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こんにちは、ももやまです。
今回はジョルダン標準形を用いた行列の
前回の記事はこちら↓
ジョルダン標準形がよくわかっていない人はこちらの記事で復習してください。
また、今回の例題の行列は第22羽の例題の行列と全く同じです。
目次 [hide]
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1.はじめに
こちらの記事で対角行列であれば行列の
ジョルダン標準形の場合も対角行列のように行列の
(対角化を用いた行列の
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2.2次正方行列のジョルダン標準形のn乗
2次正方行列のジョルダン標準形は2重解の固有値
ここで、行列を
すると、2項定理を用いて
ここで、
なので、
このようにジョルダン標準形の
2次ジョルダン行列の
例題1
行列
(前回の第22羽の例題1と同じ行列です。)
解説1
基本的に対角化できる場合の行列のべき乗の求め方と同じです。
ただし、ジョルダン標準形に変わっているので、
行列
(ジョルダン標準形にするまでの過程はこちらから)
ここで、
変形することができるので、
ここで逆行列
また、ジョルダン標準形のべき乗
A^n & = P J^n P^{-1}
\ & = \left(
\ & = \left(
\ & = \left(
\ & = 3^{n-1} \left(
\end{align*} \]と計算できます。
[検算:
ちなみに二項定理ではなく、
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3.3次正方行列のジョルダン標準形のn乗
3次正方行列のジョルダン標準形の
ですが、2パターンに場合分けが必要です。
(1) 固有値が2重解+1重解 or 3重解かつ固有ベクトルが2本求められる場合
まずはこちらのジョルダン標準形の
(ただし
では先ほどと同じように2項定理を用いてジョルダン標準形
すると、2項定理を用いて
ここで、
なので、
(ちなみに下のほうで試すと
このパターンの
例題2
行列
(前回の第22羽の例題2と同じ行列です。)
解説2
行列
(ジョルダン標準形にするまでの過程はこちらから)
行列
ここで行列
3次正方行列なので掃き出し法で解く。
また、ジョルダン標準形のべき乗
(2) 固有値が3重解かつ固有ベクトルが1本しか求められない場合
つぎに(といっても最後ですが)固有値が3重解かつ固有ベクトルが1本しか求められない場合のジョルダン標準形の
こちらのジョルダン標準形は3重解の固有値
先ほどと同じように2項定理を用いてジョルダン標準形
すると、2項定理を用いて
ここで、
(先ほどと異なり、
なので、
ではこちらも1問練習してみましょう。
例題3
行列
(前回の第22羽の例題3と同じ行列です。)
行列
(ジョルダン標準形にするまでの過程はこちらから)
行列
ここで行列
3次正方行列なので掃き出し法で解く。
また、ジョルダン標準形のべき乗
4.練習
では1問だけですが練習してみましょう。
3次正方行列の計算はめんどくさいので2次正方行列の問題を持ってきました。
練習
つぎの行列
(1) 行列
(2) 行列
(3) 行列
(4) 行列
(5) (4)の結果を用いて初項
の
5.練習問題の答え
(1)
固有値を
(できればこの時点で対角化難しくねって思ってほしいです……)
(2)
固有値が2のときの固有ベクトルは、
よって固有ベクトルが行列のサイズ分(2つ)出せないので対角化はできない。
(3)
対角化ができないので、広義固有ベクトルを求めることでジョルダン標準形を求める。
よって、
[検算]
(4)
行列
ここで行列
また、ジョルダン標準形のべき乗
(5)
行列を用いて差分方程式の解く方法についてはこちらで詳しく説明しているので、興味がある人や(5)がうまく解けなかった人はこちらの記事をご覧ください。
6.さいごに
今回はジョルダン標準形を用いた行列の
2次正方行列, 3次正方行列の場合のジョルダン標準形の
2次のジョルダン標準形 のべき乗 のまとめ
(これは覚えておきましょう)
3次のジョルダン標準形 のべき乗 のまとめ
(上の2つは頭に入れておいてもいいかもしれません)
線形代数の更新は一旦ストップしたいと思います。
全23回+α、ありがとうございました!
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