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工業大学生ももやまのうさぎ塾

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うさぎでもわかる微分方程式 Part08 未定係数法を用いた定数係数線形微分方程式の特殊解の求め方

こんにちは、ももやまです。

前回は同次式の定数係数2階(n階)線形微分方程式について説明していきました。

 

今回は、非同次の定数係数線形微分方程式の4つの解き方

の中でも「未定係数法」を用いた方法について説明していきたいと思います。

未定係数法を含む残りの3つの方法の長所・短所も載せておくので、特殊解をどう求めようか迷った人はご覧ください。

f:id:momoyama1192:20200501171210j:plain

 

 

前回の微分方程式の記事はこちら!

www.momoyama-usagi.com

オイラー微分方程式に関する記事です。

 

1.非同次式と特殊解

まずは、非同次式微分方程式の一般解がどのような形であったかを確認しましょう。

2階の非同次の線形微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + a \frac{dy}{dx} + b = R(x)
\]の一般解は、

  • 同次方程式の一般解( R(x) =0 のときの一般解)
  • 非同次方程式を満たす1つの特殊解(なんでもいい)

2つの和で構成されています。

f:id:momoyama1192:20200411191930g:plainつまり、同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + a \frac{dy}{dx} + b = 0
\]の一般解を求め、さらに\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + a \frac{dy}{dx} + b = R(x)
\]を満たすような特殊解  y1つ求めることで非同次方程式の一般解を求めることができます。

 

なお、n階の非同次定数係数線形微分方程式\[
a_n \frac{d^n y}{dx^n} + a_{n-1} \frac{d^{n-1} y}{dx^{n-1}} + \cdots + a_1 \frac{dy}{dx} + y = R(x)
\]の場合も、2階のときと同じように同次方程式\[
a_n \frac{d^n y}{dx^n} + a_{n-1} \frac{d^{n-1} y}{dx^{n-1}} + \cdots + a_1 \frac{dy}{dx} + y = 0
\]の一般解と「非同次方程式の特殊解1つ」の和で一般解を求めることができます。

 

2.未定係数法とは

特殊解の求め方には、大まかにわけて

  • 未定係数法
  • 定数変化法
  • 微分演算子法

の3パターンあります。

今回は微分方程式の右辺  R(x) の部分から、特殊解の形を予測、仮定し、予想した特殊解の形を実際に代入することで、係数部分を求める未定係数法について説明していきたいと思います。

 

では、実際に未定係数法を用いて特殊解を求める流れを例題で説明していきたいと思います。

例題1

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 3 \frac{dy}{dx} + 2y = 4x
\]について次の問いに答えなさい。

 

(1) 同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 3 \frac{dy}{dx} + 2y = 0
\]の一般解を求めなさい。(復習)

(2)  y = ax + b とおくことで特殊解を1つ見つけ、微分方程式の一般解を求めなさい。

解答1

(1)

これは復習ですね。

特性方程式\[
k^2 - 3k + 2 = 0
\]から、\[
(k-1)(k-2) = 0
\]とし、 k = 1, 2 となるので、任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^x + C_2 e^{2x}
\]と表せます。

 

(2)

問題文の通り、 y = ax + b とおいてみましょう。

すると、\[
\frac{dy}{dx} = a, \ \ \ \frac{d^2 y}{dx^2} = 0
\]となりますね。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
0 - 3a + 2(ax+b) = 4x \\
2ax + (2b-3a) = 4x
\]となります。よって、\[
\left\{\begin{array}{l} 2a = 4 \\[4px] -3a + 2b = 0 \end{array}\right.
\qquad \therefore \quad \left\{\begin{array}{l} \displaystyle a = 2 \\ \displaystyle b =  3\end{array}\right.
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = 2x + 3
\]とわかります。

 

よって、非同次方程式の一般解は、「同次方程式の一般解」と「特殊解の1つの和」で表されるので、\[
y = C_1 e^x + C_2 e^{2x} + 2x + 3
\]となる。

このように右辺  R(x) が多項式となっている場合、多項式の次数に合わせて特殊解を仮定します。

例1: R(x) = 4 → 定数なので  y = a と仮定
例2: R(x) = -6x + 4 → 1次の式なので  y = ax + b と仮定
例3: R(x) = 2x^2 + 1 → 2次の式なので  y = ax^2 + bx + c と仮定

 

多項式を微分しても次数は増えることがない(というか必ず1つ減る)ため、 R(x) の次数がそのまま特殊解の次数となります*1

例題2 右辺が e^kx の場合

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - \frac{dy}{dx} - 2y = e^{3x}
\]について次の問いに答えなさい。

 

(1) 同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - \frac{dy}{dx} - 2y = 0
\]の一般解を求めなさい。(復習)

(2) 特殊解を1つ見つけ、微分方程式の一般解を求めなさい。

解説2

(1)

これは復習ですね。

特性方程式\[
k^2 - k - 2 = 0
\]から、\[
(k-2)(k+1) = 0
\]とし、 k = 2, -1 となるので、任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{2x} + C_2 e^{-x}
\]と表せます。

 

(2)

 e^{kx} を微分しても、 e^{kx} の形は崩れませんよね。

(微分していくと  k e^{kx},  k^2 e^{kx}, … となる)

 

そこで、右辺が  R(x) = e^{kx} の場合は、 y = a e^{kx} とおきます

今回は、 R(x) = e^{3x} なので、 y = a e^{3x} とおきましょう。

 

すると、\[
\frac{dy}{dx} = 3a e^{3x}, \ \ \ \frac{d^2 y}{dx^2} = 9a e^{3x}
\]となりますね。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
9a e^{3x} - 3a e^{3x} - 2a e^{3x} = e^{3x} \\
4a e^{3x} = e^{3x} 
\]となります。よって、\[
a = \frac{1}{4}
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = \frac{1}{4} e^{3x}
\]とわかります。

 

よって、非同次方程式の一般解は、「同次方程式の一般解」と「特殊解の1つ」の和で表されるので、\[
y = C_1 e^{2x} + C_2 e^{-x} + \frac{1}{4} e^{3x}
\]となります。

 

例題3 右辺が e^kx かつ同次方程式に基本解が含まれている場合

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - \frac{dy}{dx} - 6y = e^{3x}
\]について次の問いに答えなさい。

 

(1) 同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - \frac{dy}{dx} - 6y = 0
\]の一般解を求めなさい。(復習)

(2) 特殊解を1つ見つけ、微分方程式の一般解を求めなさい。

解説3

(1)

さすがに慣れてきたでしょう。

特性方程式\[
k^2 - k - 6 = 0
\]から、\[
(k-3)(k+2) = 0
\]とし、 k = 3, -2 となるので、任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{3x} + C_2 e^{-2x}
\]と表せます。

 

(2)

ダメな例

 e^{kx} 型なので、 y = a e^{3x} とおきます。

すると、\[
\frac{dy}{dx} = 3a e^{3x}, \ \ \ \frac{d^2 y}{dx^2} = 9a e^{3x}
\]となりますね。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
9a e^{3x} - 3a e^{3x} - 6a e^{3x} = e^{3x} \\
0 = e^{3x} 
\]

( ̄ー ̄?).....??ありゃ??

意味の分からない数式  0 = e^{3x} が出てしまいました。

 

実は、 y = a e^{3x} とおいてしまうと、一般解は\[
y = C_1 \color{red}{e^{3x}} + C_2 e^{-2x} + a \color{red}{e^{3x}}
\]のように、同次形の基本解の  e^{3x} と相殺されてしまい、\[
y = C_1 e^{3x} + C_2 e^{-2x}
\]となってしまいます。

 

正しい例

そこで、 e^{kx} 以外で、微分しても  e^{kx} の形が崩れない関数として、 xe^{kx} を考えます。

今回の微分方程式の場合、 R(x) = e^{3x} なので、 y = a xe^{3x} とおきます。

すると、\[
\frac{dy}{dx} = ae^{3x} + 3ax e^{3x} \]
\[\begin{align*}
\frac{d^2 y}{dx^2} & = 3a e^{3x} + 3a e^{3x} + 9ax e^{3x}
\\ & = 6a e^{3x} + 9axe^{3x}
\end{align*}\]となりますね。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
6a e^{3x} + 9axe^{3x} - (ae^{3x} + 3ax e^{3x}) - 6ax e^{3x} = e^{3x} \\
(9a-3a-6a)xe^{3x} + (6a-a) e^{3x} = e^{3x} \\
5a e^{3x} = e^{3x}
\]となり、うまく左辺の  xe^{3x} の項が消えてくれます。\[
5a = 1
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = \frac{1}{5} x e^{3x}
\]とわかります。

よって、非同次方程式の一般解は、同次方程式の一般解と特殊解の1つの和で表されるので、\[
y = C_1 e^{3x} + C_2 e^{-2x} + \frac{1}{5} x e^{3x}
\]となります。

 

例題4 右辺が sin kx / cos kx の形の場合

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 5 \frac{dy}{dx} + 6y = \sin x
\]について次の問いに答えなさい。

 

(1) 同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 5 \frac{dy}{dx} + 6y = 0
\]の一般解を求めなさい。(復習)

(2) 特殊解を1つ見つけ、微分方程式の一般解を求めなさい。

 

解説4

(1)

これは復習ですね。

特性方程式\[
k^2 - 5k + 6 = 0
\]から、\[
(k-2)(k-3) = 0
\]とし、 k = 2, 3 となるので、任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{2x} + C_2 e^{3x}
\]と表せます。

 

(2)

 \sin kx を微分していくと、 k \cos kx,   -k^2 \sin kx,  -k^3 \cos kx,  k^4 \sin kx, … と「 \sin kx \cos kx の形」になりますね。

 

そこで、右辺が  R(x) = \sin kx もしくは  R(x) = \cos kx の場合は、 y = a \sin kx + b \cos kx とおきます

今回は、 R(x) = \sin x なので、 y = a \sin x + b \cos x とおきましょうか。

 

すると、\[
\frac{dy}{dx} = a \cos x - b \sin x \\
\frac{d^2 y}{dx^2} = - a \sin x - b \cos x
\]となりますね。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
- a \sin x - b \cos x - 5(a \cos x - b \sin x) + 6 (a \sin x + b \cos x) = \sin x \\
(-a + 5b + 6a) \sin x + (-b -5a + 6b) \cos x = \sin x \\
(5a + 5b) \sin x + (-5a + 5b) \cos x = \sin x 
\]となります。

よって、\[
\left\{\begin{array}{l} 5a + 5b = 1 \\[4px] -5a + 5b = 0 \end{array}\right.
\qquad \therefore \quad \left\{\begin{array}{l} \displaystyle a = \frac{1}{10} \\ \displaystyle b = \frac{1}{10} \end{array}\right.
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = \frac{1}{10} \sin x + \frac{1}{10} \cos x
\]とわかります。

 

よって、非同次方程式の一般解は、「同次方程式の一般解」と「特殊解の1つの和」で表されるので、\[
y = C_1 e^{2x} + C_2 e^{3x} +  \frac{1}{10} \sin x + \frac{1}{10} \cos x
\]となります。

 

なお、右辺が\[ R(x) = \sin kx + \cos kx\]のように  \sin kx \cos kx が両方含まれていた場合でも、\[
R(x) = a \sin kx + b \cos kx
\]とおくことで特殊解を求められます。

例題5 右辺が sin kx / cos kx かつ同次方程式に基本解が含まれている場合

あまりないパターンですが、念のためやっておきましょう。

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + y = \sin x
\]について次の問いに答えなさい。

 

(1) 同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + y = 0
\]の一般解を求めなさい。(復習)

(2) 特殊解を1つ見つけ、微分方程式の一般解を求めなさい。

 

解説5

(1)

特性方程式\[
k^2 + 1 = 0
\]から、\[
(k+i)(k-i) = 0
\]とし、 k = \pm i となるので、任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 \sin x + C_2 \cos x
\]と表せます。

 

(2)

 R(x) = \sin x なので、 y = a \sin x + b \cos x とおきたくなりますが、同次方程式の基本解が  \sin x,  \cos x なので、そのままおいてしまうと、一般解\[
y = C_1 \sin x + C_2 \cos x + a \sin x + b \cos x
\]の  C_1 \sin x C_2 \cos x に相殺されてしまいます。

 

そこで、微分しても  \sin kx /  \cos kx の形が崩れないように、特殊解を\[
y = a x \sin x + b x \cos x
\]とおきます。すると、\[\begin{align*}
\frac{dy}{dx} & = a \sin x + ax \cos x + b \cos x - bx \sin x
\\ & = (a-bx) \sin x + (ax + b) \cos x
\end{align*} \]\[\begin{align*}
\frac{dy}{dx} & = a \sin x + ax \cos x + b \cos x - bx \sin x
\\ & = (a-bx) \sin x + (ax + b) \cos x
\end{align*} \]\[\begin{align*}
\frac{d^2y}{dx^2} & = -b \sin x + (a-bx) \cos x + a \cos x - (ax + b) \sin x
\\ & = (-b-ax-b)\sin x + (a-bx+a) \cos x
\\ & = (-ax-2b) \sin x + (2a - bx) \cos x
\end{align*} \]となるので、代入すると、\[
(-ax-2b) \sin x + (2a - bx) \cos x + a x \sin x + b x \cos x = \sin x \\
-2b \sin x + 2a \cos x = \sin x
\]となります。

よって、\[
\left\{\begin{array}{l} -2b = 1 \\[4px] 2a = 0 \end{array}\right.
\qquad \therefore \quad \left\{\begin{array}{l} \displaystyle a = 0 \\ \displaystyle b = - \frac{1}{2} \end{array}\right.
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = - \frac{1}{2} x \cos x
\]とわかります。

 

よって、非同次方程式の一般解は\[
y = C_1 \sin x + C_2 \cos x - \frac{1}{2} x \cos x
\]となります。

 

 

ここで、特殊解のおき方をまとめておきましょう。

 

非同次の定数係数線形微分方程式\[
a_n \frac{d^n y}{dx^n} + a_{n-1} \frac{d^{n-1} y}{dx^{n-1}} + \cdots + a_1 \frac{dy}{dx} + y = R(x)
\]の特殊解のおきかたのコツ

 

(1)  R(x) が多項式の場合

→ 特殊解を  R(x) の次数に合わせて特殊解を仮定

例1: R(x) が1次なら  ax + b
例2: R(x) が3次なら  ax^3 + bx^2 + cx + d

 

(2)  R(x) = e^{kx} の形の場合

→ 特殊解を  ae^{kx} とおく

→ ただし、 e^{kx} が同次方程式の基本解に含まれていれば  x 倍して  axe^{kx} とおく

 xe^{kx} も同次方程式の基本解に含まれていれば、さらに  x 倍して  ax^2 e^{kx} とおく。

→ (以下略)

 

(3)  R(x) = \sin kx + \cos kx の形の場合
 R(x) \sin kx,  \cos kx 単品でもOK) 

→ 特殊解を  a \sin kx + b \cos kx とおく

→ ただし、 \sin kx もしくは  \cos kx が同次方程式の基本解に含まれていれば  x 倍して  ax \sin kx + bx \cos kx とおく

→ さらに、 x \sin kx もしくは  x \cos kx も同次方程式の基本解に含まれていれば、さらに  x 倍して  ax^2 \sin kx + bx^2 \cos kx とおく

(以下略)

未定係数法による特殊解のおき方

未定係数法は、

  • 特殊解の形の予想が容易
  • 定数係数線形微分方程式である

場合にしか使えませんが、次回紹介する定数変化法、微分演算子法に比べて単純かつ簡単に特殊解を求めることができます。

 

3.オイラー微分方程式への適用(応用)

前回同次式のオイラー微分方程式\[
x^2 \frac{d^2 y}{dx^2} + ax \frac{dy}{dx} + b = 0
\]を定数係数2階線形微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dt^2} + \frac{dy}{dt} + b = 0
\]にして解く方法を説明しましたね。

(オイラー微分方程式について興味がある人はこちらをご覧ください!)

 

オイラー微分方程式の場合でも、定数係数2階線形微分方程式に変形してあげることで未定係数法を適用させることができます。

 

1問だけ例題で説明しましょう。

例題6

微分方程式\[
x^2 \frac{d^2 y}{dx^2} - 3 \frac{dy}{dx} + 4y = x^3
\]について、次の問いに答えなさい。

(1)  x = \log t とおき、定数係数2階線形微分方程式の形にしなさい。

(2) (1)で求めた微分方程式の一般解を求めなさい。

(3) 与えられた微分方程式の一般解を求めなさい。

解説6

(1) 

 x = e^t、つまり  t = \log x とおくことで、\[
\frac{d^2 y}{dt^2} - 4 \frac{dy}{dt} + 4y = \left( x^3 \right)^t = e^{3t}
\]と定数係数2階微分方程式にすることができる。

 

(2)

まず同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dt^2} - 4 \frac{dy}{dt} + 4y = 0
\]の一般解を求める。特性方程式は、\[
k^2 - 4k + 4 = 0
\]となるので、\[\begin{align*}
(k-2)^2 = 0
\end{align*}\]とすることで  k = 2 の2重解となり、同次方程式の一般解は任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{2t} + C_2 t e^{2t} 
\]となる。

 

つぎに、特殊解を1つ探す。

右辺が  R(x) = e^{3t} e^{kt} の形になっているため、特殊解を\[
y = a e^{3t}
\]とおく。

すると、\[
\frac{dy}{dx} = 3a e^{3t}, \ \ \ \frac{d^2 y}{dx^2} = 9ae^{3t}
\]となる。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
9 ae^{3t} - 12 a e^{3t} + 4a e^{3t}  \\
a e^{3t} = e^{3t}
\]となります。よって、\[
a = 1
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = e^{3t}
\]と求められる。

 

よって、非同次方程式の一般解は\[
y = C_1 e^{2t} + C_2 t e^{2t} + e^{3t}
\]となる。

 

(3)

 t = \log x を代入することで、 y = y(x) の形に戻す。

よって、\[
x^2 \frac{d^2 y}{dx^2} - 3 \frac{dy}{dx} + 4y = x^3
\]の一般解は、\[\begin{align*}
y & = C_1 e^{2t} + C_2 t e^{2t} + e^{3t}
\\ & = C_1 e^{2 \log x} + C_2 \log x e^{2 \log x} + e^{3 \log x}
\\ & = C_1 e^{\log x^2} + C_2 \log x e^{\log x^2} + e^{\log x^3}
\\ & = C_1 x^2 + C_2 x^2 \log x + x^3
\end{align*}\]と求められる。

 

このように、定数係数線形微分方程式ではなかった場合でも、(2階の)オイラーの微分方程式であれば、定数係数におきかえることで未定係数法を適用することができます。

4.練習問題

では、実際に5問ほど練習してみましょう。

なお、オイラーの微分方程式は練習問題には入れていません。

練習1

微分方程式\[
\frac{dy}{dx} - 3y = e^x
\]の一般解を求めなさい。

(定数変化法を使わずに解いてみましょう。)

練習2

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + \frac{dy}{dx} - 2y = x^2
\]の一般解を求めなさい。

練習3

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + 2 \frac{dy}{dx} + 5y = e^{5x}
\]の一般解を求めなさい。

練習4

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 6 \frac{dy}{dx} + 9y = e^{3x}
\]の一般解を求めなさい。

練習5

微分方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + 4 \frac{dy}{dx} + 4y = \cos 2x
\]の一般解を求めなさい。

練習6

微分方程式\[
\frac{d^3 y}{dx^3} - 2 \frac{d^2 y}{dx^2} - 5 \frac{dy}{dx} + 6y = 3x^2 - 5x + 6
\]の一般解を求めなさい。

 

5.練習問題の答え

解答1

まず同次方程式\[
\frac{dy}{dx} - 3y = 0
\]の一般解を求める。特性方程式は、\[
k - 3 = 0
\]となるので、 k = 3 となり、同次方程式の一般解は任意定数  C を用いて\[
y = C e^{3x}
\]となる。

 

つぎに、特殊解を1つ探す。

右辺が  R(x) = e^x e^{kx} の形になっているため、特殊解を\[
y = ae^x
\]とおく。

(このとき  e^{x} が基本解に含まれていないかどうかを必ず確認すること!!)

 

すると、\[
\frac{dy}{dx} = a e^x
\]となる。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
a e^x - 3a e^x = e^{3x} \\
-2a e^x = e^{3x} 
\]となります。よって、\[
a = - \frac{1}{2}
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = - \frac{1}{2} e^x
\]と求められる。

 

よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、\[
y = C e^{3x} - \frac{1}{2} e^x
\]が答え。

解答2

まず同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + \frac{dy}{dx} - 2y = 0
\]の一般解を求める。特性方程式は、\[
k^2 + k - 2 = 0
\]となるので、\[
(k+2)(k-1) = 0 
\]とすることで  k = 1, -2 となり、同次方程式の一般解は任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{x} + C_2 e^{-2x}
\]となる。

 

つぎに、特殊解を1つ探す。

右辺が  R(x) = x^2 となっているため、特殊解を\[
y = ax^2 + bx + c
\]とおく。

すると、\[
\frac{dy}{dx} = 2ax + b, \ \ \ \frac{d^2 y}{dx^2} = 2a
\]となる。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
2a + (2ax + b) - 2(a x^2 + bx + c) = x^2 \\
-2ax^2 + (2a-2b)x + (2a + b - 2c) = x^2
\]となります。よって、\[
\left\{\begin{array}{l} -2a = 1 \\ 2a - 2b = 0 \\ 2a + b - 2c = 0 \end{array}\right.
\qquad \therefore \quad \left\{\begin{array}{l} \displaystyle a = - \frac{1}{2} \\ \displaystyle b = - \frac{1}{2} \\ \displaystyle c = - \frac{3}{4} \end{array}\right.
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = - \frac{1}{2} x^2 - \frac{1}{2} x - \frac{3}{4}
\]と求められる。

 

よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、\[
y = C_1 e^{x} + C_2 e^{-2x} - \frac{1}{2} x^2 - \frac{1}{2} x - \frac{3}{4}
\]が答え。

 

解答3

まず同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + 2 \frac{dy}{dx} + 5y = 0
\]の一般解を求める。特性方程式は、\[
k^2 + 2k + 5 = 0
\]となるので、\[\begin{align*}
k & = \frac{-2 \pm \sqrt{1-5}}{2}
\\ & = -1 \pm 2i 
\end{align*}\]とすることで  k = -1 \pm 2i となり、同次方程式の一般解は任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{-x} \sin 2x + C_2 e^{-x} \cos 2x
\]となる。

 

つぎに、特殊解を1つ探す。

右辺が  R(x) = e^{5x} e^{kx} の形になっているため、特殊解を\[
y = a e^{5x}
\]とおく。

(このとき  e^{5x} が基本解に含まれていないかどうかを必ず確認すること!!)

 

すると、\[
\frac{dy}{dx} = 5a e^{5x}, \ \ \ \frac{d^2 y}{dx^2} = 25 ae^{5x}
\]となる。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
25 ae^{5x} + 2 \cdot 5a e^{5x} + 5 a e^{5x} = e^{5x} \\
40 a e^{5x} = e^{5x}
\]となります。よって、\[
a = \frac{1}{40}
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = \frac{1}{40} e^{5x}
\]と求められる。

 

よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、\[
y = C_1 e^{-x} \sin 2x + C_2 e^{-x} \cos 2x + \frac{1}{40} e^{5x}
\]が答え。

 

解答4

まず同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} - 6 \frac{dy}{dx} + 9y = e^{3x}
\]の一般解を求める。特性方程式は、\[
k^2 - 6k + 9 = 0
\]となるので、\[
(k-3)^2 = 0
\]とすることで k = 3(2重解)となり、同次方程式の一般解は任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{3x} + C_2 x e^{3x}
\]となる。

 

つぎに、特殊解を1つ探す。

右辺が  R(x) = e^{3x} となっているため、特殊解を\[
y = ae^{3x}
\]とおきたいが、 e^{3x},  x e^{3x} も同次方程式の基本解となっているので、特殊解を\[
y = a x^2 e^{3x}
\]とおく。

すると、\[
\frac{dy}{dx} = 2ax e^{3x} + 3a x^2 e^{3x} 
\]

\[\begin{align*}
\frac{d^2 y}{dx^2} & = 2a e^{3x} + 6ax e^{3x} + 6ax e^{3x} + 9a x^2 e^{3x}
\\ & = 2a e^{3x} + 12a x e^{3x} + 9a x^2 e^{3x}
\end{align*} \]となる。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
2a e^{3x} + 12a x e^{3x} + 9a x^2 e^{3x} - 6(2ax e^{3x} + 3a x^2 e^{3x} ) + 9a x^2 e^{3x} = e^{3x} \\
(9a-18a+9a) x^2 e^{3x} + (12a-12a) x e^{3x} + 2a e^{3x} = e^{3x} \\
2a e^{3x} = e^{3x}
\]となります。よって、\[
a = \frac{1}{2}
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = \frac{1}{2} x^2 e^{3x}
\]と求められる。

 

よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、\[
y = C_1 e^{3x} + C_2 x e^{3x} + \frac{1}{2} x^2 e^{3x}
\]が答え。

 

解答5

まず同次方程式\[
\frac{d^2 y}{dx^2} + 4 \frac{dy}{dx} + 4y = 0
\]の一般解を求める。特性方程式は、\[
k^2 + 4k  + 4 = 0
\]となるので、\[
(k+2)^2 = 0 
\]とすることで k = -2(2重解)となり、同次方程式の一般解は任意定数  C_1,  C_2 を用いて\[
y = C_1 e^{-2x} + C_2 x e^{-2x}
\]となる。

 

つぎに、特殊解を1つ探す。

右辺が  R(x) = \cos 2x \cos kx の形になっているため、特殊解を\[
y = a \sin 2x + b \cos 2x
\]とおく。

すると、\[
\frac{dy}{dx} = 2a \cos 2x - 2b \sin 2x
\]\[
\frac{d^2 y}{dx^2} = -4a \sin 2x - 4b \cos 2x
\]となる。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
-4a \sin 2x - 4b \cos 2x + 4(2a \cos 2x - 2b \sin 2x) + 4( a \sin 2x + b \cos 2x) = \cos 2x \\
(-4a-8b+4a) \sin 2x + (-4b+8a+4b) \cos 2x = \cos 2x \\
-8b \sin 2x + 8a \cos 2x = \cos 2x
\]となります。よって、\[
\left\{\begin{array}{l} 8a = 1 \\[4px] -8b = 0 \end{array}\right.
\qquad \therefore \quad \left\{\begin{array}{l} \displaystyle a = \frac{1}{8} \\ \displaystyle b = 0 \end{array}\right.
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = \frac{1}{8} \sin 2x
\]と求められる。

 

よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、\[
y = C_1 e^{-2x} + C_2 x e^{-2x} + \frac{1}{8} \sin 2x
\]が答え。

解答6

まず同次方程式\[
\frac{d^3 y}{dx^3} - 2 \frac{d^2 y}{dx^2} - 5 \frac{dy}{dx} + 6y = 0
\]の一般解を求める。特性方程式は、\[
k^3 - 2k^2 - 5k + 6 = 0
\]となるので、\[
(k-1)(k^2 - k + 6) = 0 \\
(k-1)(k+2)(k-3) = 0
\]とすることで k = 1, -2, 3 となり、同次方程式の一般解は任意定数  C_1,  C_2, [tex: C_3 を用いて\[
y = C_1 e^{x} + C_2 e^{-2x} + C_3 e^{3x}
\]となる。

 

つぎに、特殊解を1つ探す。

右辺が  R(x) = 3x^2 - 5x + 6 と2次の多項式になっているため、特殊解を\[
y = ax^2 + bx + c
\]とおく。

すると、\[
\frac{dy}{dx} = 2ax + b \ \ \frac{d^2 y}{dx^2} = 2a 
\]\[
\frac{d^3 y}{dx^3} = 0
\]となる。

問題文の微分方程式に代入すると、\[
0 - 2 \cdot 2a - 5 (2ax + b) + 6(ax^2 + bx + c) =  3x^2 - 5x + 6  \\
6ax^2 + (-10a+6b)x + (-4a-5b+6c) = 3x^2 - 5x + 6
\]となります。よって、\[
\left\{\begin{array}{l} 6a = 3 \\ -10a + 6b = -5 \\ -4a -5b + 6c = 6 \end{array}\right.
\qquad \therefore \quad \left\{\begin{array}{l} \displaystyle a = \frac{1}{2} \\ \displaystyle b = 0 \\ \displaystyle c = \frac{4}{3} \end{array}\right.
\]となるので、特殊解の1つが\[
y = \frac{1}{2} x^2 + \frac{4}{3}
\]と求められる。

 

よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、\[
y = C_1 e^{-2x} + C_2 x e^{-2x} + \frac{1}{8} \sin 2x
\]が答え。

 

よって、一般解は、「同次形の一般解」+「特殊解の1つ」となるので、\[
y = C_1 e^{x} + C_2 e^{-2x} + C_3 e^{3x} + \frac{1}{2} x^2 + \frac{4}{3}
\]が答え。

 

6.さいごに

今回は、非同次の定数係数線形微分方程式を未定係数法を用いて解く方法について説明しました。

特殊解の形が簡単に推測できる場合は、今回のように未定係数法を使って特殊解を求めましょう。

 

次回は、非同次方程式の解き方の2つ目として、定数変化法について説明していきたいと思います。

*1:例えば、 R(x) が3次式なら、特殊解  y = y(x) は3次式、 \frac{dy}{dx} は2次式、 \frac{d^2 y}{dx^2} は1次式となりますね。そのため、 y = ax^3 + bx^2 + cx + d と3次の形でおいて微分方程式に代入して恒等式を解くことで特殊解が求められます。