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こんにちは、ももやまです。
前回(Part3)では複素関数の収束半径を求めたり、べき級数の収束円内における総和を求める方法を説明しました。
今回はある複素関数をマクローリン展開・テイラー展開してべき級数展開する方法について簡単にですがまとめていきたいと思います。
前回のうさぎでもわかる複素関数(Part3)はこちら!
収束半径やべき級数の総和(マクローリン展開・べき級数展開の逆)の方法をまとめているので、まだ収束半径がよくわかっていない人はこちらの記事で復習しましょう。
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1.複素関数のマクローリン展開
複素関数も実数関数と同じようにマクローリン展開をすることができます! しかも実数関数とそっくりなのです!
もし実数関数のマクローリン展開ってどんなのだっけとか忘れちゃったという人は下の記事でいったん復習しましょう。
複素関数のマクローリン展開の公式は下に示しておきます。
複素関数
とマクローリン展開することができる。
実数のマクローリン展開とそっくりですよね!
しかし1つ異なるのは、実数関数
実は複素関数の場合は、1回でも微分できるような複素関数は、必ず無限回微分することができるのです!
(実数関数だと1回微分できたからといって無限回微分できるとは限りませんよね。)
なので1回でも微分できるような複素関数はマクローリン展開することができるのです!
代表的な複素関数のマクローリン展開を紹介します。
主要な複素関数のマクローリン展開(べき級数展開)とその収束半径
特に
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2.複素関数のテイラー展開
原点
(マクローリン展開は原点
複素関数
と
マクローリン展開と同じく、1回でも微分できるような複素関数はテイラー展開することができます!
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3.べき級数の収束半径
例えば、複素関数
マクローリン展開やテイラー展開で求めたべき級数の収束半径は展開の中心から最も近い特異点までの距離となるのでわざわざダランベールの公式などを適用しなくても簡単に求めることができます。
イメージ図を用意しました
(Part3と同じ図です。また、
例えば、べき級数
ここで1問例題を解いてみましょう。
例題
複素関数
解説
方法は2パターン
その1:
その2:すでにある公式を利用
マクローリン展開公式
この
べき級数の収束半径
また、べき級数の収束半径は展開の中心(原点)から最も近い特異点までの距離である。ここで特異点は
ダランベールの公式で確認
本当に収束半径が 1/4 になるのかをダランベールの公式で確認してみましょう。
4.練習問題
では2問だけですが練習してみましょう。
練習1
複素関数
練習2
複素関数
5.練習問題の答え
解答1
まずは収束半径
べき級数の収束半径は展開の中心(原点)から最も近い特異点までの距離である。ここで特異点は
その1:
その2:すでにある公式を利用
公式
収束半径内なら項別微分できるので、
さらにもう1回項別微分すると、
ここで、
となるので両辺を
解答2
まずは収束半径
べき級数の収束半径は展開の中心(原点)から最も近い特異点までの距離である。ここで特異点は
その1:
その2:すでにある公式を利用
公式
収束半径内なら項別微分できるので、
ここで、
となるので両辺を
6.さいごに
今回は複素関数をマクローリン展開やテイラー展開を行うことでべき級数展開する方法についてまとめました。
複素関数もほぼ実数関数と同じようにマクローリン展開ができるのでここの計算はほぼ実数の場合と同じです!
次回は複素関数ならではの展開として特異点まわりでの展開(ローラン展開)についてまとめていきたいと思います。
Next Part05 ローラン展開はこちら↓
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