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こんにちは、ももやまです。
今回から3回に分けて双曲線関数についてみていきましょう。
双曲線関数の初回となる今回は、下の赤い部分について解説をしていきます。
- 双曲線関数ってなに?
- 双曲線関数のグラフ
- 双曲線関数の基本変形公式
- 双曲線関数の加法定理
- 双曲線関数の2倍角・3倍角公式
- 双曲線関数の積和公式
- 双曲線関数の微分
- 双曲線関数の積分
- 双曲線関数のマクローリン展開
- 双曲線関数の逆関数
目次 [hide]
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1. 双曲線関数ってなに??
(1) 双曲線関数が出てくるまで
[復習] 三角関数の定義
三角関数の

(オレンジ色部分の面積は
ここで、
また、
双曲線関数の定義
ここからが大学数学で出てくる新たな概念、双曲線関数の定義の説明に入ります。
まず、双曲線の中でも最も基本的な形

この単位双曲線上のある点

さらにこの
ただし、三角関数のように

また、双曲線関数には
三角関数の公式
単位双曲線
このときに出てくる
※ 定義より、必ず
また、双曲線関数には
※ これ以降双曲線関数は
(2) 定義式の書き変え(この形で覚えよう)
そこで、双曲線関数
さらに、
※ 一番上の形で覚えてから、残り3つは都度導出することをお勧めします。
(3) 練習問題にチャレンジ
ここで、双曲線関数に関する練習問題を1問解いてみましょう。
[解説1]
定義式
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2. 双曲線関数のグラフ
次に、双曲線関数
赤色 →
青色 →
緑色 →
※ 偶関数は、
奇関数は、原点対称のグラフで、
グラフの形の導出方法
微分をし、増減表を書くことで
sinh x のグラフ
すると、
を満たすような は、 となる。よって、 は変曲点。 のとき、 を満たす。よって、 も満たすため、下に凸となる。-
のとき、 を満たす。よって、 も満たすため、上に凸となる。
となる。
また、
よって、増減表は下のようになる。

増減表より、
cosh x のグラフ
すると、
を満たすような は、 となる。よって、 は極値。 のとき、 を満たす。よって、 も満たすため、この部分では単調増加。-
のとき、 を満たす。よって、 も満たすため、この部分では単調減少。
となる。
[また、
よって、増減表は下のようになる。

増減表より、
tanh x のグラフ
ここで、
となるので、
ここで、
ここで、
を満たすような は、両辺を 倍し、 とすることで と求められる。よって、 は変曲点。 のとき、 となるので を満たす。よって、 となるため、この部分では上に凸。 のとき、 となるので を満たす。よって、 となるため、この部分では下に凸。
また、
よって、増減表は下のようになる。

増減表より、
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3. 双曲線関数の基本変形公式
ここでは、双曲線関数
※ 色がついている部分が三角関数と微妙に違う部分です。
3番目の公式のみ、導出方法を載せておきます。
練習問題にチャレンジ
ここで、双曲線関数の基本変形についての練習問題を解いてみましょう。
次の(1), (2) の問いに答えなさい。
(1)
(2)
[解答]
(1)
基本公式
この式に
よって、
ここで、
また、
(2)
基本公式
よって、\[
ここで、
さらに、基本公式
ここで、
4. 双曲線関数の加法定理
続いて加法定理を見ていきましょう。
加法定理は、この後の公式(2倍角、3倍角、半角)などのベースとなる公式の上に、導出がめんどくさいので覚えてしまいましょう。
ただし、三角関数と基本的には似ていますが一部符号が異なる部分があるので注意です。
[証明]
[1]手順としては、
の公式を適用- 加法定理で
, を分解する - 分子分母
で割る
で証明が可能です。
[6]5. 双曲線関数の2倍角公式
加法定理から簡単に導けるので覚える必要はありません。聞かれたら加法定理からその場で導出しましょう。
加法定理
すると、
加法定理
すると、
さらに、
加法定理
6. 双曲線関数の3倍角公式
加法定理と2倍角の公式から導ける上に出てくる頻度がめったにないので覚える必要はありません。聞かれたら加法定理からその場で導出しましょう。
※
加法定理
さらに、倍角の公式、双曲線関数の基本変形公式
すると、
加法定理
さらに、倍角の公式、双曲線関数の基本変形公式
すると、
加法定理
さらに、倍角の公式
すると、
7. 双曲線関数の積和公式
積分をするときにもしかしたら使うかもしれない公式ですが、加法定理から導出できるので導出方法だけ確認しておきましょう。
※ 4番目の公式のみ、三角関数の積和公式と符号が微妙に異なるため要注意。
※




※ 練習問題は、補充編1-2(双曲線関数の微分積分編)で積分と共に出したいと思います。
8. さいごに
今回は、双曲線関数の中でも定義や基本的な公式を中心に解説をしていきました。
色々と説明しましたが、特に覚えていてほしいのは、
- 双曲線関数の定義式(
を用いた形) - 双曲線関数のグラフの概形
- 双曲線関数の基本公式
- 双曲線関数の加法定理
の4つです。
この4種類の式は下にまとめているので、テスト前に見返す際などにご利用ください。
[定義式]
[グラフの概形]
赤色 →
青色 →
緑色 →
[基本公式]
[加法公式]
次回(補充編1-2)では、双曲線関数の微分、積分、マクローリン展開について解説をしていきたいと思います。それではまた次回。
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