{red}{(-2)}x} \left( \int e^{\color{red}{-2}x} \cdot \color{blue}{e^{2x}}  \right)
\\ & = \frac{1}{3} e^{2x} \left( \int 1 \ dx \right)
\\ & = \frac{1}{3} e^{2x} \cdot (x)
\\ & = \frac{1}{3} x e^{2x}
\end{align*}\]となるので、特殊解の1つは\[
y = \frac{1}{3} x e^{2x}
\]と求められる。

 

[計算順序は入れ替えてもOK!]

なお、上の場合は\[
\frac{1}{(D-2)(D+1)} e^{2x} = \frac{1}{D-2} \left( \frac{1}{D-1} e^{2x} \right)
\]とし、 D+1 のほうから計算をしていますが、逆に\[
\frac{1}{(D-2)(D+1)} e^{2x} = \frac{1}{D+1} \left( \frac{1}{D-2} e^{2x} \right)
\]として  D-2 のほうから計算を行ってもOKです。

計算順序を入れ替えても特殊解は求められるのがポイント!)

 

[別解:部分分数分解を使う方法]

\[
\frac{1}{(D-2)(D+1)} e^{2x}
\]を部分分数分解して、\[
\frac{1}{3} \left( \frac{1}{D-2} - \frac{1}{D+1} \right)
\]としてから、\[\begin{align*}
\frac{1}{(D-2)(D+1)} e^{2x} & = \frac{1}{3} \left( \frac{1}{D-2} - \frac{1}{D+1} \right) e^{2x}
\\ & = \frac{1}{3} \frac{1}{D\color{red}{-2}} \color{blue}{e^{2x}} -  \frac{1}{3} \frac{1}{D+\color{red}{1}} \color{blue}{e^{2x}} 
\\ & = \frac{1}{3} e^{-\color{red}{(-2)}x} \int e^{\color{red}{-2}x} \cdot \color{blue}{e^{2x}} \ dx - \frac{1}{3} e^{-\color{red}{(1)}x} \int e^{\color{red}{1}x} \cdot \color{blue}{e^{2x}} \ dx
\\ & = \frac{1}{3} e^{2x} \int 1 \ dx - \frac{1}{3} e^{-x} \int e^{3x} \ dx
\\ & = \frac{1}{3} e^{2x} \cdot x - \frac{1}{3} e^{-x} \cdot \frac{1}{3} e^{3x} \ dx
\\ & = \frac{1}{3} x e^{2x} - \frac{1}{3} e^{2x}
\end{align*}\]と計算するのもあり。

この場合、特殊解の1つは\[
y = \frac{1}{3} x e^{2x} \color{red}{- \frac{1}{3} e^{2x}}
\]となる。

 

※特殊解の1つに\[
\color{red}{- \frac{1}{3} e^{2x}}
\]のような余分な部分が出てきて「あれれ?」となるかもしれませんが、同次式\[
\frac{d^2y}{dx^2} - \frac{dy}{dx} - 2y = 0
\]の一般解\[
y = C_1 e^{2x} + C_2 e^{-x}
\]を求め、「同次式の一般解」+「特殊解の1つ」で微分方程式の一般解を求めると、\[\begin{align*}
y & = C_1 e^{2x} + C_2 e^{-x} +  \frac{1}{3} x e^{2x} \color{red}{- \frac{1}{3} e^{2x}}
\\ & = \left( C_1 - \frac{1}{3} \right) e^{2x} + C_2 e^{-x} +  \frac{1}{3} x e^{2x}
\\ & = C_3 e^{2x} + C_2 e^{-x} +  \frac{1}{3} x e^{2x}
\end{align*} \]

となり、\[
- \frac{1}{3} e^{2x}
\]の部分が任意定数に吸収されるので問題ありません。

(計算方法により、異なった特殊解が求まることがあるが、あくまでも微分方程式が成立する1つの解(特殊解)が求められていれば模範解答と形が違っていてもOKです!)

 

(3)

微分方程式を演算子法を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y - 7Dy + 12y & = (D^2 - 7D + 12)y
\\ & =  (D-3)(D-4) y = 3x
\end{align*} \]となるので、y = 形に直すと\[
y = \frac{1}{(D-3)(D-4)} 3x
\]となる。

よって、\[\begin{align*}
\frac{1}{(D-3)(D-4)} 3x & = \frac{1}{D-3} \left( \frac{1}{D\color{red}{-4}} \color{blue}{3x} \right)
\\ & = \frac{1}{D-3} e^{-\color{red}{(-4)}x} \left( \int e^{\color{red}{-4}x}  \cdot \color{blue}{3x} \ dx \right)
\\ & = \frac{1}{D-3} e^{4x} \left( - \frac{1}{4} e^{-4x} \cdot 3x - \frac{3}{16} e^{-4x} \right)
\\ & = \frac{1}{D-3} \left( - \frac{1}{16} e^{4x} \cdot e^{-4x}  \left( 12x + 3  \right) \right)
\\ & = - \frac{3}{16} \cdot \frac{1}{D+\color{red}{3}} \color{blue}{(4x+1)}
\\ & = - \frac{3}{16} e^{-\color{red}{(-3)}x} \left( \int e^{\color{red}{-3}x}  \cdot \color{blue}{(4x+1)} \ dx \right)
\\ & = - \frac{3}{16} e^{3x} \left( - \frac{1}{3} e^{-3x} \cdot (4x+1) - \frac{1}{9} e^{-3x} \cdot 4  \right)
\\ & = \frac{3}{16} \cdot \frac{1}{9} e^{-\color{red}{3}x} \cdot e^{-3x} \left(12x+7 \right)
\\ & = \frac{1}{48} (12x+7)
\\ & = \frac{1}{4} x + \frac{7}{48}
\end{align*}\]となるので、特殊解の1つは\[
y = \frac{1}{4} x + \frac{7}{48}
\]と求められる。

 

[別解:部分分数分解を使う方法]

\[
 \frac{1}{(D-3)(D-4)} 3x
\]を部分分数分解して、\[
\frac{1}{D-4} - \frac{1}{D-3}
\]としてから、\[\begin{align*}
 \frac{1}{(D-3)(D-4)} 3x = \frac{1}{D-4} 3x - \frac{1}{D-3} 3x
\end{align*}\]と分解する。

 

それぞれの計算結果は、\[\begin{align*}
\frac{1}{D\color{red}{-4}} \color{blue}{3x} & = e^{-\color{red}{(-4)}x} \int e^{\color{red}{-4}x} \cdot \color{blue}{3x}
\\ & = \left( - \frac{1}{4} e^{-4x} \cdot 3x - \frac{1}{16} e^{-4x} \cdot 3 \right)
\\ & = - \frac{1}{16} (12x + 3)
\\ & = - \frac{3}{16} (4x+1)
\end{align*} \]\[\begin{align*}
\frac{1}{D \color{red}{-3}} \color{blue}{3x} & = e^{-\color{red}{(-3)}x}  \int e^{\color{red}{-3}x} \cdot \color{blue}{3x}
\\ & = \left( - \frac{1}{3} e^{-3x} \cdot 3x - \frac{1}{9} e^{-3x} \cdot 3 \right)
\\ & = - \frac{1}{3} ( 3x + 1) 
\end{align*} \]となるので、\[\begin{align*}
 \frac{1}{(D-3)(D-4)} 3x & = \frac{1}{D-4} 3x - \frac{1}{D-3} 3x
\\ & = - \frac{3}{16} (4x+1) - \left(  - \frac{1}{3} ( 3x + 1)  \right)
\\ & = - \frac{3}{4} x - \frac{3}{16} + x + \frac{1}{3}
\\ & = \frac{1}{4} x + \frac{7}{48}
\end{align*}\]と計算できるので、特殊解の1つは\[
y = \frac{1}{4} x + \frac{7}{48}
\]となる。

 

 

演算子法の基本公式1

公式1-1 直接積分形(重要度:★★★★★)

\[ \frac{1}{D} f(x) = \int f(x) \ dx \]

公式1-2 変数分離形(重要度:★★★★★)

\[ \frac{1}{D+\color{red}{a}} f(x) = e^{-\color{red}{a}x} \left( \int e^{\color{red}{a}x} f(x) \ dx \right) \]

 

※直接積分形、変数分離形の公式と基本的には一緒。

 

その2 右辺が e^(ax) の形で使える公式

ここからは、 e^{ax} の形のときだけ使える強力な公式、つまり演算子  D を含む式が\[
\frac{1}{\phi (D)} p e^{ax}
\]の形になるときに使える3つの公式を紹介していきたいと思います。

 

公式2-1 重要度:★★★★★

\[
\frac{1}{\phi (\color{red}{D})} e^{\color{red}{a}x} = \frac{1}{\phi (\color{red}{a})} e^{\color{red}{a}x}
\]

 D a を代入したものがそのまま計算結果になる)

※ただし、 \phi(D) D の多項式で、 \phi (D) \not = 0 である。

公式2-1の使用例

\[\begin{align*}
\frac{1}{\color{red}{D}^2 + 2 \color{red}{D} + 1} e^{\color{red}{3}x} & = \frac{1}{\color{red}{3}^2 + 2 \cdot \color{red}{3} + 1} e^{\color{red}{3}x}
\\ & = \frac{1}{16} e^{3x}
\end{align*}\]

 

[仕組み・簡単な証明]

実は  e^{ax} を1回微分すると  a が外に出てくるのを公式と言っているだけ。

\[D e^{ax} = a e^{ax} , \ \ D^2 e^{ax} = a^2 e^{ax}, \ \ D^3 e^{ax} = a^3 e^{ax}
\\ D^n e^{ax} = a^n e^{ax}
\]となるので、

\[\begin{align*}
\phi (D) e^{ax} & = ( c_n D^n + c_{n-1} D^{n-1} + \cdots + c_1 D + c_0) e^{ax}
\\ & = c_n D^n e^{ax} + c_{n-1} D^{n-1} e^{ax} + \cdots + c_1 D e^{ax} + c_0 e^{ax}
\\ & = c_n a^n e^{ax} + c_{n-1} a^{n-1} e^{ax} + \cdots + c_1 a e^{ax} + c_0 e^{ax}
\\ & = ( c_n a^n + c_{n-1} a^{n-1} + \cdots + c_1 a + c_0) e^{ax}
\\ & = \phi (a) e^{ax}
\end{align*}\]と示すことができる。

 

右辺が  e^{ax} の形で、 \frac{1}{\phi (D)} が0にならないときは、公式1を使うことであっという間に特殊解を求められます。

公式2-2 重要度:★★★☆☆

\[
\frac{1}{\phi (\color{red}{D})} e^{\color{red}{a}x} f(x) = e^{\color{red}{a} x} \frac{1}{\phi(D+\color{red}{a})} f(x)
\]

 e^{ax} f(x) e^{ax} を外に出し、 D D+a に書き換えられる)

公式2-2の使用例

\[\begin{align*}
\frac{1}{D-2} 2x e^{\color{red}{3}x} & = e^{3x} \frac{1}{(D+\color{red}{3})-2} 2x
\\ & = e^{ax} \frac{1}{D+1} 2x
\end{align*}\]

 

[仕組み]

合成関数の微分を繰り返していく。\[\begin{align*}
D e^{ax} f(x) & =  (D e^{ax}) \cdot f(x) + e^{ax} (D f(x)) 
\\ & = a e^{ax} f(x) + D e^{ax} f(x)
\\ & = (D+a) e^{ax} f(x)
\end{align*}\]

\[\begin{align*}
D^2 e^{ax} f(x) & =  D \left( (D+a) e^{ax} f(x) \right)
\\ & = (D+a) D ( e^{ax} )  f(x) + (D+a) e^{ax} ( D f(x) )
\\ & = (D+a) a \ e^{ax} f(x) + (D+a) ( D f(x) )
\\ & = (D+a)^2 e^{ax} f(x)
\end{align*}\]となっていくので、\[
D^n e^{ax} f(x) = e^{ax} (D+a)^n f(x)
\]になりそうなことがわかる。

(厳密に証明する場合は帰納法でする必要あり)

 

公式2-2は、右辺に邪魔もの  f(x) が混じって  e^{ax} f(x) の形になっているときに使います。

(使うことで  e^{ax} を微分演算子の外に出すことができます。)

公式2-3 重要度:★★★★☆

\[
\frac{1}{ (D-\color{red}{a})^\color{blue}{n} } e^{\color{red}{a} x} = \frac{ x^\color{blue}{n} }{ \color{blue}{n} !} e^{\color{red}{a} x}
\]

 

特に使うのが  n = 1 のとき\[
\frac{1}{D-\color{red}{a}} e^{\color{red}{a} x} = x e^{\color{red}{a} x}
\]と、 n = 2 のとき\[
\frac{1}{(D- \color{red}{a})^2} e^{\color{red}{a} x} = \frac{1}{2} x^2 e^{\color{red}{a} x}
\]

公式2-3の使用例

\[\begin{align*}
\frac{1}{(D-\color{red}{2})^{\color{blue}{2}}} e^{\color{red}{2}x} & = \frac{x^{\color{blue}{2}}}{\color{blue}{2} !} e^{2x}
\\ & = \frac{1}{2} x^2 e^{2x}
\end{align*}\]

 n = 1 n = 2 で使う場合がほとんど)

[仕組み]

実は公式\[
\frac{1}{\phi (D)} e^{ax} f(x) = e^{ax} \frac{1}{\phi(D+a)} f(x)
\]の、 \phi (D) = (D-1)^n f(x) = 1 としたバージョン。

 

具体的には、\[\begin{align*}
\frac{1}{(D-1)^n} e^{ax} \cdot 1 & = e^{ax} \frac{1}{(D+1-1)} \cdot 1
\\ & = e^{ax} \frac{1}{D} 1
\end{align*}\]となる。

ここで、1を  x n 回積分すると、 \frac{x^n}{n!} となるので、\[\begin{align*}
\frac{1}{(D-1)^n} e^{ax} \cdot 1 & = e^{ax} \frac{1}{(D+1-1)} \cdot 1
\\ & = e^{ax} \frac{1}{D} 1
\\ & = \frac{x^n}{n!} e^{ax}
\end{align*} \]と示すことができる。

 

右辺が  e^{ax} の形だけど、 \frac{1}{\phi (D)} が0になってしまうときは、公式2-3を使うことが多いです。(公式2-3と公式2-1を併用することが多いです。)

 

3つ公式を紹介したので、右辺が  e^{ax} となっているパターンの特殊解を実際に求めてみましょう。

例題2

つぎの(1)~(3)で表された微分方程式の特殊解の1つを演算子法を用いて解きなさい。

(1)\[
\frac{d^2y}{dx^2} - 2 \frac{dy}{dx} - 3y = e^{2x}
\]

(2)\[
\frac{d^2y}{dx^2} - \frac{dy}{dx} - 2y = e^{2x}
\]

(3)\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 6 \frac{dy}{dx} + 9y = e^{3x}
\]

解説2

(1)

微分方程式を演算子法を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y - 2 Dy - 3 y & = (D^2 - 2D - 3)y
\\ & = (D-3)(D+1)y
\end{align*} \]となるので、y = の形に直すと\[
y = \frac{1}{(D-3)(D+1)} e^{2x}
\]となる。

(あえて因数分解したのは、分母が0かどうかが確認しやすいためです。)

 

よって、\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{(\color{red}{D}-3)(\color{red}{D}+1)} e^{\color{red}{2}x}
\\ & = \frac{1}{(\color{red}{2}-3)(\color{red}{2}+1)} e^{\color{red}{2}x}
\\ & = \frac{1}{-1 \cdot 3} e^{2x}
\\ & = - \frac{1}{3} e^{2x}
\end{align*}\]となるので、特殊解の1つは\[
y = - \frac{1}{3} e^{2x}
\]と求められる。

 

(2)

微分方程式を演算子法を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y - Dy - 2 y & = (D^2 - D - 2)y
\\ & = (D-2)(D+1)y
\end{align*} \]となるので、y = の形に直すと\[
y = \frac{1}{(D-2)(D+1)} e^{2x}
\]となる。

 D = 2 を代入すると分母が0になるため、そのまま公式1を使うことができません。)

 

よって、\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{D-2} \left( \frac{1}{\color{red}{D}+1} e^{\color{red}{2}x} \right)
\\ & = \frac{1}{D-2} \left( \frac{1}{\color{red}{2}+1} e^{\color{red}{2}x} \right)
\\ & = \frac{1}{D-2} \cdot \frac{1}{3} e^{2x}
\\ & = \frac{1}{3} \cdot \frac{1}{D-\color{red}{2}} e^{\color{red}{2}x}
\\ & = \frac{1}{3} \cdot x e^{2x}
\end{align*}\]となる。

 D+1 を変形するときは公式1を使い、 D-2 を変形するときは公式1が使えないので公式3\[
\frac{1}{(D-\color{red}{a})^n} e^{\color{red}{a} x} = \frac{x^n}{n!} e^{\color{red}{a} x}
\]を使う)

 

よって、特殊解の1つは\[
y = \frac{1}{3} x e^{2x}
\]と求められる。

 

(3)

微分方程式を演算子法を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y - 6Dy + 9y & = (D^2 - 6D + 9)y 
\\ & = (D-3)^2 y
\end{align*} \]となるので、y = の形に直すと\[
y = \frac{1}{(D-3)^2} e^{3x}
\]となる。

 D = 3 を代入すると分母が0になるため、公式1を使うことができません。)

 

よって、\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{(D-\color{red}{3})^\color{blue}{2}} e^{\color{red}{3}x}
\\ & = \frac{1}{\color{blue}{2}!} x^{\color{blue}{2}} e^{\color{red}{3}x}
\\ & = \frac{1}{2} x^2 e^{3x}
\end{align*}\]となる。

(分母が0で公式1が使えないときは、公式3を使うのが基本)

 

よって、特殊解の1つは\[
y = \frac{1}{3} x e^{2x}
\]と求められる。

 

公式を確認しておきましょう。

 

演算子法の基本公式2(e^ax形の計算)

公式2-1(重要度:★★★★★)

\[ \frac{1}{\phi (\color{red}{D})} e^{\color{red}{a}x} = \frac{1}{\phi (\color{red}{a})} e^{\color{red}{a}x} \]

 \phi(a) \not = 0 なら  D = a とするだけであっという間に特殊解が求められる超強力公式)

 

公式2-2(重要度:★★★☆☆)

\[
\frac{1}{\phi (\color{red}{D})} e^{\color{red}{a}x} f(x) = e^{\color{red}{a} x} \frac{1}{\phi(D+\color{red}{a})} f(x)
\]

(右辺に  e^{ax} 以外の邪魔者  f(x) があるときに、 e^{ax} を先に外に出し、演算子内を邪魔者  f(x) だけにできる公式。)

 

公式2-3(重要度:★★★★☆)

\[
\frac{1}{(D-\color{red}{a})^\color{blue}{n}} e^{\color{red}{a} x} = \frac{x^\color{blue}{n}}{\color{blue}{n} !} e^{\color{red}{a} x}
\]

 \phi(a) = 0 となってしまい、その1が使えないときに使う公式。特に使うのが  n = \color{blue}{1} のとき\[
\frac{1}{D-\color{red}{a}} e^{\color{red}{a} x} = x e^{\color{red}{a} x}
\]と、 n = \color{blue}{2} のとき\[
\frac{1}{(D- \color{red}{a})^\color{blue}{2}} e^{\color{red}{a} x} = \frac{1}{\color{blue}{2}} x^\color{blue}{2} e^{\color{red}{a} x}
\]の2つ。 

 

[使い方のコツ]

  •  e^{ax} 単品なら、まずその1を試し、ダメならその3を使う
  •  e^{ax} f(x) の形なら、その2を使って  e^{ax} を演算子の外に出してあげる

 

その3 右辺が多項式の形で使える公式

先程例題で、微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 7 \frac{dy}{dx} + 12y = 3x \\
D^2 y - 7D + 12y = 3x
\]の特殊解を微分演算子を用いて求める際に、部分積分が絡むかなり面倒くさい計算をしましたね。

実は、上のように右辺が  x の多項式になっている場合は部分積分をせずにもっと簡単に計算することができます。

 

関数\[
f(x) = \frac{1}{1-x}
\]のマクローリン展開の公式\[
 \frac{1}{1-x} = 1 + x + x^2 + \cdots + x^n + \cdots
\]の  x の部分に  D を無理やり入れ、\[
\frac{1}{1-D} = 1 + D + D^2 + \cdots + D^n + \cdots
\]とすると、なぜかこの等式が成り立ってしまうのです。

 

実際に成り立つことを証明してみましょう。

演算子で表される微分方程式\[
y - Dy = f(x) \\
y = \frac{1}{1-D} f(x)
\]があるとします。この式は、\[
y = f(x) + Dy
\]と変形することができますよね。

すると、\[\begin{align*}
y & = f(x) + Dy
\\ & = f(x) + D (f(x) + Dy)
\\ & = f(x) + D f(x) + D^2 (f(x) + Dy)
\\ & = f(x) + D f(x) + D^2 f(x) + D^3 (f(x) + Dy)
\vdots
\\ & = f(x) + D f(x) + D^2 f(x) + D^3 f(x) + \cdots 
\\ & = (1 + D + D^2 + D^3 + \cdots) f(x)
\end{align*}\]とドミノ倒しのように代入できるので、確かに\[
\frac{1}{1-D} f(x) =  (1 + D + D^2 + D^3 +  \cdots) f(x) \\
\frac{1}{1-D}  =  (1 + D + D^2 + D^3 + \cdots) 
\]が成り立ちますね。

 

この公式を使うことで、\[
\frac{1}{D-3} (x^2 - 3x)
\]を、\[\begin{align*}
\frac{1}{D-3} (x^2 - 3x) & = - \frac{1}{3} \frac{1}{1 - \left( \frac{D}{3} \right)} (x^2 - 3x)
\\ & = - \frac{1}{3} \left( \color{green}{1 + \left( \frac{D}{3} \right) + \left( \frac{D}{3} \right)^2  + \cdots}  \right) (x^2 - 3x)
\\ & = - \frac{1}{3} \left( (x^2 - 3x) + \frac{1}{3} D (x^2 - 3x) + \frac{1}{9} D^2 (x^2 - 3x) \right)
\\ & = - \frac{1}{3} \left( (x^2 - 3x) + \frac{1}{3} (2x -3) + \frac{1}{9} \cdot 2 \right)
\\ & = - \frac{1}{27} (9x^2 - 27x + 6x - 9 + 2)
\\ & = - \frac{1}{27} (9x^2 - 21x - 7)
\\ & = - \frac{1}{3} x^2 + \frac{7}{9} x + \frac{7}{27}
\end{align*} \]と計算することができます。

 

※ (x^2 - 3x) は2次の項なので、3回以上微分すると消える。よって、緑色部分の  D の展開も2回までにしている。

 D^3 以上の項は全部0になるので考える必要がない)

 

 

では、右辺が多項式になっているパターンの微分方程式を演算子  D を用いて解く練習をしてみましょう。

例題3

つぎの(1)~(3)で表された微分方程式の特殊解の1つを演算子  D を用いて解きなさい。

(1)\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 7 \frac{dy}{dx} + 12y = 3x 
\]

(2)\[
\frac{d^2y}{dx^2} + 5 \frac{dy}{dx} + 6y = 3x^2 - 4x
\]

(3)\[
\frac{dy}{dx} - 2y = 2x e^{3x}
\]

解説3

(1)

微分方程式を演算子を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y - 7 Dy + 12 y & = (D^2 - 7D  + 12)y
\\ & = (D-3)(D-4)y
\end{align*} \]となるので、y = の形に直すと\[
y = \frac{1}{(D-3)(D-4)} 3x
\]となる。

よって、\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{(D-3)(D-4)} 3x
\\ & = \frac{1}{D-3} \cdot \frac{1}{D-4} 3x
\\ & = - \frac{1}{4} \frac{1}{D-3} \left( \frac{1}{1- \frac{D}{4}} \right) 3x
\\ & =  - \frac{1}{4} \frac{1}{D-3} \left( 1 + \frac{D}{4} + \cdots \right) 3x
\\ & = - \frac{1}{4} \frac{1}{D-3} \left( 3x + \frac{1}{4} D (3x) \right)
\\ & = - \frac{1}{4} \frac{1}{D-3} \left( 3x + \frac{1}{4} \cdot 3 \right)
\\ & = - \frac{1}{16} \frac{1}{D-3} \left( 12x + 3 \right)
\\ & = \frac{1}{48} \frac{1}{1- \frac{D}{3}} \left( 12x + 3 \right)
\\ & = \frac{1}{48} \left( 1 + \frac{D}{3} + \cdots \right) \left( 12x + 3 \right)
\\ & = \frac{1}{48} \left( (12x+3) + \frac{1}{3} D (12x+3) \right)
\\ & = \frac{1}{48} \left( 12x + 3 + 4 \right)
\\ & = \frac{1}{48} \left( 12x + 7 \right)
\\ & = \frac{1}{4} x + \frac{7}{48}
\end{align*}\]と部分積分なしに計算ができます。

 3x は1次の多項式なので、 D^2 以降の項は0となり、無視できます)

 

(2)

微分方程式を演算子を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y + 5Dy + 6 y & = (D^2  + 5D  + 6)y
\\ & = (D+2)(D+3)y
\end{align*} \]となるので、y = の形に直すと\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{(D+2)(D+3)} (3x^2 - 4x)
\\ & = \left( \frac{1}{D+2} - \frac{1}{D+3} \right)  (3x^2 - 4x)
\\ & = \frac{1}{D+2} (3x^2 - 4x) - \frac{1}{D+3} (3x^2 - 4x)
\end{align*}\]となる。

(今度は部分分数分解でも使ってみましょうか。)

 

それぞれの項を計算すると、\[\begin{align*}
& \frac{1}{D+2} (3x^2 - 4x)
\\ = \ & \frac{1}{2} \frac{1}{1 + \frac{D}{2}} (3x^2 - 4x)
\\ = \ & \frac{1}{2} \left( 1 + \left( - \frac{D}{2} \right) + \left( - \frac{D}{2} \right)^2 + \cdots \right) (3x^2 - 4x)
\\ = \ & \frac{1}{2} \left( 1 - \frac{D}{2} + \frac{D^2}{4} - \cdots \right) (3x^2 - 4x)
\\ = \ & \frac{1}{2} \left( (3x^2 - 4x) - \frac{1}{2} D (3x^2 - 4x) + \frac{1}{4} D^2 (3x^2 - 4x) \right) 
\\ = \ & \frac{1}{2} \left( (3x^2 - 4x) - \frac{1}{2} (6x - 4) + \frac{1}{4}  \cdot 6 \right) 
\\ = \ & \frac{1}{8} (12x^2 - 16x - 12x + 8 + 6)
\\ = \ & \frac{1}{8} (12x^2 - 28x  + 14)
\\ = \ & \frac{3}{2} x^2 - \frac{7}{2}x + \frac{7}{4}
\end{align*}\]

\[\begin{align*}
& \frac{1}{D+3} (3x^2 - 4x)
\\ = \ &  \frac{1}{3} \frac{1}{1 + \frac{D}{3}} (3x^2 - 4x)
\\ = \ & \frac{1}{3} \left( 1 + \left( - \frac{D}{3} \right) + \left( - \frac{D}{3} \right)^2 + \cdots \right) (3x^2 - 4x)
\\ = \ &  \frac{1}{3} \left( 1 - \frac{D}{3} + \frac{D^2}{9} - \cdots \right) (3x^2 - 4x)
\\ = \ &  \frac{1}{3} \left( (3x^2 - 4x) - \frac{1}{3} D (3x^2 - 4x) + \frac{1}{9} D^2 (3x^2 - 4x) \right) 
\\ = \ &  \frac{1}{3} \left( (3x^2 - 4x) - \frac{1}{3} (6x - 4) + \frac{1}{9} \cdot 6 \right) 
\\ = \ &  \frac{1}{27} (27x^2 - 36x - 18x + 12 + 6)
\\ = \ &  \frac{1}{27} (27x^2 - 54x + 18)
\\ = \ & x^2 - 2x + \frac{2}{3}
\end{align*}\]

となるので、\[\begin{align*}
y & =  \left( \frac{1}{D+2} - \frac{1}{D+3} \right)  (3x^2 - 4x)
\\ & = \frac{1}{D+2} (3x^2 - 4x) - \frac{1}{D+3} (3x^2 - 4x)
\\ & =  \frac{3}{2} x^2 - \frac{7}{2}x + \frac{7}{4} - \left( x^2 - 2x + \frac{2}{3} \right)
\\ & = \frac{1}{2} x^2 - \frac{3}{2}x + \frac{13}{12}
\end{align*} \]と計算することができ、特殊解の1つは\[
y = \frac{1}{2} x^2 - \frac{3}{2}x + \frac{13}{12}
 \]と計算することができる。

 

(3)

微分方程式を演算子を用いて表すと、\[\begin{align*}
D y - 2 y & = (D-2)y
\\ & = 2x e^{3x}
\end{align*} \]となるので、y = の形に直すと\[
y = \frac{1}{D-2} 2x e^{3x}
\]となる。

 

ここで、その2の公式2で出てきた\[
\frac{1}{\phi (\color{red}{D})} e^{\color{red}{a}x} f(x) = e^{\color{red}{a} x} \frac{1}{\phi(D+\color{red}{a})} f(x)
\]を使います。

 e^{ax} f(x) e^{ax} を外に出し、 D D+a に書き換える公式)

 

すると、

\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{D-2} 2x e^{\color{red}{3}x}
\\ & = e^{3x} \frac{1}{(D+\color{red}{3})-2} 2x
\\ & = e^{3x} \frac{1}{D+1} 2x
\end{align*}\]と書き換えられる。

また、\[\begin{align*}
\frac{1}{D+1} 2x & = \frac{1}{1+D} 2x
\\ & = \left( 1 + (-D) + \cdots \right) 2x
\\ & = ( 1 - D + \cdots ) 2x
\\ & = 2x - D (2x)
\\ & = 2x - 2
\end{align*}\]と求められるので、\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{D-2} 2x e^{3x} \\ & = e^{3x} \frac{1}{D+1} 2x
\\ & = e^{3x} (2x-2)
\\ & = 2e^{3x} (x-1)
\end{align*}\]となるので、\[
y = 2e^{3x} (x-1)
\]と特殊解を求めることができる。

 

 

公式を確認しておきましょう。

 

演算子法の基本公式3(多項式の計算)

公式3 重要度:★★★★★(多項式の演算では必ず使用するべき)

\[\begin{align*}
\frac{1}{1-D} f(x) & = \left( 1 + D + D^2 + D^3 + \cdots  \right) f(x)
\\ & = f(x) + D f(x) + D^2 f(x) + D^3 f(x) + \cdots
\end{align*}\]\[\begin{align*}
\frac{1}{a-D} & = \frac{1}{a} \left( 1 + \frac{1}{a} D + \frac{1}{a^2} D^2 + \frac{1}{a^3} D^3 + \cdots  \right) f(x)
\\ & = \frac{1}{a} \left( f(x) + \frac{1}{a} D f(x) + \frac{1}{a^2} D^2 f(x) + \frac{1}{a^3} D^3  \cdots \right)
\end{align*}\]

 

[使い方のコツ]

  1.  f(x) が何次の多項式かを確認する。
    (何回微分すれば  f(x) が0になるか、確認する)
  2.  f(x) が0になるまで  D を展開する
    (例:3回微分すれば  f(x) が0になる場合は、 D^2(2回微分)まで展開すればOK)
  3. あとは計算するだけ

 

その4 右辺が三角関数の形で使える問題

最後に、微分方程式の右辺が  \sin ax,  \cos ax などの三角関数の形になっているとき、つまり演算子  D を含む式が\[
\frac{1}{\phi (D)} ( p \sin ax + q \cos ax )
\]の形になるときに使える公式を紹介していきたいと思います。 

公式4-1 重要度:★★★★★

\[\begin{align*}
\frac{1}{\phi (\color{red}{D}) } e^{\color{red}{ia}x} & =
\frac{1}{ \phi (i \color{red}{a}) } e^{\color{red}{ia}x}
\\ & = \color{deepskyblue}{f(x)} + i \color{magenta}{g(x)}
\end{align*} \]となるとき、\[
\frac{1}{ \phi (D)} \cos \color{red}{a} x = \color{deepskyblue}{f(x)} \\
\frac{1}{ \phi (D)} \sin \color{red}{a} x = \color{magenta}{g(x)}
\]

公式4-1の使用例

\[\begin{align*}
\frac{1}{D+3} \cos \color{red}{2} x \\
\frac{1}{D+3} \sin \color{red}{2} x
\end{align*}\]を求める。

\[\begin{align*}
\frac{1}{D+3} e^{\color{red}{2} ix} & = \frac{1}{(\color{red}{2}i)+3} e^{\color{red}{2} ix}
\\ & = \frac{2i-3}{(2i+3)(2i-3)} e^{2ix}
\\ & = \frac{2i-3}{4i^2 - 9} e^{2ix}
\\ & = - \frac{1}{13} (2i-3) ( \cos 2x + i \sin 2x )
\\ & = - \frac{1}{13} (2i -3) \cos 2x - \frac{1}{13} i \sin 2x (2i - 3)
\\ & = \left( \color{deepskyblue}{ \frac{2}{13} \sin 2x +  \frac{3}{13} \cos 2x } \right) + \left( \color{magenta}{ \frac{3}{13} \sin 2x - \frac{2}{13} \cos 2x } \right) i
\end{align*}\]となる。

よって、\[
\frac{1}{ \phi (D)} \cos \color{red}{2} x = \color{deepskyblue}{ \frac{2}{13} \sin 2x +  \frac{3}{13} \cos 2x } \\
\frac{1}{ \phi (D)} \sin \color{red}{2} x = \color{magenta}{\frac{3}{13} \sin 2x - \frac{2}{13} \cos 2x}
\]となる。

 

[計算のコツ]\[
\frac{1}{\phi (\color{red}{D})} e^{\color{red}{a}x} = \frac{1}{\phi (\color{red}{a})} e^{\color{red}{a}x}
\]で  D を消してから、 e^{iax} を\[
e^{iax} = \cos ax + i \sin ax
\]に変形するのがコツ(オイラーの公式)

 

複素数計算に慣れていない人、もしくは忘れてしまった人は下の記事で確認しましょう。

オイラーの公式についても解説しています。

www.momoyama-usagi.com

公式4-1の仕組み

 e^{iax} にオイラーの公式を適用すると、\[\begin{align*}
\frac{1}{\phi (D)} e^{iax} & = \frac{1}{ \phi (D) } \left( \cos ax + i \sin ax \right)
\\ & = \color{deepskyblue}{  \frac{1}{ \phi (D) } \cos ax }+ i \color{magenta}{ \frac{1}{ \phi (D) }  \sin ax } 
\end{align*} \]

となるので、実部部分が  \cos x 、虚部部分が  \sin x にうまく分かれる。 

 

公式4-2 重要度:★☆☆☆☆

※公式1を覚えている人は公式1の方法で解けるので頭に入れる必要なし!

\[
\frac{1}{\phi (\color{red}{D}^2) } \sin \color{red}{a}x = \frac{1}{\phi (- \color{red}{a}^2) } \sin \color{red}{a} x \\
\frac{1}{\phi (\color{red}{D}^2) } \cos \color{red}{a}x = \frac{1}{\phi (- \color{red}{a}^2) } \cos \color{red}{a} x
\]

公式4-2の使用例

\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 + 1} \sin 3x & = \frac{1}{\left( \color{red}{D}^2 \right) + 1} \sin \color{red}{3} x 
\\ & = \frac{1}{ -\color{red}{3}^2 + 1} \sin \color{red}{3} x 
\\ & = - \frac{1}{8} \sin 3x
\end{align*}\]

\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 + 1} \cos 3x & = \frac{1}{ \left( \color{red}{D}^2 \right) + 1} \cos \color{red}{3} x 
\\ & = \frac{1}{ -\color{red}{3}^2 + 1} \cos \color{red}{3} x 
\\ & = - \frac{1}{8} \cos 3x
\end{align*}\]

[余談]

公式4-1を使っても解ける

\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 + 1} e^{\color{red}{3}ix} & = \frac{1}{(\color{red}{3} i)^2 +1} e^{\color{red}{3}ix}
\\ & = \frac{1}{-9+1} e^{3ix}
\\ & = - \frac{1}{8} ( \cos 3x + i \sin 3x)
\\ & = \color{deepskyblue}{ - \frac{1}{8} \cos 3x } \color{magenta}{ - \frac{1}{8} \sin 3x } i
\end{align*}\]と求められるので、\[
\frac{1}{D^2 + 1} \sin 3x =  \color{deepskyblue}{ - \frac{1}{8} \sin 3x } \\
\frac{1}{D^2 + 1} \cos 3x =  \color{magenta}{ - \frac{1}{8} \cos 3x } \\
\]となる。

 

公式4-2の仕組み

実は  \sin ax \cos ax を2回微分すると  -a^2 が外に出てくるのをおおげさに公式と言っているだけ。

 \sin ax の場合だけ導出してみよう。

\[D^2 \sin ax = - a^2 \sin ax , \ \ \ D^4 \sin ax = a^4 \sin ax \\
D^{2n} \sin ax = \left( -a^2 \right)^n \sin ax
\]となるので、

\[\begin{align*}
\phi (D^2) \sin ax & = ( c_{2n} D^{2n} + c_{2n-2} D^{2n-2} + \cdots + c_{2} D^2 + c_0) \sin ax
\\ & = c_{2n} D^{2n} \sin ax + c_{n-1} D^{n-1} \sin ax + \cdots + c_1 D \sin ax + c_0 \sin ax
\\ & = c_{2n} \left( -a^2 \right)^n \sin a x + c_{2n-2} \left( -a^2 \right)^{n-1} \sin ax + \cdots + c_2 \left( -a^2 \right) \sin ax + c_0 \sin ax
\\ & = \left( c_{2n} (-a^2)^n + c_{2n-2} (-a^2)^{n-1} + \cdots + c_1 (-a^2) + c_0 \right) \sin ax
\\ & = \phi (-a^2) \sin ax
\end{align*}\]となるので、\[
\frac{1}{\phi (\color{red}{D^2}) } \sin \color{red}{a}x = \frac{1}{\phi (\color{red}{-a^2}) } \sin \color{red}{a} x
\]を確認することができる。

 

 \sin ax \cos ax に書き換えれば同じように\[
\frac{1}{\phi (\color{red}{D^2}) } \cos \color{red}{a}x = \frac{1}{\phi (\color{red}{-a^2}) } \cos \color{red}{a} x
\]が導出できる。

 

公式4-3 重要度:★★★★☆

\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 + a^2} \sin ax = \color{magenta}{-} \frac{1}{2a} x \cos ax \\
\frac{1}{D^2 + a^2} \cos ax =  \frac{1}{2a} x \sin ax
\end{align*}\]( \sin ax からの計算にはマイナスがつくので注意!)

※ 公式1の分母が0になってしまうときは使えないので、公式3を用いる

公式4-3の使用例

\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 + 4} \sin 2x & = \frac{1}{D^2 + \color{red}{2}^2} \sin \color{red}{2} x 
\\ & = - \frac{1}{2 \cdot \color{red}{2}} x \cos \color{red}{2} x
\\ & = - \frac{1}{4} x \cos 2x
\end{align*}\]

\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 + 4} \cos 2x & = \frac{1}{D^2 + \color{red}{2}^2} \cos \color{red}{2} x 
\\ & = \frac{1}{2 \cdot \color{red}{2}} x \sin \color{red}{2} x
\\ & = \frac{1}{4} x \sin 2x
\end{align*}\]

 

 

公式4-3の仕組み(導出)

\[
\frac{1}{D^2 + a^2} \sin ax = - \frac{1}{2a} x \cos ax
\]を導出する。

つまり、\[
\sin ax  = - \frac{1}{2a} (D^2 + a^2) x \cos ax
\]を示せばいい。

 

\[\begin{align*}
(D^2 + a^2) x \cos ax & = D^2 x \cos ax + a^2 x \cos ax
\\ & = D ( D (x) \cdot \cos ax + x \cdot (D \cos ax) ) + a^2 x \cos ax
\\ & = D(\cos ax - ax \sin ax) + a^2 x \cos ax
\\ & = (- a \sin ax - D(ax) \cdot \sin ax - ax \cdot (D \sin ax) ) + a^2 x \cos ax
\\ & = - a \sin ax - a \sin ax - ax \cdot a \cos ax + a^2 x \cos ax
\\ & = -2a \sin ax - a^2 x \cos ax + a^2 x \cos ax
\\ & = -2a \sin ax
\end{align*}\]となるので、\[\begin{align*}
- \frac{1}{2a} (D^2 + a^2) x \cos ax & = - \frac{1}{2a} ( -2a \sin ax )
\\ & = \sin ax
\end{align*}\]となるので確かに\[
\sin ax  = - \frac{1}{2a} (D^2 + a^2) x \cos ax
\]が導出できた。

 

同じように\[
\frac{1}{D^2 + a^2} \cos ax = \frac{1}{2a} x \sin ax
\]を、つまり、\[
\cos ax  = \frac{1}{2a} (D^2 + a^2) x \sin ax
\]を示してみる。

 

\[\begin{align*}
(D^2 + a^2) x \sin ax & = D^2 x \sin ax + a^2 x \sin ax
\\ & = D ( D (x) \cdot \sin ax + x \cdot (D \sin ax) ) + a^2 x \sin ax
\\ & = D(\sin ax + ax \cos ax) + a^2 x \sin ax
\\ & = (a \cos ax + D(ax) \cdot \cos ax + ax \cdot (D \cos ax) ) + a^2 x \sin ax
\\ & = a \cos ax + a \cos ax + ax \cdot (- a \sin ax) + a^2 x \sin ax
\\ & = 2 a \cos x - a^2 x \sin ax + a^2 x \sin ax
\\ & = 2a \cos x
\end{align*}\]となるので、\[\begin{align*}
\frac{1}{2a} (D^2 + a^2) x \sin ax & = \frac{1}{2a} ( 2a \cos x )
\\ & = \cos ax
\end{align*}\]となるので確かに\[
\frac{1}{D^2 + a^2} \cos ax = \frac{1}{2a} x \sin ax
\]が導出できた。

 

例題4

つぎの(1), (2)で表された微分方程式の特殊解の1つを演算子  D を用いて解きなさい。

(1)\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 5 \frac{dy}{dx} + 6y = \sin x
\]

(2)\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + y = \sin x
\]

解説4

(1)

微分方程式を演算子  D を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y - 5 Dy + 6 y & = (D^2 - 5D + 6)y
\\ & = (D-2)(D-3)y
\\ & = \sin x
\end{align*} \]となるので、y = の形に直すと\[
y = \frac{1}{D^2 - 5D + 6} \sin x
\]となる。

(因数分解をしているのは、分母が0にならないかの確認のため)

 

ここで、\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 - 5D + 6} e^{\color{red}{i}x} & = \frac{1}{\color{red}{i}^2 - 5\color{red}{i} + 6} e^{\color{red}{i}x}
\\ & = \frac{1}{-1-5i+6} e^{ix}
\\ & = \frac{1}{5-5i} e^{ix}
\\ & = \frac{1}{5} \frac{1+i}{(1-i)(1+i)} e^{ix}
\\ & = \frac{1}{5} \frac{1+i}{2} ( \cos x + i \sin x)
\\ & = \frac{1}{10} \cos x + \frac{1}{10} i \sin x + \frac{1}{10} i \cos x + \frac{1}{10} i^2 \sin x
\\ & = \left( - \frac{1}{10} \sin x + \frac{1}{10} \cos x \right) + i \left( \color{magenta}{ \frac{1}{10} \sin x + \frac{1}{10} \cos x} \right)
\end{align*} \]となる。

 

ここで、\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 - 5D + 6} e^{\color{red}{i}x} & = \frac{1}{D^2 - 5D + 6} ( \cos x + i \sin x )
\\ & = \frac{1}{D^2 - 5D + 6} \cos x + i \frac{1}{D^2 - 5D + 6} \sin x
\end{align*}\]となるため、\[
\frac{1}{D^2 - 5D + 6} \sin x = \color{magenta}{ \frac{1}{10} \sin x + \frac{1}{10} \cos x }
\]と計算できる。

 

よって、特殊解の1つが\[
y = \frac{1}{10} \sin x + \frac{1}{10} \cos x 
\]と計算できる。

 

(2)

微分方程式を演算子  D を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y + y & = (D^2 + 1)y
\\ & = (D^2 + 1)y
\\ & = \sin x
\end{align*} \]となるので、y = の形に直すと\[
y = \frac{1}{D^2 + 1} \sin x
\]となる。

 

公式3-1\[
\frac{1}{D^2 + 1} e^{ix} = \frac{\color{red}{i}^2 + 1} e^{\color{red}{i} x}
\]を適用しようとすると、分母が0となるので公式1は使えない。

なので、公式3のパターンに持ち込む。

 

よって、\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 + 1} \sin x & = \frac{1}{D^2 + \color{red}{1}^2} \sin \color{red}{1} x
\\ & =  - \frac{1}{2 \cdot \color{red}{1} } x \cos \color{red}{1} x
\\ & = - \frac{1}{2} x \cos x
\end{align*}\]となるので、特殊解の1つは\[
y = - \frac{1}{2} x \cos x
\]となる。

 

演算子法の基本公式4(三角関数系)

公式4-1 重要度:★★★★★(公式4-2よりも便利)

\[\begin{align*}
\frac{1}{\phi (\color{red}{D}) } e^{i \color{red}{a}x} & =
\frac{1}{\phi (i \color{red}{a}) } e^{i \color{red}{a}x}
\\ & = \color{deepskyblue}{f(x)} + i \color{magenta}{g(x)}
\end{align*} \]となるとき、\[
\frac{1}{ \phi (D)} \cos \color{red}{a} x = \color{deepskyblue}{f(x)} \\
\frac{1}{ \phi (D)} \sin \color{red}{a} x = \color{magenta}{g(x)}
\]

基本的に  \phi(D) = \phi (ia) \not = 0 であればこちらの公式であっという間に求められます。

 

公式4-2 重要度:★☆☆☆☆(基本使わない)

\[
\frac{1}{\phi (\color{red}{D}^2) } \sin \color{red}{a}x = \frac{1}{\phi (- \color{red}{a}^2) } \sin \color{red}{a} x \\
\frac{1}{\phi (\color{red}{D}^2) } \cos \color{red}{a}x = \frac{1}{\phi (- \color{red}{a}^2) } \cos \color{red}{a} x
\]

※ 正直覚えなくていいです。公式4-1で解けるので。

 

公式4-3 重要度:★★★★☆

\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 + a^2} \sin ax = \color{magenta}{-} \frac{1}{2a} x \cos ax \\
\frac{1}{D^2 + a^2} \cos ax =  \frac{1}{2a} x \sin ax
\end{align*}\]( \sin ax からの計算にはマイナスがつくので注意!)

※ 公式1の分母が0になってしまうときは使えないので、公式3を用いる

 

5.連立微分方程式と演算子

演算子で表された連立微分方程式も、1つの連立微分方程式にすることで演算子法を用いて微分方程式を解くことができます。

実際に例題で、連立微分方程式を演算子を用いて解く流れを簡単にですが確認しておきましょう。

例題5

つぎの(1), (2)で表された連立微分方程式の特殊解の1つを演算子法を用いて解きなさい。

(※ただし  D = \frac{d}{dt} とする。)

(1) [同次形の微分方程式]

\[
\left\{ \begin{array}{l} Dx - 3y = 0  \\  x + (D-4)y = 0 \end{array}\right.
\]

(2) [非同次形の微分方程式]

\[
\left\{ \begin{array}{l} Dx + (D+2)y = 2 e^{3t} \\ x + Dy = e^{3t} \end{array}\right.
\]

解説5

(1)

まず、2式目の両辺に  D を掛ける。

(まるで  D を数字のように掛けたりできるのがポイント!)

 

すると、\[
Dx + D(D-4)y = Dx + (D^2 - 4D)y \tag{2}
\]となる。

また、1式目より\[
Dx - 3y = 0 \tag{1}
\]となる。

ここで式(2)-式(1)をすると、\[\begin{align*}
Dx + (D^2 - 4D)y - Dx + 3y & = (D^2 - 4D + 3)y
\\ & = (D-1)(D-3)y
\end{align*}\]と変形できるので、 y の一般解が\[
y = C_1 e^{t} + C_2 e^{3t}
\]と変形できる。

 

また、2式目を変形すると、\[
 x + (D-4)y = 0\\
x = 4y - Dy 
\]となるので、 x の一般解は\[\begin{align*}
x & = 4(C_1 e^{t} + C_2 e^{3t}) - D (C_1 e^{t} + C_2 e^{3t})
\\ & = 4 C_1 e^{t} + 4 C_2 e^{3t} - ( C_1 e^{t} + 3 C_2 e^{3t} )
\\ & = 3 C_1 e^{t} + C_2 e^{3t}
\end{align*}\]と求められる。

 

よって、 x,  y の一般解は\[
\left\{ \begin{array}{l} x = 3 C_1 e^{t} + C_2 e^{3t}  \\ y = C_1 e^{t} + C_2 e^{3t}  \end{array}\right.
\]となる。

(2)

2式目の両辺に  D を掛ける。

すると、\[
Dx + D^2y  = D e^{3t} \\
Dx + D^2 y = 3e^{3t} \tag{4}
\]となる。

 

また、1式目より\[
Dx - 3y = 0 \tag{3}
\]となる。

 

式(4)-式(3)をすると、\[
Dx + D^2 y - \left( Dx + (D+2)y \right) = 3e^{3x} - 2e^{3x}
\]\[\begin{align*}
D^2y - Dy - 2y & = (D^2 - D - 2)y
\\ & = (D-2)(D+1)y
\\ & = e^{3t}
\end{align*}\]となるので、微分方程式\[
(D-2)(D+1)y = e^{3t}
\]に変形できる。

 

ここで、\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{(\color{red}{D}-2)(\color{red}{D}+1)} e^{\color{red}{3}x}
\\ & = \frac{1}{(\color{red}{3}-2)(\color{red}{3}+1)} e^{\color{red}{3}x}
\\ & = \frac{1}{1 \cdot 4} e^{3t}
\\ & = \frac{1}{4} e^{3t} \tag{5}
\end{align*}\]と特殊解を求めることができる。

 

また、同次式\[
(D-2)(D+1)y = 0
\]の一般解は\[
y = C_1 e^{2t} + C_2 e^{-t} \tag{6}
\]となる。

 

よって、 y の一般解は(5)+(6)で求められ、\[
y = C_1 e^{2t} + C_2 e^{-t} + \frac{1}{4} e^{3t}
\]となる。

 

また、2式目を変形すると\[
x = e^{3t} - Dy
\]となるので、 x の一般解は\[\begin{align*}
x & = e^{3t} - Dy
\\ & = e^{3t} - D \left( C_1 e^{2t} + C_2 e^{-t} + \frac{1}{4} e^{3t} \right)
\\& = e^{3t} - \left( 2 C_1 e^{2x} - C_2 e^{-t} + \frac{3}{4} e^{3t} \right)
\\ & = - 2 C_1 e^{2x} + C_2 e^{-t} + \frac{1}{4} e^{3t} 
\end{align*}\]と求められる。

 

よって、 x,  y の一般解は\[
\left\{ \begin{array}{l} x = C_1 e^{2t} + C_2 e^{-t} + \frac{1}{4} e^{3t}  \\ y = - 2 C_1 e^{2t} + C_2 e^{-t} + \frac{1}{4} e^{3t}  \end{array}\right.
\]となる。

 

6.演算子の公式まとめ

練習問題の前に、今回出てきた演算子の公式をまとめていきましょう。

公式1 微分方程式の基本公式から導かれる公式

(公式1-1) 直接積分形 重要度:★★★★★

\[
\frac{1}{D} f(x) = \int f(x) \ dx
\]

(公式1-2) 変数分離形 重要度:★★★★★

\[
\frac{1}{D+\color{red}{a}} f(x) = e^{-\color{red}{a}x} \left( \int e^{\color{red}{a}x} f(x) \ dx \right) 
\]

公式2 微分方程式の右辺にe^axがあるときの公式 

(公式2-1)  重要度:★★★★★

\[ \frac{1}{\phi (\color{red}{D})} e^{\color{red}{a}x} = \frac{1}{\phi (\color{red}{a})} e^{\color{red}{a}x} \]

 D = a を入れたときに分母が0でない場合はこの公式が最強!)

(公式2-2)  重要度:★★★☆☆

\[
\frac{1}{\phi (\color{red}{D})} e^{\color{red}{a}x} f(x) = e^{\color{red}{a} x} \frac{1}{\phi(D+\color{red}{a})} f(x)
\]

演算子内に  e^{ax} f(x) があるときに  e^{ax} を出せる公式。

(公式2-3)  重要度:★★★★☆

\[
\frac{1}{ (D-\color{red}{a})^\color{blue}{n} } e^{\color{red}{a} x} = \frac{ x^\color{blue}{n} }{\color{blue}{n} !} e^{\color{red}{a} x}
\]

公式2-1で分母が0になってしまったときにこちらの公式を使用します。

公式3 微分方程式の右辺に多項式があるときの公式 

(公式3)  重要度:★★★★★

\[\begin{align*}
\frac{1}{1-D} f(x) & = \left( 1 + D + D^2 + D^3 + \cdots  \right) f(x)
\\ & = f(x) + D f(x) + D^2 f(x) + D^3 f(x) + \cdots
\end{align*}\]\[\begin{align*}
\frac{1}{a-D} & = \frac{1}{a} \left( 1 + \frac{1}{a} D + \frac{1}{a^2} D^2 + \frac{1}{a^3} D^3 + \cdots \right) f(x)
\\ & = \frac{1}{a} \left( f(x) + \frac{1}{a} D f(x) + \frac{1}{a^2} D^2 f(x) + \frac{1}{a^3} D^3  \cdots \right)
\end{align*}\]

多項式  f(x) は、何回か微分すると必ず0になるので、こちらの公式が便利です。

基本的に下の形で頭にいれておきましょう。

公式4 微分方程式の右辺に sin(ax), cos(ax) があるときの公式 

(公式4-1)  重要度:★★★★★

\[\begin{align*}
\frac{1}{\phi (\color{red}{D}) } e^{i \color{red}{a}x} & =
\frac{1}{\phi (i \color{red}{a}) } e^{i \color{red}{a}x}
\\ & = \color{deepskyblue}{f(x)} + i \color{magenta}{g(x)}
\end{align*} \]となるとき、\[
\frac{1}{ \phi (D)} \cos \color{red}{a} x = \color{deepskyblue}{f(x)} \\
\frac{1}{ \phi (D)} \sin \color{red}{a} x = \color{magenta}{g(x)}
\]

 \phi(D) = \phi (ia) \not = 0 であればこの公式でイチコロ。

(公式4-2)  重要度:★☆☆☆☆

\[
\frac{1}{\phi (\color{red}{D}^2) } \sin \color{red}{a}x = \frac{1}{\phi (- \color{red}{a}^2) } \sin \color{red}{a} x \\
\frac{1}{\phi (\color{red}{D}^2) } \cos \color{red}{a}x = \frac{1}{\phi (- \color{red}{a}^2) } \cos \color{red}{a} x
\]

正直覚えなくていい。公式4-1を覚えよう!

(公式4-3)  重要度:★★★★☆

\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 + a^2} \sin ax = \color{magenta}{-} \frac{1}{2a} x \cos ax \\
\frac{1}{D^2 + a^2} \cos ax =  \frac{1}{2a} x \sin ax
\end{align*}\]

公式4-1で、 \phi ( ia ) = 0 になってしまうとき(分母が0になるとき)に使う。

 \sin ax のときは「マイナス」がつくことに要注意。

7.練習問題

では、演算子を用いた特殊解、一般解の導出を10問ほど練習してみましょう。

10問の内容としては、

  • 練習1~練習8:定数係数2階~3階の一般解の導出
  • 練習9:演算子で表された同次の2元連立微分微分方程式の一般解の導出
  • 練習10:演算子で表された非同次の2元連立微分微分方程式の一般解の導出

となっております。

 

※ 特に指定がない問題は  D = \frac{d}{dx} としてください。

練習1

微分方程式\[
\frac{d^2y}{dx^2} - 3 \frac{dy}{dx} + 2 y = 3e^{4x}
\]の一般解を求めなさい。

 

※ 試験では、上のような形以外に\[
(D^2 - 3D + 2)y = 3 e^{4x}
\]のような微分方程式で与えられたり\[
\phi (t) = t^2 - 3t + 2 , \ \ \ \phi (D) y = 3 e^{4x} 
\]のような形で与えられることもあるのでご注意ください。

 

練習2

微分方程式\[
\frac{d^2y}{dx^2} - 2 \frac{dy}{dx} - 8 y = e^{4x}
\]の一般解を求めなさい。

練習3

微分方程式\[
\frac{dy}{dx} - 3y = x^3 - 3x
\]の一般解を求めなさい。

練習4

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + 4 \frac{dy}{dx} + 4y = 2 \cos 4x
\]の一般解を求めなさい。

練習5

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 4 \frac{dy}{dx} + 3y = x^2 e^x
\]の一般解を求めなさい。

練習6

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 6 \frac{dy}{dx} + 5y = e^x \sin x
\]の一般解を求めなさい。

練習7

微分方程式\[
(D^3 + D^2 + D + 1)y = e^x
\]の一般解を求めなさい。

練習8

微分方程式\[
(D^3 +  4D)y = \cos 2x
\]の一般解を求めなさい。

練習9

連立微分方程式\[
\left\{ \begin{array}{l} (D-1)x + 5y = 0  \\  2x + (D+2)y   = 0 \end{array}\right.
\]の一般解を求めなさい。

ただし、 D = \frac{d}{dt} を表す。

練習10

連立微分方程式\[
\left\{ \begin{array}{l} (D-2)x + y = t^2  \\ x - Dy = 3t-1 \end{array}\right.
\]の一般解を求めなさい。

ただし、 D = \frac{d}{dt} を表す。

 

8.練習問題の答え

解答1

微分方程式は、\[\begin{align*}
(D^2 - 3D + 2)y & = (D-1)(D-2)y 
\\ & = (D-1)(D-2) y
\\ & = e^{4x}
\end{align*} \]となる。

よって、特殊解の1つは\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{(\color{red}{D}-1)}{(\color{red}{D}-2)} 3e^{\color{red}{4}x}
\\ & = \frac{1}{(\color{red}{4}-1)}{(\color{red}{4}-2)} 3e^{\color{red}{4}x}
\\ & = \frac{1}{3 \cdot 2} 3e^{4x}
\\ & = \frac{1}{2} e^{4x} \tag{1}
\end{align*}\]と求められる。

(公式2-1で瞬殺)

 

また、同次方程式\[
\frac{d^2y}{dx^2} - 3 \frac{dy}{dx} + 2 y = 0
\]の一般解は任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{x} + C_2 e^{2x} \tag{2}
\]となる。

※同次方程式の一般解の求め方を忘れてしまった人はこちらから復習しましょう。

(微分演算子の変形*1を特性方程式の代わりにしているので、特性方程式を求める段階を省略しています。)

 

よって、一般解は(1), (2)の和で求められるので\[
y = C_1 e^{x} + C_2 e^{2x}  + \frac{1}{2} e^{4x} 
\]となる。

 

 

解答2

微分方程式を演算子  D を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y - 2D y - 8y & = (D^2 - 2D - 8)y 
\\ & = (D-4)(D+2)y
\\ & = e^{4x}
\end{align*} \]となる。

よって、特殊解の1つは\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{(D-4)(D+2)} e^{4x}
\\ & = \frac{1}{D-4} \cdot \frac{1}{\color{red}{4}+2} e^{\color{red}{4}x}
\\ & = \frac{1}{D-4} \frac{1}{6} e^{4x}
\\ & = \frac{1}{6} \frac{1}{D-4} e^{4x}
\\ & = \frac{1}{6} \frac{1}{D-\color{red}{4}} e^{\color{red}{4}x}
\\ & = \frac{1}{6} x e^{4x}
\end{align*}\]と求められる。

 D+2 の変形は公式2-1、 D-4 の変形は公式2-1が使えないので、公式2-3を使っております。)

 

また、同次方程式\[
\frac{d^2y}{dx^2} - 2 \frac{dy}{dx} - 8 y = 0
\]の一般解は任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{4x} + C_2 e^{-2x} \tag{2}
\]となる。

 

よって、一般解は(1), (2)の和で求められるので\[
y = C_1 e^{4x} + C_2 e^{-2x} + \frac{1}{6} x e^{4x}
\]となる。

 

解答3

微分方程式を演算子  D を用いて表すと、\[\begin{align*}
Dy - 3y & = (D - 3)y 
\\ & = x^3 - 2x
\end{align*} \]となる。

 

よって、特殊解の1つは\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{D-3} (x^3 - 2x)
\\ & = - \frac{1}{3} \frac{1}{1 - \frac{D}{3} } (x^3 - 2x)
\\ & = - \frac{1}{3} \left( 1 + \frac{1}{3} D + \frac{1}{9} D^2 + \frac{1}{27} D^3 + \cdots \right) (x^3 - 2x)
\\ & = - \frac{1}{3} \left( (x^3 - 2x) + \frac{1}{3} D (x^3 - 2x) + \frac{1}{9} D^2 (x^3 - 2x) + \frac{1}{27} D^3 (x^3 - 2x) \right)
\\ & = - \frac{1}{3} \left( (x^3 - 2x) + \frac{1}{3} (3x^2 - 2) + \frac{1}{9} \cdot 6x + \frac{1}{27} \cdot 6 \right)
\\ & = - \frac{1}{3} \cdot \frac{1}{27} \left( 27x^3 - 54x +27x^2 - 18 + 18x + 6 \right)
\\ & = - \frac{1}{81} (27x^3 + 27x^2 - 36x - 12)
\\ & = - \frac{1}{3} x^3 - \frac{1}{3} x^2 + \frac{4}{9} x + \frac{4}{27}
\end{align*}\]と求められる。

 \frac{1}{a-D} を展開するパターン。今回は  f(x) = x^3 - 2x が3次の項なので、 D^3 まで考えればOK)

 

また、同次方程式\[
\frac{dy}{dx} - 3y = 0
\]の一般解は任意定数  C_1 を用いて\[
y = C_1 e^{3x}  \tag{2}
\]となる。

 

 

よって、一般解は(1), (2)の和で求められるので\[
y = C_1 e^{3x} - \frac{1}{3} x^3 - \frac{1}{3} x^2 + \frac{4}{9} x + \frac{4}{27}
\]となる。

 

解答4

微分方程式を演算子  D を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y + 4Dy + 4y & = (D^2 + 4D + 4)y 
\\ & = (D + 2)^2 y
\\ & = 2 \cos 4x
\end{align*} \]となる。

 

よって、特殊解は\[\begin{align*}
y = \color{deepskyblue}{ \frac{1}{D^2 + 4D + 4} 2 \cos 4x }
\end{align*}\]を計算すればよい。

 

ここで、\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 + 4D + 4} 2e^{4ix} & = \frac{1}{D^2 + 4D + 4} \left( 2 \cos 4x + 2i \sin 4x \right)
\\ & = \color{deepskyblue}{ \frac{1}{D^2 + 4D + 4} 2 \cos 4x } + i \frac{1}{D^2 + 4D + 4} 2 \sin 4x 
\end{align*} \]とできるので、上の計算の実部分が特殊解となる。

 

よって、\[\begin{align*}
\frac{1}{ \color{red}{D}^2 + 4 \color{red}{D} + 4 } 2e^{ \color{red}{4i}x } & = \frac{2}{ \color{red}{(4i)}^2 + 4 \cdot \color{red}{4i} + 4} e^{\color{red}{4i}x} 
\\ & = \frac{2}{-16+16i+4} e^{4ix}
\\ & = \frac{1}{2} \frac{1}{4i-3} e^{4ix}
\\ & = \frac{1}{2} \frac{4i+3}{ (4i-3)(4i+3) e^{4ix} }
\\ & = \frac{1}{2} \frac{4i+3}{-25} e^{4ix}
\\ & = - \frac{1}{50} (3+4i) ( \cos 4x + i \sin 4x )
\\ & = - \frac{1}{50} \left( 3 \cos 4x + 3i \sin 4x + 4i \cos 4x - 4 \sin 4x \right)
\\ & = \left( \color{deepskyblue}{ \frac{1}{25} \sin 4x - \frac{3}{50} \cos 4x} \right) + i \left( - \frac{3}{50} \sin 4x - \frac{2}{25} \cos 4x \right) 
\end{align*} \]と計算できるので、特殊解は\[\begin{align*}
y & = \color{deepskyblue}{ \frac{1}{D^2 + 4D + 4} 2 \cos 4x }
\\ & = \frac{1}{25} \sin 4x - \frac{3}{50} \cos 4x
\end{align*}\]となる。

(公式4-1を使っています。)

 

また、同次方程式\[
\frac{d^2y}{dx^2} + 4\frac{dy}{dx} + 4y = 0
\]の一般解は任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{-2x} + C_2 x e^{-2x}  \tag{2}
\]となる。

 

よって、一般解は(1), (2)の和で求められるので\[
y = C_1 e^{-2x} + C_2 x e^{-2x} +  \frac{1}{25} \sin 4x - \frac{3}{50} \cos 4x
\]となる。

 

解答5

微分方程式を演算子  D を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y - 4Dy + 3y & = (D^2 - 4D + 3)y 
\\ & = (D-1)(D-3) y
\\ & = x^2 e^{x}
\end{align*} \]となる。

 

よって、特殊解は\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{(D-1)(D-3)} x^2 e^{\color{red}{1}x}
\\ & = e^{\color{red}{1}x} \frac{1}{( (D+\color{red}{1}) - 1 ) ( (D+\color{red}{1}) - 3)} x^2
\\ & = e^x \frac{1}{D(D-2)} x^2
\\ & = - e^x \frac{1}{D} \frac{1}{2-D} x^2
\\ & = - \frac{1}{2} e^x \frac{1}{D} \left( 1 + \frac{1}{2} D + \frac{1}{4} D^2 + \cdots \right) x^2
\\ & = - \frac{1}{2} e^x \frac{1}{D} \left( x^2 + \frac{1}{2} D (x^2) + \frac{1}{4} D^2 (x^2) \right)
\\ & = - \frac{1}{2} e^x \frac{1}{D} \left( x^2 + \frac{1}{2} \cdot 2x + \frac{1}{4} \cdot 2 \right)
\\ & = - \frac{1}{8} e^x \frac{1}{D} \left( 4 x^2 + 4x + 2 \right)
\\ & = - \frac{1}{8} e^x \left( \frac{4}{3} x^3 + 2x^2 + 2x \right)  
\\ & =  - \frac{1}{12} e^x  \left( 2x^3 + 3x^2 + 3x \right)  
\end{align*} \]となる。

 

また、同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 4 \frac{dy}{dx} + 3y = 0
\]の一般解は任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{x} + C_2 x e^{3x}  \tag{2}
\]となる。

 

よって、一般解は(1), (2)の和で求められるので\[
y = C_1 e^{x} + C_2 x e^{3x} - \frac{1}{12} e^x  \left( 2x^3 + 3x^2 + 3x \right)  
\]となる。

 

解答6

微分方程式を演算子  D を用いて表すと、\[\begin{align*}
D^2 y - 6Dy + 5y & = (D^2 - 6D + 5)y 
\\ & = (D-1)(D-5) y
\\ & = e^x \sin x
\end{align*} \]となる。

 

よって、特殊解は\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{(D-1)(D-5)} e^{\color{red}{1} x} \sin x
\\ & = e^{\color{red}{1} x} \frac{1}{(D+\color{red}{1}-1)(D+\color{red}{1}-5)} \sin x
\\ & = e^x \frac{1}{D(D-4)} \sin x
\\ & = e^x \frac{1}{D^2 - 4D} \sin x
\end{align*} \]で求めることができる。

 

ここで、\[\begin{align*}
\frac{1}{\color{red}{D}^2 - 4 \color{red}{D}} e^{\color{red}{i}x} & = \frac{1}{\color{red}{i}^2 - 4 \color{red}{i}} e^{\color{red}{i}x}
\\ & = \frac{1}{-1-4i} e^{\color{red}{i}x}
\\ & = - \frac{1-4i}{(1+4i)(1-4i)} e^{ix}
\\ & = - \frac{1}{17} (1-4i) ( \cos x + i \sin x )
\\ & = - \frac{1}{17} ( \cos x + i \sin x - 4i \cos x + 4 \sin x )
\\ & = \left( - \frac{4}{17} \sin x - \frac{1}{17} \cos x \right) + i \left( \color{magenta}{ - \frac{1}{17} \sin x + \frac{4}{17} \cos x } \right)
\end{align*}\]となるので、\[
\frac{1}{D^2 - 4D} \sin x = - \frac{1}{17} \sin x + \frac{4}{17} \cos x
\]が成立する。

 

よって、特殊解は\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{(D-1)(D-5)} e^{\color{red}{1} x} \sin x
\\ & = e^x \frac{1}{D^2 - 4D} \sin x
\\ & = e^x \left( - \frac{1}{17} \sin x + \frac{4}{17} \cos x \right)
\\ & = - \frac{1}{17} e^x \sin x + \frac{4}{17} e^x \cos x
\end{align*} \]と求められる。

 

また、同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 6 \frac{dy}{dx} + 5y = 0
\]の一般解は任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{x} + C_2 x e^{5x}  \tag{2}
\]となる。

 

よって、一般解は(1), (2)の和で求められるので\[
y = C_1 e^{x} + C_2 x e^{5x} - \frac{1}{17} e^x \sin x + \frac{4}{17} e^x \cos x
\]となる。

 

解答7

微分方程式は、\[\begin{align*}
(D^3 + D^2 + D + 1)y & = (D+1)(D^2 + 1)y 
\\ & = (D+1)(D+i)(D-i)y 
\\ & = e^x
\end{align*} \]と変形できる。

(同次式の一般解を求めるために複素数範囲まで展開している)

 

よって、特殊解は\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{(\color{red}{D}+1)(\color{red}{D}^2+1)} e^{\color{red}{1}x}
\\ & = \frac{1}{(\color{red}{1}+1)(\color{red}{1}^2+1)} e^{\color{red}{1}x}
\\ & = \frac{1}{2 \cdot 2} e^{x}
\\ & = \frac{1}{4} e^x
\end{align*}\]と求められる。

 

また、同次方程式\[
(D^3 + D^2 + D + 1)y = 0
\]の一般解は任意定数  C_1,  C_2,  C_3 を用いて\[
y = C_1 e^{-x} + C_2 \sin x + C_3 \cos x  \tag{2}
\]となる。

 

よって、一般解は(1), (2)の和で求められるので\[
y = C_1 e^{-x} + C_2 \sin x + C_3 \cos x + \frac{1}{4} e^x
\]となる。

 

解答8

微分方程式は、\[\begin{align*}
(D^3 + 4D)y & = D(D^2 + 4)y 
\\ & = D(D+2i)(D-2i)y 
\\ & = \cos 2x
\end{align*} \]と変形できる。

(同次式の一般解を求めるために複素数範囲まで展開している)

 

 

よって、特殊解は\[\begin{align*}
y & = \frac{1}{D(D^2+4)} \cos 2x
\\ & = \frac{1}{D} \frac{1}{D^2 + \color{red}{2}^2} \cos \color{red}{2} x
\\ & = \frac{1}{D} \frac{1}{2 \cdot \color{red}{2}} x \sin \color{red}{2} x
\\ & = \frac{1}{4} \frac{1}{D} x \sin 2x
\\ & = \frac{1}{4} \int x \sin 2x \ dx
\\ & = \frac{1}{4} \left( - \frac{1}{2} x \cos 2x + \frac{1}{4} \sin 2x \right)
\\ & = - \frac{1}{8} x \cos 2x + \frac{1}{16} \sin 2x
\end{align*}\]と求められる。

 

[確認]

\[\begin{align*}
\frac{1}{D^2 + 4} e^{\color{red}{2i}x} = \frac{1}{(\color{red}{2i})^2 + 4)} e^{\color{red}{2i}x}
\end{align*}\]とすると、分母が0になるのでこの公式(公式4-1)は使えない。

 

また、同次方程式\[
D(D^2 + 4) y = 0
\]の一般解は任意定数  C_1,  C_2,  C_3 を用いて\[
y = C_1 + C_2 \sin 2x + C_3 \cos 2x  \tag{2}
\]となる。

 

よって、一般解は(1), (2)の和で求められるので\[
y = C_1 + C_2 \sin 2x + C_3 \cos 2x - \frac{1}{8} x \cos 2x + \frac{1}{16} \sin 2x
\]となる。

なお、\[\begin{align*}
C_2 \sin 2x + \frac{1}{16} \sin 2x & = \left( C_2 + \frac{1}{16} \right) \sin 2x
\\ & = C_4 \sin 2x
\end{align*}\]と任意定数を書き換えて、\[
y = C_1 + C_4 \sin 2x + C_3 \cos 2x - \frac{1}{8} x \cos 2x 
\]を一般解としてもOK。

 

解答9

2式目の両辺を  D-1 倍すると、\[
2(D-1)x + (D-1)(D+2)y = 0 \tag{1}
\]となる。

ここから1式目\[
(D-1)x + 3y = 0 \tag{2}
\]を2倍したものを引く(式(1) - 式(2)×2)と、\[\begin{align*}
& 2(D-1)x + (D-1)(D+2)y - 2 \left( (D-1)x + 5y \right)
\\ = \ & (D^2+D-12)y 
\\ = \ & (D-3)(D+4)y
\end{align*}\]と変形できるので、微分方程式を\[
(D-3)(D+4) y  = 0
\]と変形できる。

よって、 y の一般解は任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{3t} + C_2 e^{-4t}
\]と変形できる。

 

また、2式目を変形すると、\[
2x = -(D+2)y \\
x = - \frac{1}{2} Dy - y
\]となるので、 x の一般解は\[\begin{align*}
x & = - \frac{1}{2} D (C_1 e^{3t} + C_2 e^{-4t}) - (C_1 e^{3t} + C_2 e^{-4t})
\\ & = - \frac{1}{2} (3C_1 e^{3t} - 4 C_2 e^{-4t}) - (C_1 e^{3t} + C_2 e^{-4t})
\\ & = - \frac{5}{2} C_1 e^{3t} + C_2 e^{-4t}
\end{align*}\]と求められる。

 

よって、 x,  y の一般解は\[
\left\{ \begin{array}{l} x = - \frac{5}{2} C_1 e^{3t} + C_2 e^{-4t}  \\ y = C_1 e^{3t} + C_2 e^{-4t}  \end{array}\right.
\]となる。

 

解答10

1式目の両辺を  D 倍すると、\[
D(D-2)x + Dy = D t^2 \\
(D^2 - 2D)x + Dy = 2t \tag{1}
\]となる。

ここから2式目\[
x - Dy = 3t-1 \tag{2}
\]を足す(式(1) + 式(2))と、\[\begin{align*}
(D^2 - 2D)x + Dy + x - Dy = 2t + 3t - 1 \\
(D^2 - 2D + 1)x = 5t - 1
\end{align*}\]と変形できるので、微分方程式を\[
(D-1)^2 x = 5t + 1
\]と変形できる。

 

ここで、\[
\frac{1}{1-x} = 1 + x + x^2 + x^3 + \cdots
\]を微分すると、\[
\frac{1}{(1-x)^2} = 1 + 2x + 3x^2 + 4x^3 + \cdots
\]が成り立つので、\[
\frac{1}{(1-D)^2} = 1 + 2D + 3D^2 + 4D^3 + \cdots
\]も成立する。

 

ここで、 x の特殊解は\[\begin{align*}
x & = \frac{1}{(D-1)^2} (5t-1)
\\ & = \frac{1}{(1-D)^2} (5t-1)
\\ & = \left( 1 + 2D + \cdots + \right) (5t-1)
\\ & = (5t-1) + 2D (5t-1)
\\ & = (5t-1) + 2 \cdot 5
\\ & = 5t + 9
\end{align*}\]と計算できる。

また、同次式\[
(D-1)^2 x = 0
\]の一般解は、任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
C_1 e^{t} + C_2 t e^{t}
\]となるので、 x 一般解は特殊解と同次式の一般解の和、つまり\[
x = C_1 e^{t} + C_2 t e^{t} + 5t + 9
\]となる。

 

 

また、1式目を変形すると、\[
y = t^2 - (D-2)x
\]となるので、 y の一般解は\[\begin{align*}
y & = t^2 - (D-2)x
\\ & = t^2 - Dx + 2x
\\ & = t^2 - D (C_1 e^{t} + C_2 t e^{t} + 5t + 9) + 2(C_1 e^{t} + C_2 t e^{t} + 5t + 9)
\\ & = t^2 - (C_1 e^{t} + C_2 e^{t} + C_2 t e^{t} + 5) + 2C_1 e^{t} + 2 C_2 t e^t + 10t + 18)
\\ & =  C_1 e^{t} + C_2 t e^{t} - C_2 e^t + t^2 + 10t + 13
\\ & = C_1 e^{t} + C_2 e^t (t-1) + t^2 + 10t + 13
\end{align*}\]と求められる。

 

よって、 x,  y の一般解は\[
\left\{ \begin{array}{l} x = C_1 e^{t} + C_2 t e^{t} + 5t + 9  \\ y = C_1 e^{t} + C_2 e^t (t-1) + t^2 + 10t + 13  \end{array}\right.
\]となる。

 

9.さいごに

今回は、

  • 微分演算子ってなに?
  • 微分演算子を用いた特殊解の求め方

について説明しました。

 

次回からは、ラプラス変換を用いた微分方程式の求め方について説明する予定です。

(いよいよ最終回が近づいてきました)

*1:\[
k^2 - 3k + 2 = (k-1)(k-2) =  0
\]のような特性方程式を解くかわりに、微分演算子の変形\[
(D-1)(D-2)y = 0
\]をすることで特性方程式を解かなくても微分方程式の一般解の形は予想できるので省略しています。( k D に変わっているだけ)