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こんにちは、ももやまです。
「1年前期の線形代数でもう限界なのに、1年後期の線形代数難しすぎてもうわからない」ってなっている人もいるかと思います。
そこで、試験前でも4時間あれば総復習ができるように計11題の練習問題を作成しました!
※ 問題8~問題11は選択問題です。大学のテスト範囲などに合わせて1問を選択してください。
- 80分間で問題を解く。答えを回答フォームに入力する。
- 答えを送信後、間違った箇所を確認し、解説を見てどこで間違えたのか(理解ができていないのか)を確認する。
- 間違えた箇所を参考書や記事などで練習する。
- 時間があれば、合っている箇所も確認する。(青色と赤色の枠部分)
- 寝る。
時間がある人はじっくり、時間がない人は素早くこの記事にて1年後期の線形代数の復習をしましょう!
本記事では、練習問題の解説を載せております。さらに、要点を
- 試験で必要な知識:青色の枠
- 試験で必要な解き方:赤色の枠
- 試験で使える豆知識:オレンジ色の枠
- ワンポイントアドバイス:紫色の枠
などでまとめております。
※ この記事はフォーム式問題である、問題1~問題5の解説を載せております。問題6~問題11の記述式問題の解説は、別記事にて掲載しております。
目次 [hide]
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問題1. 知識チェック
次の(1)〜(6)の小問にそれぞれ答えなさい。
(1) 線形独立と線形従属
3次元ベクトル空間
(i) ベクトル
(ii) 次の1~5の命題の中から、必ず成立する文章を1つ選びなさい。 解答番号: [ 02 ]
, が線形独立ならば , , は線形独立である。 , が線形独立ならば , , は線形従属である。 , が線形従属ならば , , は線形独立である。 , , が線形独立ならば , , は線形独立である。 , , が線形独立ならば , , は線形従属である。
★解答★
(1-i) 2 [2点] (1-ii) 4 [2点]
(i) 解答: 2 [2点]
まず、線形独立 or 線形従属であるかというと行列
の逆行列 が存在する。- 連立方程式
の解が自明な解 ( ) 以外存在しない。 としたとき、 は線形独立(1次独立)である。
※ 1~4は1年前期の線形代数の復習です。
よって、答えは2の
(ii) 解答: 4 [2点]
(i)の答えをヒントに、1つずつ選択肢を見ていきましょう。
- ゼロベクトル
が入ると、 , がどんなベクトルであろうと となってしまうため、必ず線形従属となる。よって誤り。
(※ * には任意の数字が入る) - 例えば
とすると、 , が線形独立だが、 , , は線形従属とはならない[1]行列式 となるため。。よって、反例があるため誤り。 - もともと線形従属なベクトルの組に、ベクトルを追加したところで線形独立にはなりません。例えば階数1の行列に1行(1列)を追加しても階数3にはなりませんよね。よって、誤り。
から作られる下の行列式を考えてみましょう。 ここで、この行列式に対し列を(0倍以外の)何倍かにする操作を考えましょう。
すると、もともと行列式が0でなければ、(0倍以外なら)何倍にしようが行列式は0にはなりませんよね。
よって、 となるので、4は正しい。- 4で作った行列式は、0倍にしない限り何倍をかけても0(線形従属)にならない。よって、誤り。
よって、答えは4です。
(2) ベクトルと内積
(i) 内積
(ii) ベクトル
(例:正しい文章が2つ → 2と回答)
(iii) 複素数を成分とするベクトル
選択肢 | (ア) | (イ) |
---|---|---|
① | ||
② | ||
③ | ||
④ |
★解答★
No.03 3 [1点]
No.04 1 [1点]
No.05 4 [1点]
まずは、ベクトルの定義などについて軽くおさらいしておきましょう。
(1) 内積
- (2) ベクトル
の大きさ は以下の式で求めることができる。
(3) ベクトル
特に
次に、内積の計算法則について見ていきましょう。
=
(i) 解答: 3 [1点]
縦ベクトルはn行1列の行列として考えることができます。
ここで、内積はスカラー(1行1列の行列)なので、答えをスカラーにするためには「1行n列×n行1列」の計算になるようなものを選べばOK。よって答えは3。
(ii) 解答: 1 [1点]
順番に選択肢を見ていきましょう。
- 誤り。正しくは
- 誤り。正しくは
- 誤り。内積の公式は
なので、 より、 となります。(不等号の向きを反対にすれば正しくなります。) - 誤り。例えば、
のとき、 となるため、 となり、これが反例となる。 - 正しい。三角不等式の定義です。
(iii)
まずは複素内積の定義を確認しましょう。
ある複素数範囲でのベクトル
このとき、複素内積
次に、複素内積で成り立つ特別な計算法則も紹介しましょう。
(内積の順序を入れ替えると、その値は共役複素数[4]複素数 に対し、共役複素数は となる。をとった値となる。) =
( 側にある定数倍はそのまま外に出すことができる) =
( 側にある定数倍は複素共役を取ってから外に出すことができる)
※ 実際に上の3つの公式を忘れてしまったときは、適当に
よって、答えは④。
(3) 線形写像・線形変換
写像
(i)

(ii)
- 正規変換
- 対称変換
- 等価変換
- 固有変換
- 直交変換
(iii)
★解答★
No.06 3 [1点]
No.07 5 [1点]
No.08 1 [2点]
(i) 解答: 3 [1点]
線形写像の定義を復習しましょう。
- ある写像
が次の1, 2を満たすとき、線形写像となる。
(1) 足し算の分離が可能
(2) 定数倍の分離が可能
※
(ii) 解答: 5 [1点]
ここでは、線形変換について復習しましょう。
線形写像
(線形写像
また、ベクトル
(
(iii) 解答: 1 [1点]
まずは、線形写像の表現行列と、核と像の関係について復習しましょう。
線形写像
(1)
※
(2) 核
次元:
基底: 連立方程式
(3) 像
次元:
基底:
よって、
(4) 直交行列
直交行列について、(i)~(iii)の問いに答えなさい。
(i)
(ii) 次の1~8の行列のうち、直交行列であるものを1-4, 5-8からそれぞれ1つずつ選びなさい。
1~4の回答番号:[ 11 ], 5~8の回答番号:[ 12 ]

★解答★
No.09 3 [1点]
No.10 8 [1点]
No.11 4 [1点]
No.12 6 [1点]
(4-i) 解答: 3-8 [1点×2]
直交行列の大切な性質を確認していきましょう。
ある行列
(1) 直交行列とその転値の積(順不同)は必ず単位行列となる
(2) 直交行列を転置させたものは逆行列となる
(3) 直交行列の行列式は1か-1のいずれかである
(4) ある直交行列
今回の選択肢の中で、正しいものは
の2つとなり、答えは3-8となる。
(ii) 解答: 4-6 [1点×2]
真面目に
ここは、
具体的には、
の2つをそれぞれの行列に対して調べていけばOKです。
より× より× だけど なので×-
かつ となるので○ だけど なので× かつ なので○ より× より×
となるので、直交行列となるのは4-6。
大きさ1、内積0のどちらか一方を満たしていない時点で直交行列でないことが確定するので、すぐ次の行列の判定にうつりましょう。
また、内積0を判定する際には分母を無視してから計算すると計算効率をあげられます!
(5) 直交行列による対角化
次の1~6の行列のうち、直交行列で対角化可能な行列は何個あるか。個数を回答欄に入力しなさい。(例: 2つ → 2 と回答)回答番号: [ 13 ]

解答: 3 [2点]
まずは、直交行列で対角化可能ために必要な条件を見ていきましょう。
ある行列
また、
実際に
(6) 2次形式
(i) 任意の
(ii) (i) のとき、行列
★解答★
No.14 7 [2点]
No.15 3 [1点]
2次形式では、以下の2つのことを覚えておきましょう。
(1)
→ 正定値と呼ばれる
→ すべての固有値が0より大きい (
(2)
→ 半正定値と呼ばれる
→ すべての固有値が0以上 (
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問題2. 線形写像
(1) 線形写像(基礎)
線形写像に関する文章を読み、空欄に入る整数として正しいものをそれぞれ入力しなさい。
(i)
(ii)
(iii)
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まずは、表現行列の求め方を確認しましょう。
表現行列は、下のように各基本ベクトルに対して線形写像
ここで
※1
※2 逆行列を使って求める方法もありますが、個人的にはあまりおすすめではありません。
(i)
No.16 2 [1点]
No.17 5 [1点]
No.18 5 [1点]
No.19 7 [1点]
★解法1★
となるので、表現行列
★解法2★
※1
※2 2次正方行列
表現行列
例えば、今回の問題であれば
※ 時間がもったいないので、与えられた変換法則のうちの1つを試せばOK。
(ii)
No.20 -4 [1点]
No.21 -1 [1点]
No.22 5 [1点]
No.23 2 [1点]
(i)と同じように計算していけばOK。
★解法1★
となるので、表現行列
★解法2★
(iii)
No.24 4 [1点]
No.25 5 [1点]
さらに表現行列
よって、
(2) 線形写像(発展・合成写像)
次の線形写像
(i)
(ii) 合成写像
(iii) 合成写像
, ともに逆変換は存在する。 には逆変換が存在するが、 には逆変換が存在しない。 には逆変換が存在するが、 には逆変換が存在しない。 , ともに逆変換は存在しない。
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(i)
No.26 0 [1点]
No.27 1 [1点]
(ii)
No.28 8 [1点]
No.29 3 [1点]
No.30 2 [1点]
No.31 -5 [1点]
No.32 -4 [1点]
No.33 -3 [1点]
合成写像の表現行列は、行列を掛ける順番に要注意です。
ただ、幸いなことに今回は行列のサイズが問題文に与えられているため、掛ける順番のミスは発生しないようになっています。(記述式の場合要注意!!)
すると
※
(iii)
No.34 2 [2点]
ある写像
(a) 写像
(b) 写像
の2つを確認すればOKです。
今回は、
なので、(b)を満たすかどうかを行列式で確かめていきましょう[5]行列の階数で判定する方法もあるのですが、行列式の方が早く計算ができると思います。。
となるので、
よって、
表現行列が
(a)
(b)
また逆変換を持つ場合、その逆変換
ちなみに、余裕がある人は
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問題3. 部分空間
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(1) 部分空間の定義
つぎの(a), (b) の集合は
(a)
(b)
- (a), (b) ともに
の部分空間である。 - (a) は
の部分空間だが、(b)は の部分空間ではない。 - (b) は
の部分空間だが、(a)は の部分空間ではない。 - (a), (b)ともに
の部分空間ではない。
解答: 2 [5点]
(a) 部分空間である
部分空間の式を変形すると、以下のような式となる。
(b) 部分空間ではない
(b)が部分空間だと仮定する。例えば、
また、ある
しかし、
よって、部分空間だという仮定は誤りとなり、答えは2。
部分空間の定義は重要なので、見直しておきましょう。
次の 1, 2 を満たす集合が部分空間
が部分空間であるならば、 も部分空間である。 が部分空間であるならば、それを 倍した も部分空間である。
(2) 部分空間の次元[1]
つぎの
解答: 3 [5点]
行列
ここで、ベクトルが生成する部分空間の次元は行列
そこで、行列
となるので、行列
よって答えは3。
あるベクトル
(3) 部分空間の次元[2]
つぎの
解答: 2 [5点]
行列
よって、
行列式で確認をすることも一応できる。
(ただし、この方法では
問題4. 正規直交基底の作成
次の
すると、以下のベクトル
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まずは、グラムシュミットの直交化法による正規直交基底の求め方を確認しましょう。
ベクトル
また、この公式を一般化したものを示す。
では、実際に計算していきましょう。
(i)
No.38 3 [1点]
(ii)
No.39 0 [1点]
No.40 -1 [1点]
No.41 1 [1点]
まずは、
あとは
(ii)
No.39 0 [1点]
No.40 -1 [1点]
No.41 1 [1点]
まずは、
あとは
なので、この段階で
10秒の検算で救われる単位がある!
(iii)
まずは、
あとは
正規直交基底の確認
No.46 1 [1点]
No.47 0 [1点]
この問題は、
- グラム・シュミットで出てくるベクトルはどんなベクトルなのか
- 絶対に検算してよね!!
という2つのメッセージを込めて作成しております。
あるベクトル
(1) どのベクトルの大きさも1である(大きさ1に正規化されている)。
(2) 正規直交基底から2本を選んで、その内積を取ると必ず0になる(直交している)。
(3) 正規直交基底を並べて作った行列
問題5. 固有値・固有ベクトル・対角化
(1) 知識問題
次の固有値、固有ベクトルに関する(i)~(iii)の問題に答えなさい。
(i) ある正方行列

(ii) 固有値、固有ベクトルに関する記述として最も適切なものを1つ選びなさい。回答番号:[ 49 ]
- 固有値に0が含まれる行列は絶対に対角化不可能である。
- 固有値に重解が含まれない行列は必ず対角化できる。
- ある固有値に対し、1つも固有ベクトルが存在しないことがある。
- 相異なる固有値に対する固有ベクトルが線形従属になることがある。
(iii) ある
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(1)
最初に固有値・固有ベクトル・固有空間に関して軽く復習をしましょう。
ある正方行列
また、固有空間
ある
(1) 固有値は
(2) 固有ベクトルは連立方程式
ただし、求める際に以下の注意が必要である。
である。- 固有ベクトルの数は最小で1本、最大で重解の数だけ存在する。
- ある固有値に対する固有ベクトルの数は
本である - 固有ベクトルが複数ある場合、それらのベクトルは必ず線形独立になるように取る必要がある。
(i) 解答: 3 [1点]
まずは、定義
ここで、固有値が4なので、
さらに、
よって、両方とも成立する組み合わせになっているのは3です。
(ii)
解答: 2 [1点]
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
- 誤り。反例は今回の問題7。固有値が0でも対角化ができることはある。
- 正しい。
なため、 を満たす は最低1つ存在する。よって、固有値に重解がなければ、 次正方行列に対し、 個のベクトルが存在するので正しい。 - 誤り。
を満たす は最低1つ存在するため、1つも固有ベクトルが存在しないことはありえない。ありえるとしたらそれは「あなたが計算ミスをしているときだけ」だ。 - 誤り。相異なる固有値に対する固有ベクトルは必ず線形独立となる。もし線形従属になったら、固有ベクトルを並べて行列
を作る際に が正則行列ではなくなってしまう。
よって、答えは2。
また、ある行列
(iii)
解答: 3 [1点]
対角化ができるということは、
これを固有空間で言い換えると、
(ちなみに選択肢4は、
ある
この条件を固有空間の次元で表現すると、
※
(2) 対角化(誘導あり)
行列
(i)
(ii) 固有値3に対する固有ベクトルとして、以下の2本が得られる。
(iii) ここで、正則な行列
を用いて対角化することができる。ただし、 は以下の行列である。 を用いて対角化することができる。ただし、 は以下の行列である。 を用いて対角化することができる。ただし、 は以下の行列である。 を用いて対角化することができる。ただし、 は以下の行列である。- 対角化ができないことがわかる。
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(i) 固有値計算
No.51 1 [3点]
No.52 2 [2点]
普通に
となるので、固有値は1と、3(2重解)と求まります。
固有値の総和は行列の対角成分の和に一致しているので、検算に大変便利です。
今回の場合は、対角成分の和は
確かに固有値の和は 1 + 3 + 3 = 7 と一致していますね!
(重解の場合は重解の数だけカウントしてください)
(ii) 固有ベクトルの計算
No.53 -2 [2点]
No.54 0 [2点]
No.55 -1 [1点]
固有値3に対する固有ベクトル
行基本変形をすると
となる。
ここで、行基本変形より、連立方程式
固有値3の固有ベクトルは、この解の中から線形従属な固有ベクトル2本なので、
固有値1に対する固有ベクトルは、
行基本変形をすると、
となる。
ここで、行基本変形より、連立方程式
この解の
(iii)
No.56 2 [3点]
正則行列
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