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工業大学生ももやまのうさぎ塾

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うさぎ模試 解析2 記述編(定期試験・編入学・院試・数検対策)

こんにちは、ももやまです。

今回は「うさぎでもわかる解析」の総復習として、記述式で解析学の問題・解答・解説を作成しました。

解析系の試験の前に是非チャレンジしてみてください!

 

問題のPDFはこちらからダウンロードできます!

 

 

マーク編はこちら!↓

 

www.momoyama-usagi.com

(記述編より誘導が丁寧です) 

第1問.2変数関数の極値 

2変数関数\[
f(x,y) = x^4 + 2y^2 + 6x^2 - 8xy
\]の極値を求めたい。(1), (2)の問いに答えなさい。(配点 10)

(1) 点 (1,2) 以外の極値をとるすべての候補点(停留点)を答えなさい。
(2) 点 (1,2) が極値を持つかどうか調べなさい。

 

[解答]

 (1) (0,0), (-1,-2)  [2点+3点=5点]
 (2) 極小値をもつ(極小値:-1)[5点]

 

[解説]

(1)

2変数関数  f(x,y) が点  (a,b) において、\[
f_{x} (a,b) =f_{y} (a,b) = 0
\]を満たす点が停留点となる。

まず、2変数関数  f(x,y) x,  y それぞれで偏微分する。\[
f_{x} = 4x^3 + 12x - 8y \\
f_{y} = 4y - 8x
\]ここで、停留点であれば、\[
f_{y} = 4y - 8x = 0
\]が成り立つので、 4y = 8x、つまり  y = 2x が成立する。

 

また、停留点であれば\[\begin{align*}
f_{x} & = 4x^3 + 12x - 8y
\\ & = 4x^3 + 12x - 16x
\\ & = 4x^3 - 4x
\\ & = 4x (x^2 - 1)
\\ & = 4x (x + 1)(x - 1) = 0
\end{align*}\]も成立する。

よって停留点の  x 座標は  x = -1, 0, 1 の3つにしぼられる。

また、 y = 2x より、それぞれの停留点は  (0,0),  (1,2),  (-1,-2) となる。

 

よって  (1,2) 以外の停留点は  (-1,-2),  (0,0) となる。

 

 

(2)

 f(x,y) の2次導関数を求めると、\[
f_{xx} = 12x^2 + 12
f_{xy} = -8
f_{yy} = 4
\]となる。 (x,y) = (1,2) のとき、ヘッセ行列  H は\[\begin{align*}
H & = \left| \begin{array}{ccc} f_{xx} & f_{xy} \\ f_{yx} & f_{yy} \end{array} \right|
\\ & = \left| \begin{array}{ccc} 24 & -8 \\ -8 & 4 \end{array} \right|
\\ & = 8 \cdot 4 \left| \begin{array}{ccc} 3 & -1 \\ -2 & 1 \end{array} \right|
\\ & = 32 \cdot (3-2)
\\ & = 32 > 0
\end{align*} \]なので、 (1,2) は極値となることがわかる。さらに  (1,2) のとき、\[
f_{xx} = 24 > 0
\]なので、点  (1,2) は極小値を持つ。

 

[コメント]

条件がない場合の極値を求める問題でした。

極小値・極大値の判定を逆にする人が多いので気をつけましょう。

 

極値問題の復習からこちらから↓↓↓

www.momoyama-usagi.com

 

第2問.条件付き2変数関数の極値 

ラグランジュの未定乗数法を用いてつぎの条件付き極値を求めたい。

 x^2 + y^2 = 1 の条件下において、 f(x,y) = xy の極値

このとき、極大値、極小値があればそれぞれ答えなさい。(配点 10)

 

★解答★

極大値:1/2
極小値:-1/2

 

★解説★

 g(x,y) = x^2 + y^2 - 1 = 0 とする。すると、\[
f_{x} = y ,  \ \ \ f_{y} = x \\
g_{x} = 2x, \ \ \ g_{y} = 2y
\]となるのでラグランジュの未定乗数法により\[\begin{align*}
H & = \left| \begin{array}{ccc} f_{x} & g_{x} \\ f_{y} & g_{y} \end{array} \right|
\\ & = \left| \begin{array}{ccc} y & 2x \\ x & 2y \end{array} \right|
\\ & = 2y^2 - 2x^2
\\ & = 2(y^2 - x^2)
\\ & = 2(y-x)(y+x)
\\ & = 0
\end{align*} \]つまり  y - x = 0 or  y + x = 0 が成立する。

よって、 y = \pm x も成立するので、 g(x,y) = 0 に代入して候補点を求める。\[\begin{align*} 
g(x) & =
x^2 + (\pm x)^2 - 1 \\ & =
\\ & = x^2 + x^2 - 1
\\ & = 2x^2 - 1
\\ & = 0
\end{align*} \]となるので、 x = \pm \frac{\sqrt{2}}{2} が候補点の  x 座標。

ここで  y = \pm x より、\[
(x,y) = \left( \pm \frac{ \sqrt{2} }{2}, \pm \frac{ \sqrt{2} }{2} \right)
\]が極値の候補点(全部で4点)となる。ただし符号は複号任意。

 

あとは4点を  f(x,y) に代入することで極大値・極小値を求める。

(i)  (x,y) = \left( \pm \frac{ \sqrt{2} }{2} ,\pm \frac{ \sqrt{2} }{2}  \right) のとき(複号同順)

\[\begin{align*}
f(x,y) & = xy  \\ & = \left( \pm \frac{ \sqrt{2} }{2} \right) \cdot \left( \pm \frac{ \sqrt{2} }{2} \right) \\ & = \frac{1}{2}
\end{align*}\] 

(ii)  (x,y) = \left( \pm \frac{ \sqrt{2} }{2} ,\mp \frac{ \sqrt{2} }{2}  \right) のとき(複号同順)

\[\begin{align*}
f(x,y) & = xy  \\ & = \left( \pm \frac{ \sqrt{2} }{2} \right) \cdot \left( \mp \frac{ \sqrt{2} }{2} \right) \\ & = - \frac{1}{2}
\end{align*}\] となるので、

極大値:1/2
極小値:-1/2

となる。

 

[コメント]

ある条件下においての極値を求める問題でした。

ラグランジュの未定乗数法は  \lambda を使った式\[
\left\{ \begin{array}{l} f_x - \lambda g_x = 0 \\ f_y - \lambda g_y = 0 \end{array}\right. 
\]よりも行列式を用いた\[
\left| \begin{array}{ccc} f_x & g_x \\ f_y & g_y  \end{array} \right| = 0
\]で判定するほうが楽なので、行列を使った方法も頭に入れておきましょう!

 

条件付き極値問題の復習からこちらから↓↓↓

www.momoyama-usagi.com

第3問.2重積分(基本)

2重積分\[
\iint_{D} \frac{ \sin y }{ y} \ dxdy 
\\ D = \{ (x,y) \mid 0 \leqq x \leqq \pi, \ x \leqq y \leqq \pi \ \}
\]を求めたい。つぎの(1), (2)の問いに答えなさい。(配点 10)

(1) 積分領域  D を図示しなさい。
(2) この2重積分の値を求めなさい。

 

★解答★

(1) 下の解説を参照
(2) 2

★解説★

(1)

下の図のようになる。

ついでに積分範囲も交換する。

f:id:momoyama1192:20200206154920g:plain

(2)

 y 側の積分領域に文字が含まれているため、 y から先に積分しなければならない。

しかし、積分 \[ \int \frac{ \sin y }{ y } \ dy \] の不定積分は求められない。

そこで、積分順序を入れ替えることで、 x から積分できるようにする。積分範囲を入れ替えると、\[
D = \{ (x,y) \mid 0 \leqq x \leqq y, \ 0 \leqq y \leqq \pi \ \}
\]となる。よって、\[
\iint_{D} \frac{ \sin y }{ y} \ dxdy = \int^{\pi}_0 \left( \int^{y}_0 \frac{ \sin y }{ y } \ dx \right) \ dy
\]の計算をすればよい。

ここで、\[\begin{align*}
\int^{y}_0 \frac{ \sin y }{ y } \ dx & =
\frac{ \sin y }{ y } \int^{y}_0 1 \ dx \\ & =
\frac{ \sin y }{ y } \left[ x \right]^{y}_0  \\ & =
\frac{ \sin y }{ y } \cdot y \\ & =
\sin y
\end{align*}\]となるので、\[\begin{align*}
\iint_{D} \frac{ \sin y }{ y} \ dxdy & = \int^{\pi}_0 \left( \int^{y}_0 \frac{ \sin y }{ y } \ dx \right) \ dy
\\ & = \int^{\pi}_0 \sin y \ dy
\\ & = \left[ - \cos y \right]^{\pi}_0
\\ & = 1 + 1
\\ & = 2
\end{align*}\]と計算できる。

 

[コメント]

2重積分の基礎を問う問題でした。

しかし、記述式なので「そのままの積分順序では計算が難しいので積分順序を交換して楽に計算ができる」ことができるかどうかを確かめる問題にしました。

 

「あれれ? そのままの順番だと積分ができないぞ!?」みたいな問題でも、積分順序を逆にしたら簡単に計算できる問題も結構あります。

 

2重積分の基礎部分の復習(積分範囲の交換など)はこちらから↓↓↓

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第4問.2重積分(応用・変数変換)

2重積分\[
\iint_{D} (x^2 - y^2) e^{ (x-y)^2 } \ dxdy 
\\ D = \{ (x,y) \mid 0 \leqq x+y \leqq 8, \ 0 \leqq x-y \leqq 2 \ \}
\]を求めたい。つぎの(1), (2)の問いに答えなさい。(配点 10)

(1) どのように変数変換したのか、変数変換によるヤコビアンを求めなさい。
(2) この2重積分の値を求めなさい。

★解答★

(1) 変数変換: x + y = 2p,  x - y = 2q ヤコビアン:2  [5点]
(2)  8(e^4 - 1)  [5点]

★解説★ 

(1)

 x + y = 2p,  x - y = 2q とする。すると、\[
2x = 2p + 2q, \ \ \ 2y = 2p - 2q 
\]より、\[
\left\{ \begin{array}{l} x = p + q \\ y = p - q \end{array}\right. 
\]となる。よってヤコビアン  J は\[\begin{align*}
J = & \left| \begin{array}{ccc} \frac{\partial x}{\partial p} & \frac{\partial x}{\partial q} \\ \frac{\partial y}{\partial p} & \frac{\partial y}{\partial q} \end{array} \right|
\\ = & \left| \begin{array}{ccc} 1 & 1 \\ 1 & -1 \end{array} \right| 
\\ = & -2
\end{align*}\]の絶対値となるので、\[
dxdy = 2 \ dpdq, \\
D'= \{ (p,q) \mid 0 \leqq p \leqq 4, \ 0 \leqq q \leqq 1 \ \}
\]となる。

 

(2)

(1)より、\[\begin{align*}
\iint_{D} (x^2 - y^2) e^{ (x-y)^2 } \ dxdy & = 
\iint_{D'} 2 \cdot 4pq e^{ 4q^2 } \ dpdq \\ & =
\int^{4}_{0} p \ dp \cdot \int^{1}_{0} 8 qe^{ 4q^{2} } \ dq
\end{align*}\]を計算すればよい*1

それぞれの積分を求めると、\[\begin{align*}
\int^{4}_{0} p \ dp & = \left[ \frac{1}{2} p^2 \right]^{4}_{0}
\\ & = 8
\end{align*} \]、\[\begin{align*}
\int^{1}_{0} 8 qe^{ 4q^{2} } \ dq & = \left[ e^{ 4q^{2} } \right]^{1}_{0}
\\ & = e^4 - 1
\end{align*} \]となるので、\[\begin{align*}
\iint_{D} (x^2 - y^2) e^{ (x-y)^2 } \ dxdy & = 
\iint_{D'} 2 \cdot 4pq e^{ 4q^2 } \ dpdq \\ & =
\int^{3}_{0} p \ dp \cdot \int^{1}_{0} 8 qe^{ 4q^{2} } \ dq \\ & =
8 (e^4 - 1)
\end{align*}\]となる。

 

[コメント]

変数変換をしてから積分していく少しむずかしい問題でした。

今回のように積分範囲が単純ではない*2置換することがほとんどです。

なぜかヤコビアンを出したのに掛け忘れる人が多いので気をつけましょう。

 

変数変換を用いた2重積分の復習はこちらから↓↓↓

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第5問.広義2重積分

つぎの広義積分\[
\iint_{D} \frac{1}{ (x^2 + y^2 + 1)^a } \ dxdy 
\] D xy 平面全体

について(1), (2)の問いに答えなさい。(配点 10)

(1) 広義積分が存在するための  a の条件を求めなさい。
(2) (1)の条件のもとで広義積分を計算しなさい。

★解答★

(1)  a \gt 1  [5点]
(2)  \frac{\pi}{a-1}  [5点

 

★解説★

(1)

 x = r \cos \theta,  y = r \sin \theta とすると、ヤコビアンは  r となるので、\[
dxdy = r \ dr d \theta
\]となる。また、積分領域  D' は、\[\begin{align*}
D' = \{ (r, \theta ) \mid 0 \leqq r , \ 0 \leqq \theta \leqq 2 \pi \ \}
\end{align*}\]となる。よって、\[\begin{align*}
\iint_{D} \frac{1}{ (x^2 + y^2 + 1)^a } \ dxdy & = \iint_{D'} \frac{r}{ (r^2 + 1)^a } \ dr d \theta
\\ & =  \int^{2 \pi}_{0} 1 \ d \theta \cdot \lim_{R \to \infty} \int^{R}_{0} \frac{r}{ (r^2 + 1)^a }
\end{align*}\]を求めればよい(広義積分に注意)。

 

ここで広義積分となっている  r の積分について考える。\[\begin{align*}
\int^{R}_{0} \frac{r}{ (r^2 + 1)^a } & = \frac{1}{2} \int^{R}_{0} 2r (r^2+1)^{-a}
\\ & = \frac{1}{2} \left[ \frac{1}{1-a} \cdot (r^2+1)^{-a+1} \right]^{R}_{0}
\\ & = \frac{1}{2(1-a)} \cdot \left( (R^2+1)^{1-a}  - 1 \right)
\\ & = \frac{1}{2(1-a)} \cdot \left( (R^2+1)^{1-a}  - 1 \right)
\end{align*} \]となる。

よって R \to \infty のときに  (R^2+1)^{1-a} を収束させるためには、 1 - a \lt 0 であればよい。

つまり、 a \gt 1 のときに広義積分が存在(収束)する。

 

(2)

 a \gt 1 とすると、\[\begin{align*} &
\lim_{R \to \infty} \int^{R}_{0} \frac{r}{ (r^2 + 1)^a } \\ = \ &
\lim_{R \to \infty} \left (\frac{1}{2(1-a)} \cdot \left( (R^2+1)^{1-a}  - 1 \right) \right)\\ = \ &
\left (\frac{1}{2(1-a)} \cdot \left( 0  - 1 \right) \right)\\ = \ &
\frac{1}{2(a-1)}
\end{align*} \]となる。

 

さらに、\[ \begin{align*}
\int^{2 \pi}_{0} 1 \ d \theta = 2 \pi
\end{align*} \]なので、\[\begin{align*}
\iint_{D} \frac{1}{ (x^2 + y^2 + 1)^a } \ dxdy & = \iint_{D'} \frac{r}{ (r^2 + 1)^a } \ dr d \theta
\\ & =  \int^{2 \pi}_{0} 1 \ d \theta \cdot \lim_{R \to \infty} \int^{R}_{0} \frac{r}{ (r^2 + 1)^a }
\\ & = 2 \pi \cdot \frac{1}{2(a-1)}
\\ & = \frac{\pi}{a-1} 
\end{align*}\]となる。

 

[コメント]

2重積分の広義積分に関する問題でした。

おそらく、今回の問題の中で一番難易度が高い問題だと思います。

 

ある変数  a の値がどのようなときに広義2重積分が収束 or 発散するかについての問題は頻出なので必ず確認しておきましょう。

 

広義2重積分の復習はこちらから↓↓↓

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さいごに

今回は解析2(2変数関数の微分積分)の模試の記述編の解説をしていきました。

マーク編もあるので余裕がある人はマーク編にもチャレンジしてみましょう!

 

うさぎ模試で解けなかった部分は復習しましょう!

特に2重積分は、大学の期末試験、院試、数検1級などの様々な場面で出題されるので、2重積分ができなかった人は集中的に2重積分の練習をすることをおすすめします。

*1:\[\begin{align*} 
x^2 - y^2 & = (x+y)(x-y)
\\ & = 2p \cdot 2q
\\ & = 4pq
\end{align*}\]

*2:積分範囲  D が\[D = \{ (x,y) \mid a \leqq x \leqq b, \ c \leqq y \leqq d \ \} \]の形になっていないようなもの。